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パレスチナのハマスとファタハがイスラエルの併合計画に対抗し結束

2日ラマッラーで、イスラエルの併合計画についてハマスのリーダー、サレー・アル=アルーリ氏とテレビ会議で話し合うファタハのジブリール・ラジューブ氏(AFP)
2日ラマッラーで、イスラエルの併合計画についてハマスのリーダー、サレー・アル=アルーリ氏とテレビ会議で話し合うファタハのジブリール・ラジューブ氏(AFP)
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03 Jul 2020 05:07:31 GMT9
03 Jul 2020 05:07:31 GMT9

ハゼム・バルーシャ

ガザ市:ハマスのサレー・アル=アルーリ政治局副局長はベイルートで、ラマッラーにいるファタハの高官ジブリール・ラジューブ氏とともに、イスラエルの併合計画に対する両者の統一見解を発表する共同映像記者会見に登場した。

政治的ライバルである両者は、米国が肩入れする、イスラエルによるヨルダン川西岸地区の一部とヨルダン渓谷沿いの土地を併合する計画に対抗するための結束した努力を表明した。アナリストの間には一過性のものになるのではないかという見方が広がっている。

「今日我々は1つの旗の下1つの声をあげ、戦略的ビジョンの構築に取り組んでいく … 課題に直面するために」とラジューブ氏は述べた。

また「我々は新しいページをめくり、国民、家族、殉教者のためのモデルを提示する」と付け加えた。

ラジューブ氏は、総選挙を実施し、その結果を尊重するための措置に合意すると説明した。

アル=アルーリ氏の側も同様の外交的なマナーで対立する相手に対し発言した。

「我々は違いを克服しなければならない … 占領という現実的な問題に関して戦略的で根本的な合意のために」

アル=アルーリ氏はまた、2つの組織はしばしば対立していたが、「占領とその計画に立ち向かうことにおいて」差はなかったと付け加えた。

パレスチナ通信社は、1日にラマッラーで開催されたパレスチナのマフムード・アッバース大統領とラジューブ氏の会談に関する報道の中で、ラジューブ氏のハマスへのアプローチへの支持が表明されたと伝えた。

パレスチナ国民の中では、ライバル間の和解について、その動きを称賛する意見がある一方、悲観論を示す向きもあり、さまざまな見解が混在しているようだ。

「私たちは政治紛争の発生以来ずっと紛争の中を生きてきた。和解の試みは数多くあった。なぜ今回はうまくいくというのか」マフムード・アイディヤさん(44歳)は問いかける。

「これは前向きなステップだが、私はまったく楽観的ではない」と彼は付け加えた。

ヨルダン川西岸地区は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新たな感染拡大の波に直面しており、こうした事態が市民の心理状態に与えている影響も見逃せない。パレスチナ政府は3日から5日間のフルロックダウンを課している。また2日には、その間公務員に支払われる給与は50%のみであることが発表された。

ガザ地区は長年の景気後退に苦しんでおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、その深刻さを増している。一方、併合計画が公式に発表されて以来、イスラエルに対する暴力をエスカレートさせるパレスチナ勢力による脅威が増大している。

ガディア・アクラムさん(28歳)は、「和解によってガザ地区の現状が改善されるとは思わない。私たちはこの状況の中で長年暮らしている」と語った。

「ファタハとハマスに和解の意図はない。私たちは彼らを信用していない。現実を見つめて対応する必要がある」と彼女は付け加えた。

両者は、政治的分離以来13年もの間、和解を達成することができていない。その間、直近では2017年のカイロ協定をはじめ、何度も対立解消の合意に関する署名が行われてきた。

アル=アズハル大学の政治学教授であるムカイエ・アブ・サーダ氏は、記者会見はファタハとハマスの幹部からの全面的な支援を受けた動きというよりも、ラジューブ氏とアル=アルーリ氏の個人的な主導により行われたように見えるという。

「前向きな動きではあるが、あくまで個人主導だ。最近のカイロ協定をはじめ、これまで和解の試みは数多くあったが、実際には何も変わっていない」と彼はアラブニュースに語った。

「今日のパレスチナ人の優先事項は和解ではなく、むしろヨルダン川西岸地区の新型コロナウイルス感染症危機とガザの経済回復にある」と彼は付け加えた。

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