退陣を表明した菅義偉首相は、ワクチン接種を担当している人気の高い河野太郎大臣を自民党総裁選で支持する意向を示した。NNNが土曜日に報じた。

新型コロナの感染者が急増する中で支持率が低下した菅首相は突然退陣を表明し、1年間の任期を終えることとなった。退陣表明から一夜明けた土曜日、総裁選の有力候補や与党幹部の間で政治的な駆け引きが活発化した。

菅首相の発表から数時間後、TBSは情報源を明らかにしないまま、河野氏が自民党総裁選に出馬する意向だと報じた。河野氏は記者団に対し、出馬を決定する前に党内の仲間に相談したいとだけ述べた。

菅氏は、9月29日に予定されている総裁選で後継者が決まるまで留任することになっている。自民党は衆議院で過半数の議席を有しているため、自民党の新総裁は首相に指名されることになる。

外務大臣と防衛大臣を務めた河野氏（58）は、230万人のフォロワーを獲得したTwitterで支持を集め、若い有権者に人気がある。これは、ソーシャルメディアに疎い年配の男性が多くを占める日本の政治では珍しい事例となっている。

また、岸田文雄元外務大臣がすでに総裁選への立候補を表明しているほか、複数の人物が出馬に前向きな意向を示している。

アナリストによると、明確な有力候補がいない中、自民党の2つの大派閥や保守系議員の間で影響力を持つことから、菅氏の前任者である安倍晋三氏の姿勢が注目されている。

昨年9月に健康上の理由で辞任し、8年という歴代最長の任期を終えた安倍氏は、菅氏の再選を支持すると表明していた。TBSの報道によると、菅氏の退陣表明を受けて、安倍氏は自らに近い高市早苗元総務大臣を支持する意向を示しているという。

当選すれば日本初の女性首相となる高市氏は、総裁選の立候補に必要な20人の推薦人の確保に苦労していると見られていた。安倍氏の支持は高市氏のチャンスを高める可能性がある。

岸田氏は土曜日、総裁選で勝利した場合には消費税を10%に据え置くと述べ、数十兆円（数千億ドル）規模の新たな経済対策の財源には国債を充てると繰り返し述べた。

岸田氏はNNNの番組で、「当面、消費税に触ることは考えていない」と述べ、「その上で、経済成長の果実をどう使っていくのかという観点から、日本の財政を考えなければならない」と続けた。

安倍氏の前には、6年間で6人の首相が誕生していた。

ロイター