東京：東京オリンピック組織委員会会長は、政府が5月31日まで東京およびその他の地域に緊急事態宣言を発令していることから、IOCのトーマス・バッハ会長が今月中に日本を訪れる可能性は低いと述べた。

バッハ会長による来日の中止は、国際オリンピック委員会や、日本、特に東京と日本の第二の都市である大阪で感染者が急増している中、コロナ禍の最中に「安全で安心な」オリンピックを開催できると主張する開催国にとって不面目な展開である。

延期されたオリンピックは、わずか11週間後の7月23日に開幕し、続いて8月24日にパラリンピックが開催される予定である。

組織委員会の橋本聖子会長は週明けの記者会見で、「率直なところ、彼が今来るのはかなり厳しいと思います」と述べ、「何も決まっていません」と付け加えた。

また、「緊急事態宣言が延長される中、バッハ会長の訪問は極めて困難である」と橋本会長は述べ、「彼自身にとっても非常に難しいことだと思います」と付け加えた。

バッハ会長は先日、5月17日と18日に広島で聖火リレーを見て、おそらく東京にも行きたいと語っていた。しかし、計画は最終的なものではないと語っている。

偶然にも、IOCの有力メンバーであるセバスチャン・コー氏が、14億ドルを投じて建設された新国立競技場で日曜日に行われる陸上競技のテストイベントのために東京を訪れている。

コー氏は、陸上競技の統括団体である国際陸上競技連盟の会長であり、2012年のロンドンオリンピックの責任者でもあった。2025年に任期を終えるドイツ人のバッハ会長の後継者候補と目されており、1500mで2度のオリンピック金メダリストでもある。

今週初めに札幌で開催されたハーフマラソンのテストイベントについて、コー氏は称賛している。また、オリンピックを成功させようとする橋本会長にも共感している。

そんな橋本会長に、コー氏は「あなたが抱えているプレッシャーには同情する」と告げ、「しかし、幸いなことにロンドンでは、パンデミックに応じた措置を考慮するような複雑さはありませんでした。その複雑さにも同情する」と付け加えた。

また、コー氏は小池百合子東京都知事とも会談し、オリンピックの安全性を確認した。しかし、開催の安全性に異議を唱える科学者もおり、先月の英医学誌BMJは、オリンピックは「再考されなければならない」と訴える論文を掲載した。

一方組織委員会は、金曜日に終了し6日間にわたったダイビングのテストイベントを評価している。46の国と地域から集まった224人のダイバーを含む438人の参加者のうち、新型コロナウイルスの陽性反応は1人だけであった。陽性であったのはチーム関係者で、既に隔離されていると報道された。

組織委員会と国際水泳連盟（FINA）は、声明の中で「選手からのフィードバックは非常にポジティブなものでした」と述べている。

また、声明では「誰にとっても、安全であること、安全であると感じてもらうことが最大の目標であり、ここではそれがしっかりとされている。コロナ禍の状況を考えると、きわめて安全な環境である」というカナダ人ダイバーのジェニファー・アベルの言葉を引用している。

橋本会長は、ワクチン開発企業であるファイザー社とビオンテック社が東京大会に向けて選手や関係者に予防接種を寄付することで、より安全な大会になると述べた。ワクチンの寄付に関する合意は、木曜日にIOCによって発表された。

橋本会長によると、特に日本ではワクチン接種率が2％に満たないため、その傾向が強いという。

「私自身も、市民の懸念を十分に理解しています」と、若い選手たちが高齢者などに先立ってワクチンを接種することに言及し、「優先すべき市民へのワクチン接種を妨げるようなことは決して行ないません」と述べている。

AP通信