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死者最悪19.9万人想定=津波対策で8割減―日本・千島海溝地震・中央防災会議

津波から逃れたものの、低体温症により死亡リスクが高まる人は約4万2000人に上ると見込んだ。(Shutterstock)
津波から逃れたものの、低体温症により死亡リスクが高まる人は約4万2000人に上ると見込んだ。(Shutterstock)
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21 Dec 2021 07:12:38 GMT9
21 Dec 2021 07:12:38 GMT9

政府の中央防災会議の作業部会は21日、北海道から東北地方の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝沿いでマグニチュード(M)9クラスの地震が起きた場合の被害想定を公表した。甚大な津波被害が広範囲に及び、死者は最大約19万9000人に上る。早期避難に加え、津波避難ビルの整備で犠牲者を約8割減らせるとも指摘し、被害軽減に向けた防災対策を求めた。

北海道から千葉県にかけての太平洋側と秋田、山形を含む9道県に被害が出ると想定。建物は最大約22万棟が全壊し、大半が津波で倒壊する。経済被害額はインフラ施設などの被災も含め約31兆3000億円と試算した。

被害は、地震が発生する季節や時間帯など異なる条件で推計。積雪寒冷地域では、雪や路面凍結で避難速度が遅くなる恐れがあるため、冬の深夜の津波被害が最も大きくなると想定した。 

死者が約19万9000人となるのは、冬の深夜に東北沖の日本海溝で発生し、すぐに避難する人の割合が少ないケース。2011年の東日本大震災(M9.0)の死者・行方不明者(計約1万8000人)の10倍以上となる。

道県別では、北海道が約13万7000人と最多で、青森約4万1000人、岩手約1万1000人、宮城約8500人と続いた。津波から逃れたものの、低体温症により死亡リスクが高まる人は約4万2000人に上ると見込んだ。

北海道沖の千島海溝で発生した場合は、死者が最大約10万人、低体温症リスクのある人は約2万2000人に及ぶ。建物は約8万4000棟が全壊・焼失する。

一方、津波から逃げ込めるビルやタワーを整備し、迅速に避難すれば、犠牲者は約8割減少できるとの推計も示した。二之湯智防災担当相は21日の記者会見で「命を守ることを最重要課題に防災・減災対策に取り組む」と述べ、避難路や避難所の整備を進める考えを示した。

内閣府の有識者検討会は20年4月、日本海溝(三陸・日高沖)でM9.1、千島海溝(十勝・根室沖)でM9.3の最大級の地震が起こり得るとし、北海道と岩手県の一部に最大で高さ30メートル弱の津波が襲来するとの推計を公表。専門家らでつくる作業部会はこれを基に、両海溝それぞれで発生した場合の被害を検討した。

時事通信

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