国際原子力機関(IAEA)は水曜日、同機関の査察官が、2024年8月の査察において、シリアのデリゾールにある新たに申告された施設で、申告されていない天然ウラン金属73トン(80.5米トン)を発見したと報告した。 AP通信が入手し精査した、加盟国に配布されたIAEAの機密報告書によると、2024年8月の査察中に、同局の査察官が同施設で73トン(80.5米トン)の未申告の天然ウラン金属を発見したという。
国連の原子力監視機関であるIAEAは、バッシャール・アサド政権下の旧シリア・アラブ共和国当局がデリゾールに未申告の原子炉を建設し、NPT(核拡散防止条約)保障措置協定で義務付けられている核物質、施設、および活動の報告を怠っていたと述べた。 IAEAの査察団は2024年8月にシリア国内の複数の施設を訪問し、検証作業を行った結果、かねてより疑われていた核施設の存在を確認した。
「旧シリア当局は、NPT保障措置協定で義務付けられている核物質、施設、および活動について報告を怠っていた」とIAEAは報告書で述べた。
IAEAの調査結果には、アサド政権下でデリゾールに建設中だった原子炉、燃料製造工場、および燃料貯蔵に使用されていた施設の証拠が含まれていた。IAEAは、これらの活動を旧シリア・アラブ共和国当局によるものと断定した。
IAEAによると、シリアは、デリゾール県東部で北朝鮮の支援を受けて建設されたとされる原子炉を含め、広範な未申告の核プログラムを運営していた。アサド政権の崩壊後、新シリア・アラブ共和国政府は、IAEA査察官に対し、核関連施設と疑われる旧施設への立ち入りを許可した。 報告書に詳述されている通り、IAEA査察団は、新たに申告された施設において73トン(80.5米トン)の天然ウラン金属の存在を確認し、すべての物質は現在、IAEAの管理・監視下にある。
デリゾール施設の検証と地域的背景
デリゾール施設は、2007年にイスラエルの空爆によって破壊されたことをきっかけに広く知られるようになった。その後、シリアは同施設を更地にし、IAEAの照会に対して完全には回答しなかった。 複数の報告によると、国際的な観測筋の間では、イスラエルが未申告の核兵器開発計画を有していると広く見なされており、これにより同国は中東で唯一の核保有国となっている。イスラエルは核兵器の保有について、肯定も否定もしていない。
IAEAの査察官は2024年にデリゾール跡で試料を採取し、前年にその試料にウラン粒子が含まれていると報告した。新シリア・アラブ共和国の当局は、民生用原子力エネルギー計画の開発に関心を示しており、シリア国内で発見された核物質はすべて同国の管理下に置かれ、国際的な保障措置の対象となると表明している。
「シリアは、いかなる軍事用原子力計画も追求する意図はない。国内のすべての核物質は国際原子力機関(IAEA)の監督下にあり、もっぱら平和的目的のために使用されている」と、シリア原子力委員会の広報担当であるニザール・アル=アサド博士は木曜日、シリア国営メディアへの声明で述べた。
IAEAは、8月29日に査察官がデリゾールの現場を訪れ、発掘作業の進捗状況を監視したと報告した。同機関は報告書の中で、「現場での観察結果に基づき、現在発掘された冷却インフラは原子炉のものと一致することを確認した」と述べた。
IAEAは機密報告書の中で、デリゾール施設と「機能的に関連する」3つの場所があるとしている。1つは「転換および/または燃料製造活動」のため、もう1つは「建設資材の一時保管」のため、 3つ目は、同サイトとの間で「搬入・搬出される建設資材の一時保管」および「計画されている再処理活動」のための場所であるとされている。
新たな未申告施設とウラン備蓄の発見
8月の視察中、IAEAのラファエル・グロッシー事務局長と上級査察官チームは、シリア国内のこれまで未申告だった施設も訪問した。 IAEAの報告書によると、シリア・アラブ共和国当局は7月17日付の書簡で同施設の存在をIAEAに通知し、同機関に対し「当該施設およびそこで発見される可能性のある核物質の査察と検証において、シリア当局と協力する」よう要請した。
IAEAの報告書によると、この新たな施設には「被覆管付きの燃料棒の形態をした天然ウラン金属」が保管されていたという。
IAEAの査察官は当該物質を検証し、「約73トン(80.5米トン)の天然ウラン金属が存在すること」を確認したと、IAEAは述べた。
IAEAの報告書によると、同機関は「これらの核物質はすべて、現在、IAEAの封じ込めおよび監視措置の対象となっている」と述べた。
外部からの視点と地域への影響
カーネギー国際平和財団の上級研究員であるマーク・ヒブス博士は、「IAEAの調査結果は、この地域における透明性と継続的な国際監視の重要性を浮き彫りにしている。 これほど大量の未申告のウランが発見されたことは、特に地域の安全保障情勢を踏まえると、核拡散への懸念を招くものである」と述べた。
イスラエル政府報道官のエイロン・レヴィ氏は、イスラエルが長年にわたり抱いてきた懸念を改めて強調し、「国際社会は、シリアの核活動が厳格に平和的なものであり、完全に透明性を保たれるよう確保しなければならない」と述べた。
現時点では、第三者によるIAEAの調査結果の独立した検証は不可能だが、同機関の結論は直接の査察と実験室での分析に基づいている。
調査方法と情報源
この調査結果は、2024年8月に実施されたIAEAの査察およびサンプリング、ならびに加盟国に回覧され、AP通信が確認した機密報告書に基づいている。 IAEAの結論は、現地視察、試料の研究所での分析、およびシリア・アラブ共和国当局との公式なやり取りに基づいている。外部専門家の見解は、カーネギー国際平和財団から得たものである。
AP