秋篠宮皇嗣殿下は、30日、先月一般男性との結婚により皇籍から離脱した娘の眞子元内親王の婚約をめぐる報道について、事実誤認の「誹謗中傷」であるとメディアを批判した。

今年30歳となった眞子さんは、婚約者の小室圭さんの母親を巻き込んだスキャンダルに端を発した2人の結婚への反感を理由に小室さんとの結婚を約3年間延期し、その間、心的外傷後ストレス障害（PTSD）と診断されていた。

日本の法律に従い、眞子さんと小室さんの2人は自治体の事務所に婚姻届を提出し、眞子さんは皇籍を離れ、今月ニューヨークへと旅立った。

天皇陛下の弟である秋篠宮文仁皇嗣殿下は、56歳の誕生日を祝う記者会見で、皇室としては異例の率直な発言をしている。

秋篠宮殿下は、メディアによる報道と眞子さんがPTSDと診断されたことの因果関係についての質問に対し、「週刊誌を読んでみると、非常に何と言いましょうか、創作というか作り話が掲載されていることもあります。一方で、非常に傾聴すべき意見も載っています」と述べた。

現在ニューヨークの法律事務所に勤務する小室さんと眞子さんが2017年に婚約を発表したときは、日本中がお祝いムードに包まれたが、スキャンダル発覚後は激しいメディアの追求と批判に晒された。

秋篠宮殿下は、「ネットの書き込みなどは、一つの記事に対してものすごい数のコメントが書かれるわけで、中には確かに相当ひどいことを書いているのもあるわけですね。そこでの誹謗中傷で深く傷ついている人もいます」と付け加えた。
皇室ウォッチャーの中には、結婚反対運動さえ引き起こした眞子さんの結婚に対する反感は、皇族の生活を取り仕切る宮内庁が穏便に収めた可能性があると見る向きもあり、同様の事件を海外の王族はどのように対処しているかを引き合いに出している。

秋篠宮殿下は、宮内庁が時折ネット上の「誤った」情報を修正することもあるが、それがもっと必要になるかもしれないと示唆し、「内容が事実と異なる場合は、宮内庁とも相談しながら（反論時の）基準を考えていくことは必要だと思っている」と述べた。

また秋篠宮殿下は、小室さんの母親の元婚約者が小室家に貸したお金をめぐるスキャンダルについての説明が十分になされていないと感じたため、結婚の儀式の中止は自分が決めたが、「できれば通常通り執り行うのが良かったと思う」と述べている。

ロイター