東京：東京オリンピック組織委員会は、東京オリンピックの開幕が3週間後に迫り、新型コロナウイルスの新たな感染の波が発生することが懸念される中、「何が何でも」観客を入れることにこだわることはない、と組織委員会の責任者は金曜日に語った。

世論調査では、多くの日本人が東京オリンピック開催に反対しており、公衆衛生の専門家らは、新型コロナウイルスの新たな感染の波を引き起こす可能性があると警告している。コロナ禍の影響により1年延期された東京オリンピックは、7月23日に開幕する予定である。

東京オリンピック組織委員会の橋本聖子会長は記者会見で、「何が何でも有観客で開催したいというわけではない」と述べた。

橋本会長は、組織委員会は国民の信頼を回復するために、「安全で安心な方法」でオリンピックを開催できるよう、準備を進めたいと述べた。

既に海外からの観客を受け入れないことを決定した組織委員会は、医療専門家らが観客を入れないことが「最もリスクの少ない」選択肢であると主張しているにもかかわらず、大会会場ごとに国内の観客数の上限数を1万人（収容人数の50％）と設定している。

菅総理は木曜日、無観客試合は「可能性がある」と述べた。また、東京都の小池百合子都知事は、退院後初めてとなる記者会見で、コロナの感染状況が悪化した場合には、無観客とすることも選択肢の一つであると述べた。

無観客とするかどうかについては、東京都知事、国際オリンピック委員会（IOC）会長を含む5者協議で決定される。共同通信社によると、5者協議は7月8日に行われるという。

IOCの委員で世界陸上競技連盟の会長であるセバスチャン・コー氏は、東京オリンピックが感染の激増を引き起こす「スーパースプレッダー」化するのではないかという懸念を一蹴し、「東京オリンピックは開催されるし、開催されるべきだ」とCNBCに語った。

しかしサッカーのユーロ2020大会では、欧州各地のスタジアムやバー、観客席にファンが押し寄せ、今週の新型コロナウイルスの新規感染者が急増したと言われている。これは日本でさらに不安を煽ることになりそうだ。

東京都に隣接する千葉県と埼玉県の両知事は、地元で開催される夜間の試合について、無観客で開催するよう組織委員会に既に要請している。読売新聞によると、組織委員会は両知事の要請を受け入れる方向で調整しているという。橋本会長は、組織委員会は地元自治体と協議の上、決定したいと述べた。

一方、北海道知事は、札幌市内のマラソンコースの沿道において観戦自粛を求めていく考えを明らかにしており、組織委員会に対し安全対策の実施を求めた。

また、政府は来週、東京およびその他の地域に出されている「まん延防止等重点措置」を解除するかどうかについて判断を下す予定である。

政府関係者によると、現在首都圏に出されている「まん延防止等重点措置」について、現在の設定されている7月11日の期限後、さらに2週間以上延長される可能性が高いという。

日本では、他の国や地域で見られるような新型コロナウイルスの爆発的感染流行は発生していないものの、より感染力の強い変異株が広がっている可能性があることや、ワクチン接種の初動が遅れていることから、少なくとも1回ワクチンを接種した人の数は人口の約23％にとどまっており、懸念が高まっている。

東京都内では、金曜日に新たに660人の新型コロナウイルス感染者が記録されており、前週比で13日連続の増加となった。
コロナ禍の発生以来、日本での新型コロナウイルス感染者の累計は79万6千800人以上となっており、死者数の累計は1万4千770人以上となっている。

ロイター