カイロ:カイロ・エジプト博物館の修復室から3000年前の金のブレスレットが紛失したと、同国古代遺物省が発表した。
このブレスレットは、「球状のラピスラズリのビーズ」で飾られた黄金のバンドと説明され、エジプト第21王朝のファラオ、アメネモペの治世のものである。
同省は火曜日遅くに発表した声明の中で、この作品が最後に目撃されたのはいつなのかは明らかにしていない。
エジプトのメディアは、10月末にローマで予定されている「ファラオの秘宝」展に先立ち、在庫チェックを行っていたところ、ここ数日で紛失が発覚したと伝えている。
内部調査が開始され、エジプト全土の空港、海港、陸路の国境交差点にある古美術品部門に警告が出された、と同省は述べている。
調査を進めるため、この事件はすぐには発表されず、ラボの内容物の完全な目録作りが進行中である、と同省は付け加えた。
同省はAFPのコメント要請に応じなかった。
エジプト学者のJean Guillaume Olette-Pelletier氏によると、このブレスレットはナイル川東部のデルタ地帯にあるタニスで発掘調査中に発見された。
「最も美しいものではないが、科学的には最も興味深いものの一つである」と、タニスで働いたことのある専門家はAFPに語った。
彼によれば、ブレスレットはかなりシンプルなデザインだが、変形しにくいように設計された金合金でできているとのこと。金が「神々の肉」を表すのに対し、現在のアフガニスタンから輸入されたラピスラズリは神々の髪を連想させる、と彼は言った。
タハリール広場にあるエジプト博物館には、有名なアメネモペ王の金の葬儀用マスクを含む17万点以上の遺物が展示されている。
今回の失踪事件は、11月1日に予定されていた待望の大エジプト博物館の落成式を数週間後に控えてのことである。
アブドゥルファッター・エルシーシ大統領のもとで文化的な重要なマイルストーンとして位置づけられているこの博物館の最も象徴的なコレクションのひとつであるツタンカーメン王の墓の宝物は、開館に先駆けて移送の準備が進められている。
2021年、エジプトはラムセス2世やハトシェプスト女王を含む22体の王家のミイラをオールドカイロの国立エジプト文明博物館に移送する注目のパレードを行った。
AFP