韓国の文在寅大統領は3月1日、東京オリンピックは米朝対話、日朝対話、南北対話を再開させる機会を提供する可能性があると述べた。
ソウルでの三・一独立運動102周年を祝う式典で演説した文在寅大統領はまた、韓国が東京オリンピックの成功のために協力し、そうすればこれは、両国が新型コロナウイルスのパンデミックの後遺症から回復するために役立つだろうとも述べた。
2019年に北朝鮮のアメリカとの非核化交渉が決裂した後、北朝鮮と日韓の関係が悪化している現在、文大統領のこのような演説をした。
2018年の平昌オリンピック冬季競技大会を見習おうとして、韓国政府は新型コロナウイルスのパンデミックや、北朝鮮の外界との交流遮断をめぐって、不安があるにもかかわらず、北朝鮮との外交を回復させるために、東京オリンピックに大きな期待を寄せている。
「今年予定されているオリンピック競技大会は、韓日間、南北間、日朝間、そして米朝間の対話の機会にもなり得るものと考えます」と、日本の植民地支配からの独立有功者たちが、1919年にこの国の自由を宣言したソウルの公共広場、タプコル公園で、文大統領は述べた。
「私は韓日両国が、コロナ禍によって打撃を受けた経済を回復させ、一層堅固な協力を進めながら、ポストコロナ時代に向けた新たな秩序を共に築いていくことを願っております」
1910年から1945年までの日本による朝鮮半島の植民地支配は、両国関係を悩ませ続けている。日本企業が戦時中に強制労働をさせた徴用工に賠償すべきであるとした韓国最高裁判所の2018年の判決に続いて、1月にソウルの裁判所は初めて、戦時中に強制的に慰安所で働かされた12人の元「従軍慰安婦」に賠償するように日本に命じた。
慰安婦問題と徴用工問題は2015年の日韓合意と、1965年の日韓基本条約で、それぞれ解決済みであると主張する日本政府は、この2つの判決を非難していた。
文大統領は、「被害者中心主義の立場から、賢明な解決策」を模索しながら、こうした問題に関して、いつでも日本政府関係者と向き合い、対話する「準備ができております」と述べた。
「過去にばかり捕らわれているわけにはいきません」と、文大統領は述べた。「膝を交えれば…過去の問題もいくらでも賢明に解決できると確信しております」
ロイター通信