• コロナウイルス流行の余波は、歴史的な記録を達成し続けると予想されていたエジプトの観光収入に悪影響を与えた。

ムハンマド・アブ・ザイド 

カイロ：エジプトの今年度の観光収入は、コロナウイルスの感染拡大のため21.6％減となったとエジプト中央銀行が発表した。

また、コロナウイルス感染拡大の中で第四四半期には230万人ほどのエジプト国民が職を失った。

エジプト中央銀行の報告では、今年度の観光、旅行業による収益は売上が98億5000万ドルで、一方、前年度は最高記録となる125億7000万ドルだった。

コロナウイルス流行の余波は、歴史的な記録を達成し続けると予想されていたエジプトの観光収入に悪影響を与えた。

今年1月、中東の旅行博「Arabian Travel Market」のディレクター、ダニエラ・カーティスは、エジプトの観光収入は総合成長率13％のままであれば今後の5年間で297億ドルまで飛躍するだろうと予想している。

1月に「Arabian Travel Market」のために発表された報告書で、カーティスは、エジプトは湾岸協力会議加盟国にとっての主要市場だと書いている。2019年にはそれらの国から184万人の旅行者が訪れているためだ。エジプトはめざましい成長を続けると期待されており、2024年までには湾岸諸国から合計264万人もの旅行者を惹きつけるだろうとカーティスは付け足した。

金融サービス会社エルメス・ホールディングの1月の報告書は、エジプトの観光収入は今後5年間で年間200億ドルを超えるだろうと予測している。

エルメス・ホールディングは世界の観光業における地位の復興のためのエジプトの多大な努力、特に観光省が2018年から進めてきた復興戦略について言及し、いかにそれらの努力が効果的だったかを記している。

エジプト財務省は第四四半期に職を失った国民の28％が卸売りまたは小売り業、25％が製造業、21％が飲食及び宿泊サービス業、14％が物流、倉庫業、13％が建設業で働いていたと報告している。

2020年第二四半期には、失業率が過去2年最高の9.6％となった。第一四半期には失業率は7.7％だった。

財政年度第四四半期に失業中だった国民の数は257万4千人で、第三四半期は223万6千人から増加した。

コロナウイルス感染拡大により、エジプトで最も多く失業者を出したのは小売業で、その数は62万4千人にも及ぶ。その次に失業者が多かったのが製造業の56万9千人、次に飲食、宿泊業の46万9千人、物量、倉庫業の30万9000人、建設業の28万8千人と続く。

だが、新年度の第一四半期には失業率はコロナウイルス感染拡大前のレベルから回復を見せており、7.3％となった。これは、エジプトが徐々に感染対策を浸透させていっているためだ。