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トルコの戦力投射により、地中海で軍事衝突のリスク、と元首相

トルコの戦力投射によって、地中海で軍事衝突が起こるリスクある、と元首相は述べた
トルコの戦力投射によって、地中海で軍事衝突が起こるリスクある、と元首相は述べた
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04 Sep 2020 07:09:57 GMT9
04 Sep 2020 07:09:57 GMT9
  • アフメット・ダヴトオール氏の「近隣諸国とのゼロ・プロブレム」というスローガンは、エルドアン氏の欧州・中東との初期の取引の特徴だった。

アンカラ:トルコは外交よりも支配力を重んじているため、東地中海を軍事衝突の危険にさらしている。レジェップ・タイップ・エルドアン大統領政権の最初の10年の比較的少ない対決政策を擁護する元首相はロイターにこう話した。

 アフメット・ダヴトオール氏の「近隣諸国とのゼロ・プロブレム」というスローガンは、エルドアン氏の欧州・中東との初期の取引の特徴だったが、ダヴトオール氏は昨年、エルドアン氏率いる与党、公正発展党を離党し、ライバルの「未来党」を結成した。

トルコの新たな行政府の長である大統領のもとで独裁主義に傾いている、とダヴトオール氏は評して批判し、経済、コロナウイルスの流行、東地中海で高まる緊張など、一連の問題の舵取りがまずかったとして政府を非難した。

先月、トルコは、調査船を派遣し、フリゲート艦に護送させ、ギリシャが主権を主張している海域で石油とガスを探査した。この動きは、ギリシャが言うには違法だ。NATO加盟国であるこの2カ国は、大陸棚と経済水域の広さをめぐる論争でこう着状態にある。

欧州連合(EU)は、EU加盟国であるギリシャとキプロスを支持し、トルコに軽い制裁を課しており、先月の、調査船の予兆であった、ギリシャとトルコの軍艦の接触により、軍事的激化の可能性が浮き彫りになった。

ダヴトオール氏によると、トルコの地中海沿岸に広がる、数万平方キロメートルもの海域に対してギリシャが主権を主張していることにトルコは心底不満を抱いているという。だが、エルドアンのアプローチは危険を伴う、と同氏は付け加えた。

同氏はインタビューで、「残念ながら、我々の政府は適切な外交を行っていない」と述べ、ギリシャとトルコが外交よりも「戦力投射」を望めば、「いつでも、あらゆる危機が起こり、エスカレートする可能性がある」と警告した。
対話の時

トルコはEUにはっきりと言うべきだ。「テーブルを囲んで、意見を共有しよう」。ダヴトオール氏はこう述べた。トルコは「全ての問題について議論、(そして)緊張を緩和する」ためにギリシャとも話し合うべきだ。

トルコ政府は先月、エジプトとの海上の境界線を画定する協定をギリシャが結べば、トルコはギリシャとの交渉再開を発表する寸前だ、と発表した。トルコが主権を主張する海域を包含する協定だ。

トルコは抗議して手続きを中断し、先週のドイツ外相のギリシャ・トルコ訪問では進展がなかったように見えた。EU首脳は今月中にこの行き詰まりについて話し合い、トルコに対してさらなる措置を講じる可能性がある。

ダヴトオール氏は、2009年から2014年までエルドアン氏のもとで外務大臣を務め、その後2年間首相を務めた。トルコとの関係および地中海・中東における影響力の強化に努めた。

しかし、2016年にギリシャとの何年にもわたる会談が延期され、アラブの蜂起の混乱の中、トルコによるムスリム同胞団支援をめぐってシリア・エジプトとの関係が崩壊し、ダヴトオール氏の中東戦略は頓挫した。

ダヴトオール氏の未来党は、エルドアン氏の公正発展党から離脱した二つの政党のうちの一つだ。どちらも最近の世論調査では低い1桁を上回ったことはないが、公正発展党の支持率が低下させたことで、2023年までに行われる選挙でエルドアン氏が過半数を獲得することはさらに困難になった。

ロイター

 

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