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デモによりイラクの混迷が続く中、各政治派閥が出口を模索する

08 Nov 2019
11月7日バグダッドでの反政府抗議デモ中、参加者に食糧を配布する途中に活動家を拘束するイラク治安部隊。AP通信
11月7日バグダッドでの反政府抗議デモ中、参加者に食糧を配布する途中に活動家を拘束するイラク治安部隊。AP通信
Updated 08 Nov 2019
08 Nov 2019
  • アブドルマハディ首相がデモ参加者に各省庁での仕事を与え、事態の鎮静化を試みる

スアダード・アルサーリー

バグダッド:反政府デモを終結させ現状を打開するため、イラクの各政党が11月7日に会議を再開した。一方、デモにより首都バグダッドでは日常生活に支障が出ている。橋が封鎖され、政府機関が閉鎖された状態が1週間以上続いている。

イラクの主要政党は、行き詰まった現状を打開すべく、全政党が受け入れ可能でデモ参加者が納得するような方策を見つけようと模索している。

デモ隊は政府の総辞職を要求している。アデル・アブドルマハディ首相とその支持勢力が、先月始まったデモ活動鎮圧に殺傷兵器の使用を許可したため、300人以上が死亡し12,000人が負傷したと非難している。

さらにデモ隊は、公職選挙法の改正・早期の解散総選挙実施・憲法改正・独立高等選挙管理委員会への新委員任命を要求している。

「デモ隊の要求と各政党の構想にギャップはありません」と、シーア派の有力政治家で以前大臣を務めたモハメッド・アルスダニは述べた。

「現政権や首相の退陣に関しては、アルナシル会派などが首相の法的・公的責任を問う動議を提出しましたが、議会の多数派がこれを支持しています。要するに、もうすぐ政府は変わります」と述べ、唯一確定していないのは時期とその手続きだけだと付け加えた。

「今問題なのはデモ隊の中に明確なリーダーがいないため、政府側との交渉ができない点です。ですからリーダーを選ぶか、どこか信頼できる政党を選んで意見を代弁するよう依頼しなければなりません」とアルスダニは述べた。

アブドルマハディ首相は、デモ隊の怒りを鎮めようと手を尽くしている。デモ参加者に毎日各省庁での仕事を提供し、政治家や官僚を含む金融・行政の汚職一掃を急ピッチで進めている。

7日に、統合委員会が汚職の容疑をかけられているバービル県知事と元バスラ県知事の移動を制限した。さらに最高法務委員会は公金横領の罪で、元銀行支店長に懲役7年の刑を欠席裁判で言い渡した。

2004年以降、イラクの政治体制はクオータ制をベースとしている。議席の数に関係なく、シーア派・クルド人・スンニ派の各政治勢力の間で合意が得られなければ、行政府・閣僚・憲法に手を加えることは不可能なのだ。

アブドルマハディ首相を支持する勢力は、イランの支援を受けるシーア派、スンニ派政治派閥、さらに強い影響力を持つマスード・バルザニが党首を務めるクルディスタン民主党(KDP)が主となっている。

2014年にIS(イスラム国)が支配していた地域をイラク軍とイランの支援を受けたシーア派派閥が奪還して以来、スンニ派派閥は最も政治的に弱体化している。

以降スンニ派のほとんどはシーア派派閥と協力し、シーア派宗教指導者ムクタダ・アルサドル師が主導する「改革連合」、あるいはイランが支援する「アルビンナ同盟」に加わり、2018年10月にアブドルマハディ政権を発足させた。

各クルド人政党は2018年の総選挙後、内部闘争や政治的な意見対立により分裂した。

クルディスタン民主党は、特にイラク北部のクルド人自治区ではいまだに多数派を占め最も影響力が強く、自治政府・財政・自治区に割り当てられた連邦予算の配分権を握っている。

さらに、アルビンナ同盟の中では最も強いクルド人政治勢力で、アブドルマハディ首相の解任、早期の解散選挙、憲法改正に最も強く反対している勢力の1つだ。

「バルザニ党首はアブドルマハディ首相の退陣や憲法改正に反対しています。党首は現状の方が得るものが大きいからです」とクルド人勢力幹部で政府顧問を務める人物が語った。

「アブドルマハディ首相は、バルザニ党首が夢にも思わなかったような便宜を与えたのです。特に石油産出に関する取り決めと連邦予算の配分の部分では」

「アブドルマハディ首相が退陣すると、クルド人地域の予算・係争地域・石油産出や輸出に関わる取り決めを定めた法律が見直されることになります。そうなれば、クルディスタン民主党にとっては大打撃となるでしょう」

現在の危機を終結させるための方策を模索する一方で、イラクの各政治派閥は自らの権益を保持し、自分たちの不利益をなるべく少なめにすべく動いている、と危機対策協議に参加する政治家たちがArab Newsの取材に応えて語った。

「投票する時になったら、アブドルマフディ首相の解任を確実に阻止します」と、シーア派の著名な政治家は語った。「連立与党は公職選挙法を改正して新たな選挙委員会を任命し、それからは行き詰まるでしょうね… 早期の解散総選挙実施で合意するのは当分先でしょう」

「ひょっとすると、早期解散総選挙自体には同意するかもしれませんが、実施されるのは1年以上先になるはずです。準備作業だけで1年以上かかるでしょうから」

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