ナジャ・フーサリ

ベイルート：レバノンの新型コロナウイルス感染者の総数が2万人を突破し、保健相は月曜日、状況は「注意を要し、全国民が事態を十分に認識する必要がある」と述べた。

8月の1か月間に約12,753人の新型コロナウイルス感染者が登録され、9月第1週の登録患者数は3,118人だった。

感染源が不明な新型コロナウイルス感染者は4,000人を超えた。

ハマド・ハッサン保健大臣は次のように語った。「健康の安全確保を通じて社会を守ることは国の義務であり、社会は保健省の指示に従い、マスクの着用、衛生管理を励行し、政府が発令する指示を遵守しなければなりません」

レバノンでは、政府職員に新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受けて、週末に多くの政府部門が閉鎖され、消毒が行われた。

外務省の職員の中に新型コロナウイルスの感染者がいたことが判明したため、外務省の全職員がポリメラーゼ連鎖反応（PCR）検査を受けた。ベイルートのアイン・エル・ルマネ地区にある老人ホームでは、高齢の入居者と介護スタッフの感染が記録されている。

「新型コロナウイルスとの戦いは簡単ではありません」とハッサンは付け加えた。「レバノンには多数の感染患者がおり、残念ながら死亡者も報告されています。したがって、国民の皆さんには、予防策を真剣に講じていただきたい。国民全員が本当に真剣に措置を講じない限り、動員令も非常事態法も効果がありません。私たち一人一人が責任を持ち、身近な家族にウイルスを移さないようにしなければなりません」

保健省は新型コロナウイルス患者の受け入れに必要な設備を首都から離れた地域の政府系病院に配備しており、民間病院は新型コロナウイルス患者を収容するための集中治療ベッドと通常のベッドの提供という点で準備レベルの向上に取り組んでいる。

ハッサン大臣は、保健省が認定した研究所によって公表されたPCR検査の結果に関する見解の表明を控え、パンデミックを「疑問視したり、過小評価したりしないよう」人々に要請した。

自治体は感染者を監視しており、感染者の病状を追跡している。また、ウイルスの感染拡大を防止するために、感染者が回復するまで村を隔離する手段に出た。

だが、レバノンの切迫した経済状況が、ウイルスに対する予防措置の効力を弱める結果を招いている。レストラン、カフェ、バーは営業を再開しており、治安対策が手ぬるいため、マスクを着用しないなど、新型コロナウイルスの予防措置に違反する者を取り締まれない事態に陥っている。

感染症の専門家であり、保健省の危機委員会のメンバーであるアブドゥルラーマン・アルビズリは、レバノンの感染率が比較的高く、今後も感染率の上昇が続くだろうと述べた。

「残念ながら、人々は予防の指示を守っていません」とアルビズリはアラブニュースに語った。

「ウイルスの症状は多岐にわたります。全く症状が出ない場合もあれば、風邪のような単純な症状だったり、息切れを起こすこともあります。高齢の感染者の死亡率は25%に上りますが、パンデミックが始まってからのレバノンの総死亡者数は今のところ1%未満です。これは国際的に許容されている割合です」

アルビズリによると、新型コロナウイルスに感染した病院勤務の医療従事者の総数が500人を超えたことで、一部の診療科で混乱が生じたものの、診療業務は停止していないという。病院はまだスタッフの感染に対処できているとアルビズリは付け加えた。

レバノン北部で知事を務めるラムジ・ノラは、全員がマスクの着用、公衆衛生の維持、ソーシャルディスタンスの確保などの予防措置を守ることになっており、当局は、人々を守り、教育し、保健省の指示に従わせるために「あらゆる措置」を講じていると述べた。

ノラ知事はこう付け加えている。「しかし、危険な新型コロナウイルスは、トリポリや北部の一部の地域で増殖しており、拡散しはじめています。私たちはこのパンデミックが手に負えない状態にならないことを願っています。すべての感染者は隔離措置に従う必要があります。これから、あらゆる違反者に目を光らせていきます」

トリポリ地区ではこの24時間で43人の新規感染者が記録された。

バールベック・ヘルメル県の知事、バシール・カダーは、隔離された多くの町でウイルスが拡散しているにもかかわらず、地域の状況はまだ統制下にあると述べた。

カダーは、カフェでの水タバコの喫煙禁止など、予防措置の違反者を抑止するための措置の実施を一部の自治体が決断できないこと、自治体の警察官が不足していること、最近気温が急上昇して40度を超え、人々がマスクをしなくなったことが感染拡大の原因だとしている。

カダーはこう語った。「地域の病院は新型コロナウイルス患者を受け入れるための設備が整っています。看護チーム、医療チームにはまだ感染者が出ておらず、軽症者は自宅隔離という方針を採用しています。バールベック・ヘルメル県では、120箇所の難民キャンプに25万人のシリア難民が分散しており、これらのキャンプでウイルスの拡散に対処する方法に関する戦略を難民高等弁務官と共同で策定し、隔離施設を開設し、計画を発動させました」

人口密度が非常に高く、予防策の順守状況にばらつきがあるパレスチナ難民キャンプでは、ここ数日の検査で27人の新型コロナウイルスの新規感染患者が判明したと国連救援活動機関（UNRWA）が発表した。

アイン・ヒルウェ難民キャンプでは同機関の職員1人を含む14人、ブルジ・バラジネ難民キャンプでは13人の感染が確認された。UNRWAのスタッフもベイルートの中央診療所で受けた検査で陽性が判明し、現在自宅隔離中だ。

UNRWAは、アイン・ヒルウェ難民キャンプの保健センターとベイルートの中央診療所を閉鎖し、消毒を行うと発表した。