Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • イエメンの洪水で数千人が家を失う

イエメンの洪水で数千人が家を失う

イエメンのハドラマウトで2020年6月3日に撮影された写真は、サイクロン「ニサルガ」によってもたらされた集中豪雨の後の洪水被災地を映し出している。(AFP)
イエメンのハドラマウトで2020年6月3日に撮影された写真は、サイクロン「ニサルガ」によってもたらされた集中豪雨の後の洪水被災地を映し出している。(AFP)
Short Url:
04 Aug 2020 05:08:20 GMT9
04 Aug 2020 05:08:20 GMT9

サイード・アル・バタティ

ムカッラー:イエメンでは、集中豪雨と鉄砲水の後、数千人が家を失っている。

2週間続けて、大雨によって鉄砲水が起こり、マーリブ、ダーリウ、アビヤン、ハドラマウト、イッブ、ハッジャーの各県で、家屋や農場、道路、配電線、送水管が押し流された。悪天候のため、コロナウイルスのパンデミックと闘っている医療従事者は、医療施設や検査センター、患者のいる所に到着できなかった。

イエメンのアブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領は2日、深刻な被害を受けた県の知事に対し、大雨の間に財産を失った人々に救援物資を送るよう指示した。同氏はまた、地元援助団体と国際援助団体に対し、イエメンが洪水の影響に対処するのを援助するよう求めた。

政府の国内避難民キャンプ管理執行部によると、マ-リブ、ハッジャー、アビヤン、ダーリウの2600世帯以上が、雨や洪水でテントやわら家が押し流され、家を失っている。

アラブニュースが見たその報告書の中で、執行部は、被害を受けた世帯に現金を分配し、彼らをより安全な地域に移動させ、より頑丈な家を建てることを推奨した。故郷の県での戦闘から避難した数十万人を受け入れている中心都市マーリブでは、鉄砲水がマーリブダム貯水池を満たした。

執行部によると、洪水でテントが浸水し、1340世帯が被災した。洪水の激しさは、何百もの家屋や農場を破壊する可能性のあるダム決壊に対する恐怖をあおり立てた。

Sultan Al-Aradaマーリブ県知事と政府職員数人が、ダム決壊の不安とうわさを鎮めるためにダムを訪れ、ダムは安全であり、より厳しい洪水にも耐えることができる、と国民に保証した。

イエメンの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、北部のハッジャー県と西部のホデイダ県で起きた洪水で、数千世帯の家屋や農場が押し流されたと述べた。

「最近起きた、ハッジャーとホデイダでの大雨と洪水により、9000以上の世帯が影響を受けた」とUNHCRは述べた。「家や道路、土地が破壊された。家畜や個人の持ち物が失われた。UNHCRはすぐに対応し、数千人を緊急避難所や、マットレスや毛布などの物資で援助した」とUNHCRイエメン事務所は2日にツイートした。

国立気象センターは、今週中、イエメンの多くの地域で大雨と鉄砲水が増えると予報しており、水路への接近や、山岳地帯や丘陵地での運転をしないよう人々に警告している。

健康上の懸念

現地の衛生当局者は3日、大雨により、イエメン全土でコロナウイルス感染拡大を封じ込める取り組みが妨げられ、蚊が広がるのに適した環境が整ったと述べた。

アデンに拠点を置く国立コロナウイルス委員会のスポークスマンであるIshraq Al-Subaee博士はアラブニュースに次のように語った。洪水のため、医療機関は疑いのある患者の検査や、検査センターへのサンプルの送付ができず、政府が管理する県の多くの医療施設では、コロナウイルスに関する最新情報を送ることができない。

コロナウイルス検査センターのない、南部のシャブワ県の医療従事者は、洪水と雨のため、サンプルを隣のハドラマウト県に送ることができなかったと述べた。

国立コロナウイルス委員会は2日、新たに4人の感染と3人の死亡を報告し、確認されたコロナウイルス感染者の総数は、497人の死亡者と862人の回復者を含め、1734人になった。イエメンでは4月10日にハドラマウトで、最初のコロナウイルス感染者が報告された。

 マーリブ市の地元衛生当局者は、蚊が媒介する病気の数が急増している、と地元の医療センターが報告したため、マーリブ県内の、洪水で深刻な被害を受けた地域に救急車がいまだに到着できないと述べた。

「私たちが最も懸念しているのは、マーリブで、主に避難民の間でマラリアとデング熱の流行が起こることです」とマーリブの保健局長であるAbdul Aziz Al-Shadadi博士はアラブニュースに語った。

特に人気
オススメ

return to top