• イスラエルは、政府の核開発計画、現地の武装グループへの支援、政府首脳による扇動的発言を根拠にイランを最大の脅威とみている。

エルサレム―フェイスブックは、イランを本拠とするいくつかの偽アカウントを削除したと述べている。これらのアカウントでは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対する抗議活動への支持が表明されていた。

フェイスブックは、偽のアカウントを設定し、他国の内政に干渉する世界中の“組織的な非真実行為”の数例について詳細を述べた。そうしたアカウントは、ソーシャルネットワーク上から削除されたという。

この声明は、5日に発表された月例報告書に掲載された。同社によると、ある事例では、フェイスブックの12のアカウントと2ページ、インスタグラムの307のアカウントが関わり、イスラエル、イラク両国での抗議行動についてのヘブライ語とアラビア語のコンテンツをシェアしていた。

フェイスブックは、これらのアカウントの背後にいる人物たちは自らの身元を隠そうとしたものの、テヘランに本拠を持つIT企業の関係者であることを突き止めることができたと述べた。同社によると、この偽アカウントのネットワークには約1万のフォロワーが存在し、オーディエンスを構築する初期段階にあったという。

ネタニヤフ首相と支持者たちはこの報告書に強く反応し、イランが同首相の政敵の目的を後押ししている証拠であると述べた。主要な抗議活動グループのひとつである「ブラック・フラッグ」は同首相を扇動の張本人であるとして非難し、自分たちの支援者に対し、毎週行っている抗議活動の今月7日の次回活動に参加するよう呼び掛けた。

イスラエルの市民はここ数ヵ月間、ネタニヤフ首相の辞任を求めて大規模な抗議活動を展開してきた。同首相は、複数の汚職事件の被告として裁判にかけられているほか、新型コロナウイルス・パンデミックへの政府対応やその結果としての経済危機について批判を受けている。

イスラエルは、政府の核開発計画、現地の武装グループへの支援、政府首脳による扇動的発言を根拠にイランを最大の脅威とみている。

また、イスラエルは今年初め、同国のインフラを狙った大規模なサイバー攻撃を阻止したと述べた。この攻撃の多くは、イランの主導によるものだったという。その2週間後、イスラエルはイランの港に対するサイバー攻撃を行い、報復したとみられている。

イスラエルとイランは長年にわたり、秘密工作による戦いを繰り広げてきた。その戦いには、ハイテクのハッキングやサイバー攻撃が含まれている。最も知られているものとしては、米国とイスラエルの諜報機関が「スタックスネット」と呼ばれるコンピュータワームをイランに仕掛けて、イランの核開発計画を妨害したとされる事件がある。

AP