Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • トルコの調査船が地中海調査後に港に戻る

トルコの調査船が地中海調査後に港に戻る

この2020年8月12日のファイル写真にて、東地中海の係争水域でのガス探査活動の後に帰港した調査船オルクレイスがアンタルヤの沖で見られる。(AFP)
この2020年8月12日のファイル写真にて、東地中海の係争水域でのガス探査活動の後に帰港した調査船オルクレイスがアンタルヤの沖で見られる。(AFP)
Short Url:
01 Dec 2020 04:12:08 GMT9
01 Dec 2020 04:12:08 GMT9

アラブニュース

  • アンカラは、その長い地中海の海岸線によりこの地域に権利を持つことを未だ主張している

アンカラ:数日中にギリシャとキプロスとの交渉の余地を与えるための土壇場の「友好のしるし」として、トルコの地震調査船が月曜日の朝、東地中海の係争水域でのガス探査活動から港に戻った。

8月10日以降この地域にオルクレイスが存在し天然ガスの潜在埋蔵量を探査しており、アンカラ、EU、米国間の論争の中心となっている。

EUの首脳は、ギリシャが「平和への直接的脅威」と呼んでいるアンカラの活動に対し、12月10-11日の首脳会議で潜在的制裁を決定する。

この船は、ギリシャのカステロリゾ島の沿岸からわずか7マイルを航海しているところを木曜日に発見された。

しかしアンカラは、その長い地中海の海岸線によりこの地域に権利を持つことを未だ主張している。ギリシャも権利を主張する海域にトルコがこの船を送り込んだ8月に緊張が高まり、ギリシャはオルクレイスがこの地域に残っている以上トルコとの海洋権利主張に関する協議をこれまで拒否している。

また、トルコのエネルギー省はこの船が探査中に「10.955キロメートル(7,000マイル)の2D地震データ」を収集したと発表した。

国家安全保障研究所の上級研究員であるガリア・リンデンシュトラウスは、オルクレイスの帰港は、交渉への純粋な欲求のしるしというよりも、状況を緩和し制裁を回避しようとする試みとして、欧州理事会の今後の会合に関連している可能性が高いと述べた。

「トルコに制裁を加えるかどうかの決定は、ドイツの見解に大きく依存しています。トルコとドイツの間には強い経済関係があり、ドイツには非常に大きなトルコの離散民族のコミュニティがあるので、ベルリンはアンカラとアテネを仲介しようとしました」と彼女はアラブニュースに語った。

しかしリンデンシュトラウスは、2つの事件がベルリンのアンカラに対する好意を一部打ち砕いたかもしれないと付け加えた。

「1つ目の事件は、ドイツの調停活動が行われている間に、ギリシャが経済海域と見なしているところにオルクレイスを10月に再送したことです。2つ目は11月末で、ベルリンはイリニ作戦の指令下で捜索は完全に合法であると考え、リビアに対する武器禁輸措置に違反した疑いでドイツ海軍兵がトルコの貨物船を捜索し、その際に発生したことに対するアンカラの強い否定的な反応でした」と彼女は語った。

ブリュッセルが違法と言う、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の北キプロス訪問とトルコの東地中海での継続的行動をめぐって、欧州議会は先週、トルコに対する制裁を求めた。

日々の記者会見にて月曜日、EUの対外関係の主要報道官であるピーター・スターノは、ブリュッセルは単一の発言や動きに基づいて措置を講じることはできないと述べ、この期間を通じて示された態度や発言は首脳会議中に考慮されると付け加えた。

「それはいたちごっこです」と、キプロスに拠点を置くサピエンタ・エコノミクスの重役であるフィオナ・マレンは言う。

「EUは首脳会議の前にオルクレイスが港に戻ることを予期していたと仮定することができます。しかし、ヴァローシャやキプロス排他的経済水域に変更がないため、制裁の脅威が依然として信頼性があることを確実にするため、EUは慎重に結論を述べる必要があるでしょう」と彼女はアラブニュースに語った。

大西洋評議会の上級研究員でエネルギー専門家のチャールズ・エリナスによると、オルクレイスが引き戻された9月に起こったこと、そして10月1日の特別欧州理事会の後10月中旬に戻ったという結果を考えると、この新しい進展を表面どおりの意味で受け取ることは困難である。

「これまでの経験に基づくと、オルクレイスが基地に戻ったのは、トルコに対するEUの制裁を検討する12月10日の欧州理事会と関係がある可能性があるように見えます。しかし、今回はEUがその餌に引っかからないかもしれません。制裁は未だ可能性が高いのです」と彼はアラブニュースに語った。

トルコ経済の炭化水素関連地域を特に対象とする制裁が首脳会議中に講じられる可能性が高いと専門家は指摘する。

「また、ギリシャとの協議の再開を可能にするために係争地域での活動を停止するという、より強固なコミットメントをEUはトルコに要求するでしょう」とエリナスは語った。

しかし、オルクレイスの撤退は米国の大統領交代にも関連している可能性がある。

「エルドアンは、ジョー・バイデンの選挙に伴い、『トルコはヨーロッパの一部である』、『トルコと米国の関係は戦略的性質を持つ』など、米国とEUに対してすでに懐柔的な発言を始めています」とエリナスは語った。

しかし当エネルギー専門家は、発言だけでは十分ではないかもしれないと付け加えた。

「威嚇の脅威なしに侵害をやめて外交と交渉に回帰するトルコの意欲とリセットが必要になるだろう」と彼は語った。

特に人気
オススメ

return to top