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危機にうんざりのレバノン、ハリリ判決を待ち受ける

2012年2月13日、2005年の暗殺の記念日の前夜に撮影された資料写真。レバノン南部のシドン・ベイルート高速道路で、レバノンのラフィク・ハリリ元首相の肖像画が描かれた看板が写っている。(AFP)
2012年2月13日、2005年の暗殺の記念日の前夜に撮影された資料写真。レバノン南部のシドン・ベイルート高速道路で、レバノンのラフィク・ハリリ元首相の肖像画が描かれた看板が写っている。(AFP)
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04 Aug 2020 10:08:47 GMT9
04 Aug 2020 10:08:47 GMT9

ベイルート:レバノンの元首相ラフィク・アル・ハリリがベイルートのトラック爆弾テロで殺害され、地域の激動が引き起こされてから15年、ヒズボラの4人の容疑者を裁く国連特別法廷は、再び国を揺るがす可能性のある判決を金曜日に下す。

イランの支援を受けた強力なグループのメンバーである被告らは、長い内戦後にレバノンの復興を先導した元首相が殺害された2005年の爆撃を計画・手配した容疑で欠席裁判にかけられた。

ハリリの暗殺はベイルートで大規模な抗議行動と国際的圧力の波を引き起こし、国連の調査委員会がシリアと爆撃とを関連づけてから、シリア軍はレバノンにおける29年間の駐留を終えることとなった。

またこの暗殺により、特に捜査委員会が元首相の死とヒズボラとの潜在的関係について調査を始めたとき、レバノン内および中東全体で政治的およびセクト的緊張関係が高まった。

レバノン政府の政党であるとともに重装備のゲリラグループでもあるヒズボラは、ハリリ殺害におけるいかなる役割も否定し、オランダに拠点を置く国連特別法廷を政治化された存在であるとして、認めていない。

有罪判決が下っても被告らが引き渡されることを期待する人はほとんどいないが、有罪判決が下れば、1975~1990年の内戦以来、過去数十年ですでに最悪の経済危機とCOVID-19の流行から後退しているレバノンで、未解決の亀裂を深めるおそれがある。

その後同じく首相を務めた息子サアドを含むハリリの支持者たちは、復讐や対立を求めているのではないとし、裁判所の判決は尊重されなければならないと言う。

「我々は…8月7日がレバノンにとって真実と正義の日となること、そして犯罪者に罰が下る日になることを期待している」と、サアド・ハリリは先週述べた。

争いを避ける

サアドは、レバノンを現在の金融危機に追い込んだエリート支配層による長年の汚職に対するデモ参加者の要求への対処を怠り、10月に首相を辞任した。

ヒズボラとその同盟国の支援を受けたサアドの後継者ハッサン・ディアブは、国は裁判所の判決に関してさらなる混乱を避けなければならないと言う。「争いと向き合うことは優先事項だ」とディアブは先週ツイートした。

2005年2月14日の爆破テロでは、ラフィク・ハリリの車列がベイルートの海に面したセントジョージホテルを通り過ぎると、3,000kgの高グレード爆発物を積んだトラックが爆発し、ハリリ他21人が死亡。道路に巨大なクレーターが残された。

サリム・ジャミル・アヤシュ、ハッサン・ハビブ・メリ、アサド・ハッサン・サブラ、フセイン・ハッサン・オネイシはテロ攻撃の共謀罪で起訴されている。アイヤシュはテロ行為、殺人、殺人未遂の罪で起訴されている。

検察は、電話ネットワークから収集されたデータによると、被告が攻撃の前の数カ月間ハリリを監視し、暗殺当日に互いの動きの連携を図るために、数十台もの携帯電話からお互いに電話したことが示されていると述べた。

被告たちは何年も公の場で目撃されていない。

ヒズボラは裁判所の仕事が虚偽の証人やレバノンで逮捕されたイスラエルのスパイが操作した可能性のある電話記録への依存により毒されているとして、裁判所の完全性と中立性にしばしば疑問を呈してきた。

「真実から遠く離れた政治的な点数稼ぎの場と化した裁判所に疑問を抱くのはヒズボラの権利だ」と、ヒズボラの指導者とつながりを持つアナリスト、セーラム・ザヘランは言う。いかなる判決もグループにとっては「価値がない」とザヘランは述べた。

レバノンの新聞、アンナハール紙のナビル・ブモンセフ副編集長はサアド・ハリリとヒズボラのサイード・ハッサン・ナスラッラー長官のどちらも緊張を高めることを望んでいないと語った。

しかしブモンセフは、もし有罪判決が下ったら、ハリリは被告の引き渡しを求めるだろうと予想する―その場合、ヒズボラはその軍事力にもかかわらず、政治的に防御の構えをとることになるだろう。ヒズボラが被告らの引き渡しを拒否した場合、自らが設立を助けた政府を困難な立場に置くことになる可能性がある。

レバノンが深い経済危機に取り組もうとする中、有罪判決は、フランスの支援の下国際援助を勝ち取ろうとしてきた同国の努力を脅かす可能性もある。

「フランスは…8月7日に判決が出たら、ヒズボラに関する立場を明確にする必要があるだろう」とブモンセフは言った。

ドイツとイギリスはヒズボラをテロ組織に指定している。

フランスが2018年にパリでレバノン支援会合を主催した際、レバノンは110億ドル以上のインフラ投資の誓約を獲得した。ジャン=イヴ・ル・ドリアン外相は先月ベイルートでレバノンの指導者たちに対し、レバノンが改革を進めればパリは国際的な支援を行う用意があると述べた。

ロイター

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