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トルコ、新たなサラフィー主義者の脅威に直面

2,000のサラフィー主義関連組織が南東部のバトマン県で内戦の準備を進めていると言われている。(File/Shutterstock)
2,000のサラフィー主義関連組織が南東部のバトマン県で内戦の準備を進めていると言われている。(File/Shutterstock)
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21 Sep 2020 11:09:36 GMT9
21 Sep 2020 11:09:36 GMT9
  • トルコが新たなサラフィー主義者の脅威に直面
  • この集団は地元民を殺害すると脅迫しているものと思われる

ジェッダ:イスラム教のカルトのリーダーで、親政府勢力のアフメット・マフムット・ウンル氏は、トルコで戦うための準備の一環として、少なくとも150のサラフィー主義関連組織とその場所を提示することができると発表した。

トルコの新聞、ソッジュの著名な記者、サイギ・オズトゥルク氏の引用によれば、ウンル氏は、トルコ国内で内戦に備えているサラフィー主義関連組織が2,000あると主張した。特に南部のバトマン県とアドゥヤマン県で顕著だ。

これらのグループは地元民を殺害すると脅し、政府に対してはグループに対する何らかの予防策を取らないように警告しているものと思われている。

アドゥヤマン県は以前は、過激派組織ダーイッシュ(イスラム国)がトルコ内で新兵を募集し、支部を設置する活発な場所として知られていた。

トルコのスレイマン・ソイル内相は、この記事の主張は「コピーして貼り付ける」精神で書かれたものだと、記事で書かれた非難内容に激しく反論した。

一方、トルコの裁判所は最近、トルコのダーイッシュのリーダーであるアブー・ハンザラに12年6か月の禁固刑を言い渡した。ハンザラは以前、アルカイダとダーイッシュとの協力関係の疑いでトルコで数回投獄されたが、証拠がなかったために後に釈放されている。

スーファン・グループでテロ資金調達ネットワークを研究するコリン・クラーク上級研究員によれば、サラフィー主義グループのいくつかはトルコの現政府と何らかの取引を行った可能性がある。

「トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は、これらのグループがクルド族に対抗する勢力として役に立つと考えているようだ。クルド族はトルコ政府にとって常に第一番の問題だったから」とクラーク氏がアラブニュースに語った。

クラーク氏によれば、トルコ政府はダーイッシュや他のテロ組織と戦っていると口先では言っているが、実際にはトルコ内でのジハード主義者に対する掃討作戦は限定的なものだった。

トルコ警察は4年前に、トルコ内でのサラフィー主義グループの存在について報告書を出したが、それによればサラフィー主義者は総勢2万人を超えていた。

ミラノを拠点としたシンクタンク、ISPIの準研究員で、バルセロナ大学の博士論文提出志願者であるマッテオ・プグリエーセ氏が語ったところでは、シリア紛争の開始期にトルコはアサド政権弱体化のため、国外からの戦闘員がトルコ国境を通ることを促進した。それにより結果的に、ジャバット・アル=ヌスラ戦線やダーイッシュなどのサラフィー主義、ジハーディ(聖戦士)グループが強化されることになった。

「後になって、トルコは、特にイスタンブール、アンカラ、ディヤルバクルでダーイッシュによる多数のテロ攻撃を被ることになった」とプグリエーセ氏がアラブニュースに語った。

専門家によると、トルコはシリア紛争時にアサド政権と戦うサラフィー主義者の派閥をいくつか援助したが、それにより自国をダーイッシュやアル=ヌスラ戦線などの戦闘員が通る回廊地帯にしてしまった。

トルコはダーイッシュによって何回か攻撃を受けた。この組織は、10件の自爆テロ、7件の爆弾攻撃、4件の武力攻撃で315人を殺害した。

サラフィー主義関連組織はこの時期に根を伸ばしたと思われ、それに追随する過激な宗派的論調はメディアにも散見するようになった。これらの組織は、難民への人道援助活動に定期的に従事していたため、トルコの領土でその存在が拡大していったものの、その存在は正常なものとなっていった。

「ジハード主義者に対するトルコ政府の態度にはわずかな変化が見られたが、クルド族に対する戦いが最優先事項であることに変わりはなかった。トルコ政府がシリア北部に侵入し、アフリン州やコバニ地域などの戦略的地帯を占領するために用いたシリア民兵組織はジハード主義者で溢れていた。彼らはそれまでアル=ヌスラ戦線、アハラール・アル=シャーム・イスラム運動、ヌール・アル=ディン・アル=ザンキ、また場合によってはダーイッシュにさえ所属していた者たちだ」とプグリエーセ氏が述べた。

プグリエーセ氏はまた、エルドアン大統領がムスリム同胞団と強い関係を築いているので、トルコ政府は国内のサラフィー主義者集団とは恐らく友好的な関係にはないと語った。

「しかしサラフィー主義者たちは大統領の宗教政策は気に入っていると思う。トルコが選別的にテロと戦っている事は、地域の安全を損なうものである。こうした政治的状況下では、サラフィー主義者の過激な思想は繁茂し、新しい志願者が増えることになる」と氏は語った。

プグリエーセ氏によれば、トルコに必要なものは以前ダーイッシュに所属した何百人もの戦闘員を見つけるための強力な諜報活動と治安作戦、それと共にサラフィー主義者の過激主義に取り組むための非宗教的政策である。

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