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第5回世界がん撲滅サミットが大阪で開幕、患者視点での治療を提唱

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07 Dec 2021 01:12:02 GMT9
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細川 環

大阪: 世界がん撲滅サミットが2021年12月5日に大阪国際会議場にて開催され、大阪府の吉村知事やノーベル賞候補者、医学界の専門医を世界から招いてがん治療の最先端技術や課題点、注目すべき分野などを披露した。

開会式では岸田首相が録画メッセージでゲノム医療への投資開発については国を挙げて推進する方針や、日本国民の2人に一人は一度がんに罹患する現状において、これからの高齢化社会に向けて、がん撲滅は大きな課題であると述べた。

吉村大阪府知事は、「今回のサミットは日米だけでなく、世界各地と連携を取り、世界に向けた発信の場として、この大阪を選んで下さり感謝します。このサミットで披露される治験ががん撲滅に向けた挑戦に大きな契機となることを期待します。」と開会セレモニーで延べた。

2025年に開催される大阪万博のテーマである「命輝く未来社会のデザイン」であり、今回のサミットや万博を機に、新たなイノベーションが生まれる可能性があると結んだ。

シカゴから中継で参加したシカゴ大学のマーク・ラティン教授は、薬剤の低用量化に向けた戦略を示した。ラティン教授は、「今アメリカでは、がん患者が治療費として払う全体の約2割は診療費に、残りの8割は薬剤費に充てられています。低用量化が実現すれば、コスト削減や副作用による体への負担も減らすことが望めます。」とし、効果の高い新薬が支払い能力のある人々にアクセスが限定されないような工夫と戦略の開発を提唱した。

日本政府は6月から、ゲノム解析の推進を成長戦略に盛り込んでおり、新たな個別化医療の提供と活用に向けた体制整備に力を入れている。がん研究会がんプレシジョン医療研究センター所長でノーベル賞候補である中村祐輔教授は、がんという個人差が激しい多様な病気への治療体制が過度に標準化されているとし、ゲノム解析による個々に合わせたオーダーメイド治療を推進している。

中村教授はその上で、「ただ問題はコストで、現在一人のゲノム解析に3百万円かかるところを、将来的には5万円に抑えていくことが目標だ」と今後の課題を述べた。

中盤からは、公開セカンドオピニオン外来が行われ、会場の参加者が自身、または家族のがん治療について,専門医7人に意見を聞いた。

肝転移のある進行すい臓がんのケースから、乳がんの妻の抗がん剤治療選択まで多岐にわたる会場からの質問にそれぞれのがんの専門医が答え、サミットを終えた。

来年の同サミットはまた大阪で開催され、海外からの参加者も直接会場に来られる見通しだ。

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