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ヒズボラの同調者、ゲブラン・バシール、米国の制裁に臆することは無いと述べる

レバノンのミシェル・アウン大統領の義理の息子であり、自由愛国運動党を率いるレバノンの外務大臣、ゲブラン・バシール。レバノン北部、ベイルートの東、バーブダにあるレバノン大統領宮殿に到着し、携帯電話で話す。 2018年1月29日、月曜日。(AP)
レバノンのミシェル・アウン大統領の義理の息子であり、自由愛国運動党を率いるレバノンの外務大臣、ゲブラン・バシール。レバノン北部、ベイルートの東、バーブダにあるレバノン大統領宮殿に到着し、携帯電話で話す。 2018年1月29日、月曜日。(AP)
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07 Nov 2020 05:11:41 GMT9
07 Nov 2020 05:11:41 GMT9
  • レバノンの政治家、シリアの金融危機をレバノンが原因と非難するバシャール・アサド大統領に反撃

ナッジア・ハウサーリー

ベイルート:金曜日、レバノンの元外相ゲブラン・バシールは、米国の制裁に臆することは無いと断じた。

「制裁に臆することも無いし、約束に誘惑されることも断じてない」と、バシールは制裁に応えて、ツイッターにメッセージを書き込んでいる。 

「私はレバノンの人々を裏切ることも無いし、自らを救うためにレバノンの破壊に加担することもない。不正には慣れているし、歴史からも学んでいる」と、彼は付けて述べている。

金曜日、米国財務省は、キリスト教の政治家であり、レバノンのミシェル・アウン大統領の義理の息子であり、イランが支援するヒズボラの同調者であるバシールに、彼の汚職を非難し、経済的制裁を課している。

制裁措置を発表した米国務省は、次のように公表している、「バシールの腐敗した活動を通じて、彼はグッドガバナンスを損ない、レバノンを蝕む腐敗と利益誘導の政治システムに貢献してきた。こうした活動はまた、ヒズボラの不安定化を招く活動を支援し、扇動するものである」

「レバノンの政治指導者は、自らの狭い自己利益を脇に置き、代わりにレバノンの人々のために働くべき時が来たにも関わらず、何もせず徒に空白の時を過ごしていることを認識すべきである」

バシールは、昨年来、レバノンの広範囲にわたる政治的腐敗と統治機能不全に対する街頭での抗議活動を続ける勢力の主要な標的となってきた。レバノンの政治に詳しい観測筋の解釈では、バシールに対する制裁措置は、あくまでアウン大統領に間接的なメッセージを送る主旨である可能性が高いと示唆している。

バシールに対する制裁は、レバノンにおいて、ヒズボラを支援する主要なキリスト教協調者たちに深刻な打撃を与え得る。バシールに対する制裁措置は、米国が前閣僚のユセフ・フェニアノスとアリ・ハサン・ハリルに制裁を課し、同じくヒズボラを支援するマラダ運動とアマル運動に明確なメッセージを送ってからわずか数週間しか経っていない。

バシールは、レバノン最大のキリスト教政党である自由愛国運動を率いている。この政党は、アウン大統領によって設立され、21人の議員を擁していたが、ベイルートでの爆発事故後の政府に対する新たな抗議運動後、2人が8月に離党している。


バシール支援

キリスト教マロン派の国会議員、ヘクマット・ディブは次のように述べる、「バシールに対する制裁は政治的な問題であろう。レバノンという国に突き付けられた制裁目録であり、バシールはヒズボラへの資金提供とは何等の関係を持たない」

自由愛国運動の元閣僚ガッサン・アタラは、次のようにツイートしている、「米国がバシールに対する制裁を通じて、我々が国の富、1インチの土地、そしてレバノンという国を構成する要素に手を差し伸べるという我々の信念に対して、譲歩を示すだろうと考えているなら、制裁を課した人々は、私たちのことを少しも理解していないと言える」

レバノンの人々の間では、ハッサン・ハリルとフェニアノスに制裁が課されたときのように、バシールに対する制裁が、サード・ハリリが率いる新政府の組閣の長期にわたる遅延に、さらなる障害をもたらすという懸念が持たれている。

制裁がハリリの立場を弱めるかもしれないこと、そしてバシールと彼の同調者が政治家ではなく専門家からなる政府を組閣するというハリリの要求に対しても厳しい立場を取るかも知れないという恐れもある。その間、ハッサン・ディアブ率いる暫定政府が、レバノンの経済および金融危機に対処し続けている。


レバノンを非難し、資金の回収を目論むアサド

一方、シリアのバシャール・アサド大統領による「レバノンの金融セクターで保有されている数十億ドルのシリアの預金がシリアの深刻化する経済危機の主因である」という非難は、レバノンで大きな怒りを引き起こしている。

ツイッターに投稿されたメッセージの中で、レバノンの元閣僚リチャード・コウヨウムジャンは、次のように述べている、「シリアがレバノンを占領している間、アサド政権の基盤は数千億ドルのレバノン人のお金を盗んで作られている。ちなみに、現在レバノンにいるシリア難民の帰還を認めるべきであろう。彼等のために、レバノンは数百億ドルの費用をかけ、そのインフラの使用も認めている」

進歩社会党(PSP)のワリード・ジュンブラート党首は次のように述べている、「アサドはシリアの大部分を略奪、破壊、放棄し、レバノンから密輸入したあらゆる種類の品々の恩恵を受け、ベイルート港で爆破した硝酸塩も、そもそもはアサドが自国民に向けて使おうとしていたバレル爆弾製造原料として輸入を企てていたものなのに、素知らぬ顔を通し、今度はレバノンの銀行システムを機能不全にしようとしている」

PSPは、次の声明を公表している。「レバノンの悪化する経済危機とその財政の衰退と枯渇の主な理由の1つは、シリア軍の撤退後も残る、レバノンのシリアバース党政権が作った汚職チャネルのせいである」

さらに、「アサドの発言は、同胞のアラブ人にとって常に安全で安定した避難所であったレバノンの銀行部門に打撃を与える明確な意図があることを証明している。アサドはこうした話しをすることで、レバノンに保管されている資金の取り崩しに向けた強い欲求が感じられ、また送金を正当化し、望んでいる下心も感じられる」

国際的な制裁の可能性を恐れて、レバノンの銀行はシリア人からの預金の受け入れを避けてきた。

レバノン当局の数字によると、レバノンに預けられたシリアの資金額は、アサドの主張よりもはるかに少ない。5月、レバノンの中央銀行であるBanque Du Libanの月報によると、非居住者(シリア人、湾岸諸国の人々、レバノン人やその他の国々の移民など)による銀行預金は、総預金の20%未満であると報告されている。

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