ベイルート

• 軍、ベイルート北部幹線道路の封鎖解除にこぎつける
• 軍は抗議活動は「公共の広場でのみ」行うよう命ずる声明を出した

レバノンのミシェル・アウン大統領は火曜日のサード・アル=ハリリ首相辞任を受けて水曜日、内閣に対し新政府発足まで暫定内閣の役割を継続するよう要請した。

ハリリ首相の辞任により連立内閣は倒れた。首相は、支配的エリートに対する13日間にわたる抗議行動により引き起こされた危機の解決に努めてきたがついに「手詰まり」に陥ったと語った。

13日間にわたるデモで国は麻痺状態に陥り首相は退陣を強いられたが、水曜日早い時間に、レバノン兵及び治安当局は抗議運動参加者らに対し道路封鎖をやめるよう迫り、これにより国民生活は正常な状態を取り戻した。

午前中、軍はデモ参加者との短時間の小競り合いを経て、ベイルート北部幹線道路の封鎖を解除。高速道路を封鎖していた車両は自ら立ち去る前に兵士グループにより撤去され、アル・ジャディードテレビはその映像を流した。

首都中心部にあるリングブリッジで治安当局は近隣病院に通じる道を開けるよう群衆を説得した。しかしある女性は道に毛布を広げながら「私はここにいます」とロイターに語った。

サード・アル=ハリリ首相は火曜日に辞任し連立内閣は倒れた。首相は、支配的エリートに対する大規模な抗議行動により引き起こされた危機の解決に努めてきたがついに「手詰まり」に陥ったと語った。

軍司令官は声明を出し、人々に抗議する権利はあるが、それが適用されるのは「公共の広場においてだけ」であると語った。

首都中心部の広場にある抗議者らのメインキャンプでは騒ぎは起こっていなかったが治安維持部隊はそこへの通行を禁止した。

ベイルート中心部のあるキャンプはイスラム教シーア派組織ヒズボラとアマルの運動を信奉する群衆に襲撃され破壊された。その後ハリリ首相は辞任のスピーチを行った。

2008年にヒズボラの兵士が対立していた当時のハリリ派との短期間の武力衝突の末首都を制圧したことがあったが、今回のこの襲撃はベイルートの路上における紛争としてはそれ以来最大のものであった。

従来より西側とスンニ派湾岸アラブ諸国の支持を受けてきたハリリ首相の退陣によってレバノンの政治情勢は先の読めないものとなった。

以前からすでに深刻化していたレバノンの経済不安は今回の抗議運動によってさらに悪化した。水曜日、銀行はまだ閉まったままである。

ロイター