Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 新型コロナ規制が敷かれるなか、つつましくイードを祝ったレバノン

新型コロナ規制が敷かれるなか、つつましくイードを祝ったレバノン

ラマダンの終わりを告げるイード アル フィトルの祝日を前に、新型コロナウイルスの蔓延が懸念されるなか、風船を売り歩く少年(2020年5月23日、レバノンのシドン)。(ロイター)
ラマダンの終わりを告げるイード アル フィトルの祝日を前に、新型コロナウイルスの蔓延が懸念されるなか、風船を売り歩く少年(2020年5月23日、レバノンのシドン)。(ロイター)
イード アル フィトルの祝日を祝うために朝の祈りに参加するイスラム教徒の礼拝者たち。COVID-19パンデミック対策でマスクを着用し、社会的距離を保っている(2020年5月24日、レバノンの首都ベイルートの繁華街にあるモハメド アル アミン モスク)。(AFP)
イード アル フィトルの祝日を祝うために朝の祈りに参加するイスラム教徒の礼拝者たち。COVID-19パンデミック対策でマスクを着用し、社会的距離を保っている(2020年5月24日、レバノンの首都ベイルートの繁華街にあるモハメド アル アミン モスク)。(AFP)
イスラム教の祝日であるイード アル フィトルの初日、コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が懸念されるなか、誰もいない遊園地に警備員が座っている(2020年5月24日、レバノン南部シドン)。(ロイター)
イスラム教の祝日であるイード アル フィトルの初日、コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が懸念されるなか、誰もいない遊園地に警備員が座っている(2020年5月24日、レバノン南部シドン)。(ロイター)
Short Url:
25 May 2020 06:05:41 GMT9
25 May 2020 06:05:41 GMT9

Najia Houssari

ベイルート:新型コロナウイルスの感染拡大を防止する規制が敷かれるなか、レバノンのモスクでは、ラマダンの終わりを祝うイードの祈りが行われた。

ベイルートでは、外出は家族への訪問に限られ、公園その他の娯楽施設は閉鎖されたまま。経済危機に苦しむなか、ほとんどの人が飲食店の利用を控えていた。山間部に別荘を持つ家族は、ウイルスを避けるために、イードの休暇を別荘で過ごすことを選んだ。

モスクではイードの祈りが行われたが、参拝者数は地域によって差があった。モスクは、同国のイスラム教スンニ派最高宗教当局の決定を遵守して、礼拝者同士の距離を保ち、全員にマスクの着用を義務付け、礼拝用マットを礼拝者に持参させ、握手やハグを禁止した。

医師たちは、休日の間の社会的交流が、感染症の患者数の増加を招く可能性があるとして懸念を表明した。日曜日、17件のCOVID-19新規感染を保健省が確認、総数は11,114件となった。

しかし、イードの期間中はウイルスへの懸念より経済に対する懸念の方が強く、店主は販売量の大幅な減少を嘆いた。

「イードの前は、国民の購買力の低下とパンデミックのために、市場のビジネス活動は最小限でした」とベイルート・トレーダー協会のTony Eid会長はArab Newsに語った。「市場を閉鎖し続けるより、徐々に再開するべきです。銀行がドルを発行していないことや、外国為替ディーラーがまだストライキ中であることなど、私たちはいくつかの問題に直面していて、非正規な方法に頼ってドルを購入しかありません。さもなければ、商業セクターが立ち行かなくなります」

海外在留レバノン人の第3回帰国プログラムが日曜日に終了した。日曜日、リヤド、フランクフルト、パリ、ブリュッセル、アブダビ、ドバイ、ロンドンからの帰国者がラフィク ハリリ国際空港に到着した。土曜日の夜には、モスクワ、ロンドン、アビジャン、モザンビークからの便が到着した。政府は現在、第4回目の帰国プログラムは考えてないとしている。次回はパンデミックの状況を踏まえて決定される。

保健省によると、帰国者におけるCOVID-19の患者総数は193人で、6,393人が隔離センターで足止めされている。

ハッサン・ディアブ首相はベイルート中心部のアル アミン モスクでイードの祈りを捧げた。現政権に反対する元首相らは姿を見せなかった。

サード・ハリリ元首相は、未来運動に忠実な、ベイルートのJdeideh Road地区にあるイマーム アリ モスクでイードの祈りに参加した。地区では、多くの人がハリリ氏に挨拶するために出てきて、支持の言葉を述べた。

イスラム教指導者(シャイフ)のAbdul Latif Derian氏は、イードの説教の中で「公共機関の破壊や妨害行為」を批判して、同国の金融、銀行、経済の崩壊を止めるよう政府に呼び掛けた。

同氏は「あの数10億(リラ)はどこへ行ったのでしょう?」と問いかけた。「あのお金は、市民の利益を守って、電力や水を供給し、廃棄物危機に対処し、通信を改善し、農業・産業・サービス業を促進するために費やすべきでした。なぜ国債が900億ドルにも膨れ上がり、そのうちの500億ドルが恒常的に停止している電力施設に無駄に使われたのでしょう。国民の金を預かるのは誰の責任でしょうか? あの金を無駄にした者には、金が永遠に失われてしまったことを毎日のように思い起こされます」

シャイフは、国はレバノンの安全と安定、繁栄に熱心に取り組んでいるアラブの兄弟たちを支援するべきだと述べた。そして「我々はアラブ民族主義を放棄しません」と付け加えた。

同国のスンニ派最高宗教当局のシャイフであるHassan Merheb総監補は、ラフィク・ハリリ元首相の政策を台無しにしようとしている者たちを批判した。政府は元首相とその後継者たちに忠実であり続けるだろうと述べた。

十二イマーム派のイスラム教指導者(シャイフ)のAhmad Kabalan氏は、「植民地主義と独占主義に奉仕する宗派的・専制的な基盤」に基づくレバノンの方法論は終わったと締めくくった。

また、独立後のビシャーラ・アル=フーリー大統領やリヤード・アッ=スルフ元首相が行ったことは、市民権が確立した時代にはふさわしくないとも述べた。国が崩壊したのは「腐敗した憲法」のためだという。     

レバノンは「嘘つきの国際社会」に耳を傾けてはならないといい、「国際通貨基金は慈善団体でも政治から独立した存在でもない」と述べた。

マロン典礼カトリック教会のレバノン代表、Bechara Al-Rahi総主教は、日曜日の説教でレバノンを地域の紛争に巻き込みかねない動きを非難した。レバノンの主権と独立を破壊し、レバノンを戦場にしたのはそうした動きなのだという。

総主教は、「国のアイデンティティを維持するためには、レバノンの顔と心、そしてその多元的な特徴を変え」てはならないことを言明した。

特に人気
オススメ

return to top