• 政界への影響が激化し、国会議員たちが抗議辞職をする
• 大災害の粉塵が収まりつつあるなか、政界への影響が激化している

ナジア・フサリ

ベイルート：何千人もの抗議者たちが土曜日に、ベイルートの「殉教者広場」に疑似絞首台を設置し、レバノンの首都を広範囲に壊滅させた致死的な爆発に対して大きな責任を負う政治家たちへの「報復」を訴えた。

ベイルート港湾地区での大規模爆発の後、未だ行方不明者が60名以上おり、150名以上が亡くなり、5000名が負傷し、何千人もの人々が住む家を失った。

大惨事の粉塵が収まりつつあるなか、政界への影響が激化している。

「国民は政権の退陣を望んでいる」と叫びながら政治的指導者の失墜を求めて首都ベイルートに集まった何千人もの人々に対し、警察は催涙弾やゴム弾を発射した。

この衝突で100名以上の抗議者が負傷した。

デモ隊たちが疑似絞首台を設置した後、サード・ハリリ元首相やヒズボラのハサン・ナスララ事務局長など、政界リーダーたちの人形が吊るされた。近年で最も激しい民衆の怒りの表現だ。

警察は宙に向けて実弾を撃ちデモ隊を追い払おうとしたが、民衆は石を投げつけたり非常線を突破するなどしてそれに反抗した。

リナとだけ名乗ったある抗議者は、「私たちはベイルートに連帯を抱いてハスバヤから来ました。悲しみの気持ちで団結し、息子や娘を亡くした人々に哀悼の意を捧げるためにやって来たのです」と述べた。

「私たちはすべての政治指導者たちに退陣を要求するために来ました。あなた方が破壊したものを私たちが再建するからと。そして今回の事故はあなた方の怠慢と拝金主義のせいなのだと言うために」

一方、カタエブ党の議員グループ3名が土曜日に爆発に対する抗議で辞任した。今回の惨事が起きてから辞任した国会議員はこれで5名となる。　

火曜日の爆発でカタエブ党のある上層メンバーが亡くなり、党首サミー・ジマイエル氏は、その告別式での感情に訴えるスピーチのなかで自身と他の国会議員2名の辞任を表明した。

また、無党派議員のポーラ・ヤコビアン氏も辞任し、ミシェル・ダヘル議員は「自由愛国運動（FPM）」のジブラン・バジル氏率いる議員グループ「強いレバノン」からの離脱を表明した。

事故の動揺が冷めやらぬベイルートに国際支援が次々と差し伸べられ、アラブ連盟のアハメド・アブル・ヘイト事務局長、トルコのフアット・オクタイ副大統領、欧州議会のシャルル・ミシェル議長がベイルートに到着し、救援物資を届けながら支援を申し出た。

ヘイト氏は、ミシェル・アウン大統領と会って港湾付近の外務省の損傷を査察した後、経済社会理事会に対して「レバノンの状況と支援の方法を調査すべく」2週間以内に会議を召集するよう要請すると述べた。

同氏はこの状況を「大惨事」と表現し、「我々はレバノンの状況が困難かつ複雑であることを認識する必要がある」と述べた。

オランダ外務省は、在レバノンのオランダ匿名大使の妻であるヤン・ウォルトマンズ夫人が、爆発による負傷で亡くなったと発表した。

レバノンのシリア大使館は、爆発による死者に43名のシリア人が含まれると述べた。

爆発現場で作業する軍の部隊は土曜日に、化学物質、放射性物質、生物学的物質の検査を実施した。ルーガー・ホーリー大佐がメディアツアーでアラブニュースに語った。

レスキュー隊は24時間体制で携帯電話の信号を頼りに行方不明者を捜索している。

しかし創作活動は爆破された穀物サイロのコンクリート片などの瓦礫に阻まれているという。

港や付近の海域で被災者を捜索する軍の潜水兵たちは、爆風で500メートル吹き飛ばされた遺体を発見した。

土曜午前までに、医療品、救援物資、食料などを搭載した総数61機の航空機がベイルートの空港へ到着したと、国防省作戦指令室ジャン・ノーラ准将がアラブニュースに語った。

医薬品は保健省と協力して配給されるという。

供給物資は、一旦ベイルートの中央軍事医局本部に保管された後に配給されると同准将は述べた。