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インタラクティブマップは、ヒズボラの世界的な犯罪が衝撃的な範囲に及ぶことを暴く

レバノン南部シドンで、ヒズボラの一員が同集団の指導者、サイード・ハッサン・ナスララのポスターの隣で、模造ロケット砲を担いでいる。(ロイター通信/アリ・ハシショー/資料写真)
レバノン南部シドンで、ヒズボラの一員が同集団の指導者、サイード・ハッサン・ナスララのポスターの隣で、模造ロケット砲を担いでいる。(ロイター通信/アリ・ハシショー/資料写真)
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05 Aug 2020 11:08:16 GMT9
05 Aug 2020 11:08:16 GMT9

エフレム・コサファイ

ニューヨーク:ヒズボラの世界的な隠密作戦と不法行為が、衝撃的な範囲に及んでいることは、ワシントン近東政策研究所によって作成されたインタラクティブマップで明らかにされてきている。

これには、キプロスで阻止された策略、ブルガリアでのバス爆破、シリア内戦でヒズボラが果たした役割など、40年以上にわたるおよそ1,000件の事件と活動が記録されている。

注目 ヒズボラの犯罪活動のインタラクティブマップ

「ヒズボラは知ってもらいたい(こと)、例えば政治・社会・慈善・教育活動、(そして)ヒズボラの非政府組織などに関して宣伝するために、多大な時間と労力をメディアキャンペーンに投資します」と、ウェクスラーの元フェローであり、ワシントン近東政策研究所のテロ対策と諜報に関するラインハルトプログラムのディレクター、マシュー・レビット氏は語った。

「しかし、ヒズボラは少なくとも同じくらいの時間、労力、金を投資して、レバノンでの、この地域での、そして世界中での自らの犯罪行動、マネーロンダリング、軍事(と)テロ活動といった隠密作戦を判りにくくしようとします」

数十年間、学者、政府関係者、政治家たちはヒズボラの世界的な活動について、包括的な情報をなかなか得られないでいた。ヒズボラの諜報員、アリ・コウラニ容疑者の昨年ニューヨークでの裁判と有罪判決で明かされた詳細によれば、ヒズボラの行動規範は、「知られなければ、それだけ尚良し」というものだという。

「このプロジェクトは、こんな行動規範に大きな風穴を開けることを目指すものです」と、レビット氏は語った。「これにより上手くいけば、人々がヒズボラの全ての活動について、もっと忌憚なく話し合えるようになるでしょう」

このマップは、レビット氏の数年間にわたる取り組みの賜物だ。同氏は1990年代以来、テロ活動、武器調達、マネーロンダリング、麻薬取引、その他の違法な金融スキームなどを中心に、ずっとヒズボラを研究している。このマップのための情報を集めている間、レビット氏は世界中の人々にインタビューし、裁判所文書と政府報告書を入手した。

その結果、このマップは、ヒズボラに関するオープンソース文書の世界最大の宝庫となるに至っている。カテゴリー、地理的位置、時系列、キーワードによって検索可能であり、このマルチメディアツールは、ヒズボラの諜報員が使う仮名や、旅をするときに使うルートから、この組織の本質に関するもっと複雑なテーマや、ヒズボラと支援国の関係まで、ヒズボラの活動範囲を暴いている。

「ヒズボラはイランと親密な関係にあります」と、レビット氏は語った。「全く異質なシーア派武装勢力の寄せ集めの1団を、神の党、ヒズボラとして1つになるように支援するため、ベッカー高原にゴドス軍約1,500人を送り込んで以来ずっと、この関係は、いつもイデオロギーのレベルで、そして軍事行動のレベルで続いているのです。その時期からの秘密解除された資料が、たくさんあります」

ヒズボラとイランがとても親密であるずっとその間、レバノンにおいて意思決定できるかなりの自由を、イランはヒズボラに与えていることも事実です。私流に説明すれば、素晴らしい結婚生活の中でさえ、良いときも悪いときもあるものです。しかし、イランとヒズボラの間には、強い婚姻の結びつきがあるのです。シリア戦争以来ずっと、ヒズボラとイランは各地で一緒に闘い、他のシーア派武装勢力を共に見守りながら、両者はより親密になったのです」

既知の情報を収集し、体系化することに加えて、このマップのプロジェクトは一般的には知られていないその他の詳細情報も明らかにしている。

「キプロスで爆発物を貯蔵するための安全な家を、ヒズボラに購入したレバノンフランス大学の研究者の名前など、最新情報も登録されています」と、レビット氏は語った。

「以前報じられなかった事件に関する諜報資料で、秘密解除されたものがたくさんあります。例えばCIAによれば、1990年代後半に、イスラーム聖戦と協力したヒズボラは、旧ソビエト連邦のユダヤ移民と、ワルシャワのシナゴーグを標的にしようと企てていたということです」

「さらにそれから、単なるありふれた出来事(もあり)、既に開示されている出来事もさらに公開されています。例えば、(ヒズボラの国会議員である)モハマッド・ラアド氏は、ヒズボラのワフィック・サファ上級警備官と共に、外国の市民権を得てから、ヒズボラの作戦で外国に派遣してもらえるヒズボラの諜報員を、認定することを計画していました」

レビット氏によれば、ヒズボラの軍事組織が、この広大なヒズボラ組織の中で全く異なる存在であるということが、誤った通念であることを、このマップは曝露しているという。

「このマップがやろうとしていることは、今まで決してオープンソースの領域に存在してこなかったり、入手が容易でなかったり、人々がこうした話ができるように、必ずしも全てがワンストップ(1カ所)で入手できない情報を提供することです」と、レビット氏は語った。

「ヒズボラがレバノンでの地位や、イスラエルに対する憎しみとは無関係な違法で暴力的な活動を、非常に広範囲で頻繁に行っているという事実が、とても正確に報道されることになるので、これはヒズボラに圧力をかけることになると思います」

このマップを見るために、

 www.washingtoninstitute.org/hezbollahinteractivemap にアクセスしてください。

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