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イスラエル、ガザへの攻撃再開、漁業水域閉鎖へ

2020年8月15日、ガザ地区のカーンユニス上空から、イスラエル軍の戦闘機が空爆を行った後、煙と炎が上がっている。(AFP通信)
2020年8月15日、ガザ地区のカーンユニス上空から、イスラエル軍の戦闘機が空爆を行った後、煙と炎が上がっている。(AFP通信)
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17 Aug 2020 05:08:35 GMT9
17 Aug 2020 05:08:35 GMT9

ガザシティ/エルサレム:イスラエル軍は8月16日、ガザにあるハマスの拠点に新たな空爆を行い、イスラエル領に送り込まれて来るロケットや発火物に対抗して、パレスチナ自治区の飛び地沿岸の漁業水域を閉鎖した。

イスラエルの措置は8月15日の夕方、ガザ・イスラエル安全保障壁沿いの衝突を含め、1週間にわたって緊張感が高まった後に講じられた、とイスラエル国防軍は述べた。

数十人のパレスチナの「暴徒がタイヤを燃やし、安全保障壁めがけて、発火装置と手榴弾を放り投げ、その壁に接近しようとしていました」と、イスラエル軍の声明は述べていた。

イスラエルとUAEが8月13日に関係正常化に合意して以来、パレスチナ人の長年鬱積してきた怒りがさらに爆発した。この合意は、同胞の湾岸諸国であるUAEがパレスチナの大義を裏切った、とパレスチナ人から見られている動きだった。

UAEの合意が発表される数日前、イスラエルはガザを支配するハマスに関連する目標地点に、度重なる夜間の空爆を実施していた。

この空爆は、風船や凧に取り付けられた手製の発火装置が、イスラエル南部に送り込まれ、数千カ所で火災が発生したことに対抗したものだ、とイスラエル国防軍が述べていた。

イスラエルのアイアンドーム防空システムによって迎撃されたが、ガザから発射された2発のロケット弾に加えて、このようなパレスチナ人からの攻撃が、15日だけでも19度行われた、とイスラエルは述べた。

「ロケット弾を格納するために使用されている軍事基地」を始めとするハマスの目標地点数カ所への空爆で、イスラエルは対抗した、と同軍は述べた。

ベニー・ガンツ国防大臣兼代替首相は、ガザの人々が「尊厳及び保障を持って」生活を送ることを妨げられているのは、ハマスがこうした攻撃を中止しないからだと非難した。

こうした風船の攻撃によって最も被害を受けているイスラエルの都市、スデロットが「平穏でなければ、ガザもまた平穏ではない」と、ガンツ国防大臣は述べた。

スデロットのアロン・ダビディ市長は、イスラエルが「我々や我々の子どもたちを殺そうとしている…テロリスト」と強力に対抗する必要があると語った。

しかし永続的な解決策として、ガザに居住するパレスチナ人も含め、「双方の市民を救うための」より良い経済的機会を提供することも必要だ、とダビディ市長は述べた。

ここ数か月間で、最も激しく戦火が拡大したパレスチナ過激派との境界線を越えた夜間の戦闘の後、イスラエルは16日にガザ地区沿岸の漁業水域も閉鎖した。

15日の衝突の後、イスラエル軍は「直ちに今朝(16日)から当面の間、ガザ地区の漁業水域を全面的に閉鎖すること」を決定した、と軍事声明は述べていた。

ガザの漁師、ヤセル・サラさんは16日の早朝から、海に出ていて、沿岸海域が「完全に閉鎖」されたとイスラエルの警備隊員から聞いて、「驚いた」と語った。

「私たちは何もしていません」と、サラさんは語った。「私たちは政治に関わっていません。私たちは海で獲れたもので生計を立てる漁師です」

イスラエルはまた、ガザ地区と越境するケレム・シャロム商用検問所も閉鎖した。

国連、エジプト、カタールによって支持された昨年の停戦にもかかわらず、双方はロケット弾、迫撃砲、発火装置付きの風船で散発的に衝突している。

世界銀行によれば、ガザ地区には200万人が居住し、そのうちの半分以上が貧しい暮らしをしているという。

イスラエル国防軍(IDF)は、ハマスが「ガザ地区内外で起きる全ての出来事、ガザ地区から生じる全ての出来事の原因であり、イスラエル市民へのテロ攻撃の責任を負っている」と述べた。

数十人のパレスチナ人がデモに参加していた。同軍はデモ参加者たちが「タイヤを燃やし、安全保障壁めがけて、発火装置と手榴弾を放り投げ、その壁に接近しようとしていたと述べた。

ガザ保健省はイスラエルのデモ参加者への発砲で、パレスチナ人2人が負傷したと述べた。

パレスチナ領からのあらゆる攻撃は、ガザ地区を支配するイスラム教過激派集団、ハマスの責任であるとイスラエルは考えている。

ガザ地区からの発火装置付きの風船が、ここ数日イスラエルの領土に大きな被害をもたらした。ちょうどこの頃、他のパレスチナ派閥と同様に、ハマスはイスラエルとの関係正常化に合意したUAEを非難していた。

16日の軍幹部との会議に続いて、ガンツ国防大臣は声明で、イスラエルは「南部で完全なる平穏が回復するまで、いかなる国家主権の侵害にも強力に対抗する。スデロットが平穏でなければ、ガザもまた平穏ではない」と述べた。

2007年ハマスが武力占拠して以来、イスラエルとエジプトはガザ地区を封鎖してきた。以来数年間で、イスラエルはガザ地区のハマスと3度戦争を行ってきた。

双方は非公式の停戦を主に支持してきており、新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、戦闘はほぼ完全に中断していた。

AFP通信/AP通信

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