Najia Houssari

ベイルート：レバノンはコロナウイルスの感染確認を受け、イランを含む国々からのフライトを減らしている。

ゴムからベイルートへ航行したレバノン国民のウイルス感染診断を受け、イランを含める決定がなされた。レバノン当局はそのフライトの乗客150人に、イラン出国日から14日間の自宅隔離を要請した。

イラン保健省が金曜日、COVID-19の新しい感染者13人と、そのうち2人の死者を報告し、国内の死亡者数が2倍となった。ウイルスはUAE、エジプト、イスラエルにも広がっている。

シーア派の聖地ゴムやその他の都市を訪問するため、毎年数千人のレバノン人がイランへ向かう。

レバノンでのウイルス拡散に対抗する緊急事態ユニットのメンバーで、感染症専門家のAbdulrahman Al-Bizri博士は、イランの聖地へのフライト停止が望ましいが、課題が残る、と述べた。

「名前や住所を管理する旅行会社を通してイランから帰国した人々を追跡することは簡単です。問題は、イランへビジネス目的で行った人々です。特に、レバノン人はイラン入国にビザが不要なので、彼らを見つけてレバノンへウイルスを持ち込んだかどうかを調べることはできません」と彼はアラブニュースに話した。「私たちが直面する2つ目の問題は、地上での国境越えです。レバノンとイランの間には、シリアとイラクを経由する交通路があり、国境越えが合法か違法かを問わず、地上からレバノンに入国しうるいかなるケースも監視する緊急の追加措置が必要です」

イランの航空会社2社、イラン航空とマーハーン航空は、イラン・レバノン間で毎日1日2便を運航している。乗客の目的は多くが宗教である。

コロナウイルスの発見により、イナゴの大群の襲来や、新連立政権による社会的・政治的危機を解決するための続く苦戦など、レバノンでの他の出来事が影を潜めた。

ハッサン・ディアブ首相はコロナウイルス感染拡大についての会議を開いた。会議はベイルート空港と全国境検問所での厳格な措置を呼びかけ、人々にパニックにならないよう求めた。

コロナウイルスの感染者確認が報告されると、薬局ではすぐにマスクが品薄になった。

マスクやその他の防護服を大量に保有する医療用具業者は、最近それらを、特にウイルスと戦う国々へ再輸出していた。業者らは、現在レバノンの銀行はドル取引を規制しているため幸運なことに、米国ドルで支払いを受けていたので、医療用具を購入できた。

レバノンのRaoul Neama経済相は感染症対策の機器、用具、あるいは医療用個人用保護具の輸出を当分の間差し止める決定を発表した。

「レバノン国民の犠牲の下に不正な利益を得る搾取を防ぐため、消費者保護局が薬局でのマスクの価格を監視し、違反者には厳格に対処する」と彼は述べた。

いくつかの薬局では1枚のマスクの価格が、危機前の0.25ドル以下から、約5ドルまで上昇した。

レバノン のHamad Al-Hassan 保健相は公立病院を訪れコロナウイルスの感染例に対応する準備がどれほど整っているか視察した。

「不安や警戒は尤もですが、過剰なパニックは不要です」と彼は述べ、レバノンへの入国地点や国境検問所での手続きを順守する必要性を強調した。

しかし、感染が不安でも、人々は腐敗や機関に対するデモをやめていない。

マスクを着けた抗議者らはベイルートで、「代償を払うことになる」というスローガンを掲げて金融政策に対するデモを行った。