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イラン大統領が濃縮度を上げる法案を却下

イラン大統領府が発表した写真。2020年11月11日に首都テヘランでの閣議で、ハサン・ロウハニ大統領(中央)が議長を務めている。(資料/AFP)
イラン大統領府が発表した写真。2020年11月11日に首都テヘランでの閣議で、ハサン・ロウハニ大統領(中央)が議長を務めている。(資料/AFP)
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03 Dec 2020 04:12:31 GMT9
03 Dec 2020 04:12:31 GMT9
  • 法案を巡る綱引きは、ロウハニ大統領と議会を支配する強硬派議員たちとの対立を反映している
  • 法案は、国連の査察を差し止め、政府にウラン濃縮を再開して20%に高めるよう求めるものであった

テヘラン:イランのハサン・ロウハニ大統領は水曜日、国連の査察を差し止め、ウラン濃縮を上げるという議会を通過した法案を却下した。法案は、2015年核合意の復活や米国による制裁の緩和に向けた外交努力を「損なう」ものであると大統領は述べた。

法案を巡る綱引きは、先月に著名なイランの核科学者が殺害された後に勢いを増しており、比較的穏健なロウハニ大統領と、議会で優勢を占める欧米諸国に対するより対立的な姿勢を支持する強硬派議員たちとの間の対立を反映している。

法案は、欧州諸国がイランの原油部門や金融部門に壊滅的影響を及ぼす米国の制裁の軽減措置を提供しないのであれば、国連査察を差し止め、政府に20%までのウラン濃縮の再開を求めるというものであった。そのレベルでは核兵器としての基準値には満たないが、民間の使用目的に求められる濃度よりも高い値だ。

ロウハニ大統領は閣議で、政府は「これを外交努力のこれまでの流れに有害であると考え、同意しない」と述べた。彼は、議員たちは6月に予定されている選挙に先立ち、自分たちの立場を優位に置こうとしているのだと示唆した。

大統領はまた、「現在我々は核の分野において、これまでのどの時代よりも強い力を持っている」と付け加えた。

法案の影響力はほぼないに等しいと考えられている。核計画関連を含むすべての重要政策については、イラン最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が最終決定権を握っているからだ。どちらかといえばこれは、イラン核計画における重要人物であるモハセン・ファハリザデ氏が、イラン当局がイスラエルの仕業だとしている攻撃により殺害されたことに対する、反抗的態度を示したものであると思われる。

ファハリザデ氏は、イスラエルと西側諸国が核兵器開発の実行可能性を探る軍事作戦であると主張する計画を率いていた人物だった。国際原子力機関によれば、「構造的計画」は2003年に終了したという。米国はこれらの調査結果に同意しているが、イスラエルは、イランが弾道ミサイルや他の技術開発に取り組んでいることを指摘し、イランは依然として核兵器開発を目指しているとしている。イランは、核計画は完全に平和活用のためのものだと主張している。

米国は、ドナルド・トランプ大統領が2018年に一方的に核合意から撤退して以降、イランに壊滅的な経済制裁を課している。これを受けてイランは、核合意で決められた限度を公然と超過するようになり、米国が合意を順守すれば自分たちも速やかに合意に戻ると述べている。

ロウハニ大統領は、2015年核合意を世界の列強と共に立案したひとりであり、核合意への復帰と米国を始めとする西側諸国との外交関係拡大を支持している。次期大統領のジョー・バイデン氏も、核合意への復帰を支持すると述べている。

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