ニューヨーク時事: 国連総会第1委員会(軍縮)は27日、日本が毎年提出している核兵器廃絶決議案を賛成152、反対4、棄権30の賛成多数で採択した。昨年に比べ核保有国のフランスが棄権から賛成に回るなど、賛成が13カ国増えた。採択は28年連続。
外務省幹部は、賛成国が増えた理由について「文言を調整するなど、核保有国と非核保有国の間の『共通基盤』構築に地道に取り組んできた結果ではないか」と分析した。
核保有国では米英が共同提案国となった。中国とロシアは反対。1月に発効した核兵器の保有や使用を全面的に禁ずる核兵器禁止条約を主導したオーストリアやメキシコなどは棄権した。決議案は12月上旬に国連総会本会議で採択される見通し。
決議案では、核兵器禁止条約について直接言及せず、これまでと同様に「核兵器のない世界の実現に向けたさまざまなアプローチが存在することに留意」との表現にとどめた。岸田文雄首相は同条約について「現実を変えるためには核兵器国の協力が必要だ」として、加盟に慎重な考えを示している。
また、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の開催を来年1月に控え、2015年の前回会議が決裂した要因となった中東に非核・大量破壊兵器地帯を創設する構想への「支持を再確認する」との文言を盛り込んだ。
時事通信