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開催期待も「まず日常を」=窮地のホテル、見えぬ先行き―東京五輪まで半年

個人消費が回復しても、観光産業に経済効果が表れるには時間がかかるといい、「ホテルの売り上げ減少は23年ごろまで続く恐れがある」と分析した。(Shutterstock)
個人消費が回復しても、観光産業に経済効果が表れるには時間がかかるといい、「ホテルの売り上げ減少は23年ごろまで続く恐れがある」と分析した。(Shutterstock)
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24 Jan 2021 09:01:48 GMT9
24 Jan 2021 09:01:48 GMT9

東京五輪「特需」に沸き、建設ラッシュが続いた国内ホテルは、出口の見えない新型コロナウイルス流行で経営危機に陥っている。開幕予定日が半年後に迫る中、感染状況に改善は見られず、業界からは「中止されれば持たない」と悲痛な声が上がる。「期待はするが、まずは日常の回復を」と、半年先より今を案ずる声もあった。

東京・浅草の雷門旅館は、五輪開催に合わせて老朽化した建物を建て替え、2019年夏に新装開業した。インバウンド需要を見込んだが、コロナ禍で状況は一変。取締役の男性によると、予約が入らず休業する日が続き、今年1月の売り上げは前年の9割減となる見通しだ。

男性は「五輪は盛り上がるしやってほしいとは思うが、ボーナスステージくらいに思っている」と淡々と語る。「それよりも早く日常が戻ってほしい」。厳しい現状を案じた。

8月にマラソン競技が予定される札幌市。札幌パークホテル(同市)は2月から競技期間中の宿泊予約を本格化させる予定だが、担当者は「売り出してもさほど動きはないでしょう」とぼやく。「今後も人が動くと感染が広がり、自粛する流れを繰り返すのでは」と先行きを不安視した。

国立競技場が一望できる日本青年館ホテル(東京都新宿区)には、国内外の企業や団体から五輪期間中の予約が入っている。三田村成之総支配人は「開催がなくなったらどうにもならない。業界が持たない」と話す。感染拡大で開催に疑問の声があるとは理解するが、「五輪を頼りにする人もいると知ってほしい」と訴えた。

五輪開催は本来、外国人旅行者の宿泊需要が拡大する好機だが、見通しは暗い。高崎経済大の井門隆夫教授(観光経営学)は「インバウンドが戻るまでホテル業界の回復は難しい」と指摘。個人消費が回復しても、観光産業に経済効果が表れるには時間がかかるといい、「ホテルの売り上げ減少は23年ごろまで続く恐れがある」と分析した。

JIJI Press

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