米製薬大手ファイザーの日本法人は18日、新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省に薬事承認を申請したと発表した。新型コロナの予防に向けたワクチンの申請は、日本国内では初めて。早ければ来年3月に接種が始まる可能性がある。審査を大幅に簡略化できる「特例承認」の適用を求めている。
ファイザーのワクチンは今月上旬以降、英国や米国などで緊急承認され、接種が始まっている。田村憲久厚労相は18日の閣議後記者会見で、「申請が来れば有効性、安全性を審査して判断したい」と述べた。
ファイザーのワクチンは独バイオ医薬品企業ビオンテックとの共同開発。海外で約4万人の臨床試験(治験)を行い、9割以上の有効性を確認した。日本政府は6000万人分の供給に向けてファイザーと基本合意している。
厚労省は申請を受け、迅速に審査を実施。承認すれば緊急輸入して接種を開始する。ファイザーのワクチンは零下70度前後の保管が必要なため、供給体制の準備も進めている。
新型コロナのワクチンで、政府はファイザーに加え、米バイオ医薬品企業モデルナ、英製薬大手アストラゼネカから、計1億4500万人分以上を購入することで合意している。このほか、国内でも大阪大発ベンチャーのアンジェスや、塩野義製薬が治験を進めている。
JIJI Press