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リビアのGNAに対する抗議運動がトリポリで勃発、生活環境をめぐり

トリポリの中心部にある殉教者広場は長年にわたって抗議活動の中心地となってきた。(資料写真/ロイター)
トリポリの中心部にある殉教者広場は長年にわたって抗議活動の中心地となってきた。(資料写真/ロイター)
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24 Aug 2020 11:08:16 GMT9
24 Aug 2020 11:08:16 GMT9
  • 目撃者は治安部隊が「空に向けて発砲した」と主張
  • リビアはNATOの支援する反乱で独裁者ムアンマル・カダフィが殺害されて以来、約10年にわたって対立と不安定な状況を経験してきた

トリポリ:数百人のリビア人が日曜の夕方、首都トリポリでデモ行進を行い、悪化している生活環境に抗議すると共に、戦争で引き裂かれた同国の腐敗を非難したと目撃者が述べた。

主に若者から成るそれらの抗議者たちは、停電や断水の拡大、および給油所での長い行列に怒って都市中心部の通りを行進し、「汚職するな!」などのスローガンを叫んだ。

アフリカ最大の証明済み原油埋蔵量を持つリビアは、2011年にNATOの支援する反乱で老練の独裁者ムアンマル・カダフィが打倒および殺害されて以来、ほぼ10年にわたって暴力的な混乱状態に耐えてきた。

戦争で疲弊した同国は、水不足や停電により、焼け付くような夏の暑さの中でもエアコンが使えずに悩まされている。

この悲惨な状況は、新型コロナウィルスのパンデミックによってさらに悪化した。ウィルスは世界の石油価格を急落させ、同国ではソーシャルディスタンス対策にもかかわらず感染が拡大している。

「希望も持てない生活にうんざりしている」と、抗議運動中だった20代の若者アイマン・アルワフィはAFPに対し電話で話した。

抗議者たちはウィルス拡散抑制のため実施されている制限を無視し、リビアの国民合意政府(GNA)の建物の前を行進した後、殉教者広場に集まった。

目撃者やソーシャルメディアで共有された動画によれば、警察車両や治安部隊もこの行進に立ち会った。

アルワフィはその後、AFPに対し、「治安部隊が空に向けて発砲を始めた」ことを受け、抗議者たちは殉教者広場から立ち去ったと話した。

この抗議運動は、同国の対立陣営が別々に、すべての戦闘行為を停止して総選挙を実施すると発表したわずか2日後に起こった。

金曜に行われたこの突然の発表は、国連が認めるGNAのファイズ・サラージ首相と、軍の有力者ハリファ・ハフタルが支援し、リビア東部を拠点とする議会の議長アグイラ・サーレハによって行われた。ハフタルは2019年4月に攻撃を開始してトリポリを奪取しようとしたが、未遂に終わっている。

しかし、同国の暴力的な状況が収まる見通しが出てきた。リビアでは6月以降、コロナウィルス感染者数が15倍に跳ね上がったためだ。赤十字国際委員会(ICRC)は、切迫した人道的危機がさらに深刻化していると警告する。

「国中のすべてのインフラが崩壊しようとしている。拡大を続けるパンデミックの最中に、人々は電気や飲水、下水処理、医療などのサービスをほとんど受けられていない」と、ICRCのペーター・マウラー総裁は声明で述べた。

AFP

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