アンカラ/パリ：国連は金曜日、シリア北西部での戦闘が「大虐殺に終わる」可能性があると警告し、停戦を再度求めた。一方、モスクワはロシアの支援を受けたシリア政権の攻撃からの民間人の大量脱出の報告を否定した。

ロシア空軍の支援を受けたシリア政権軍は、12月以来、この地域の最後の反対勢力の拠点を排除するために戦っており、推定40万人のシリア人を殺害し、数百万人を追放し、国の大部分を荒廃させた。

アレッポとイドリブ地域での最近の攻撃では、さらに北へトルコ国境近くへと聖域を求めて衝突を逃れた100万人近くの人々を根絶した。

次々に明らかになる危機により、トルコは西側諸国との関係を改善するように強いられている。

翌日、フランス大統領とドイツ首相との電話で、トルコのレジェプ・ターイプ・エルドアン大統領は、イドリブでの人道危機を防ぐための「具体的な行動」を呼びかけた。

エルドアン首相は「政権とその支持者によるイドリブでの侵略を止めさせる必要性を力説し、人道危機を防ぐために具体的な行動による強力な支援の提供が重要であると強調した」。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相は木曜日にロシアのウラジミール・プーチン大統領に、人道危機に対する懸念を表明し、イドリブで激化する戦闘の終結を促すように語った。

米国のジャーマン・マーシャル財団のアンカラ事務所のディレクターであるOzgur Unluhisarcikli氏は、アラブニュースに次のように語った。 「トルコとEU加盟国間は、シリア北東部からリビアに至る外交政策問題に関して多くの違いがあるにもかかわらず、イドリブにおける人道的危機とシリアからトルコおよびヨーロッパへの新たな難民の波を防ぐ利害関係者である。」

氏は、西側諸国がイドリブに部隊を派遣することは論外だが、トルコに政治的支援およびシリアとの国境近くへのパトリオット地対空ミサイルシステムの提供が可能だと述べた。

「政権の攻勢回避後に、イドリブの住民の生活を向上することへの公約表明も投じるべきである」と彼は付け加えた。

「今回のトルコにおけるフランス、ドイツ、トルコ、英国の指導者間の４者会談のフォローアップは、トルコとの連帯を表明するための非常に良いプラットフォームになるだろう。」

元シリア外交官でPeople Demand Change Inc.の共同設立者であるBassam Barabandi氏は、アラブニュースに次のように語った。「今のところ、誰も人道危機を最優先事項と見なしていない。人道ツールは、この地域の権力間で起きている闘争の代償になっている。」

Ozgur Unluhisarcikli氏は、トルコとEU指導者間の将来的なサミットにおいて、トルコ国境へのロシアの支援を受けた爆撃から脱出するイドリブの民間人の流入による難民問題に焦点を当てるべきだと述べた。

シリア内戦犠牲者への人道支援の供与で重要な役割を果たしたフランスの医師は、イドリブにおけるロシア軍と政権軍による民間人、医療施設、救援センターの爆撃に対する国際社会の無関心を非難した。

ラファエル・ピッティ博士は、Union of Medical Care and Relief Organizationsの医療および救済ケアトレーニングを担当している。 「水曜日に無差別爆撃が難民キャンプを襲い、これらの行為が、国連人道輸送隊の国境を越えての支援提供を非常に困難にしている」とピッティ博士は語った。

「爆撃前は、キャンプの人々は町と村の民間委員会に登録後、援助を受けていたが、現在は約80万人が避難して人々が散在しており、人道援助を届けることは非常に困難である。当分の間は 難民キャンプの担当者が、国連によって北部に提供された人道支援を受け取っている。」