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国連特使、シリアの和平への努力における切迫感を強めるよう求める

2021年1月20日、シリアのアレッポ地方北部にあるテントの近くでぬかるみを歩く、国内で難民になっているシリアの子供たち。(ロイター/Mahmoud Hassano)
2021年1月20日、シリアのアレッポ地方北部にあるテントの近くでぬかるみを歩く、国内で難民になっているシリアの子供たち。(ロイター/Mahmoud Hassano)
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23 Jan 2021 02:01:45 GMT9
23 Jan 2021 02:01:45 GMT9
  • ゲイル・ペダーセン氏は、国際外交を強化することと、新憲法起草の進展に一層集中することを望んでいる
  • シリア憲法委員会の小委員会の第5回会合は、25日にジュネーブで始まる

エフレム・コサイフィ

ニューヨーク:ゲイル・ペダーセン国連シリア担当特使は22日、シリアの人々の生活を向上させ、シリアの将来の展望を作り出すための政治的努力の一環として、「より真剣で協力的な」国際外交を求めた。

同氏はまた、25日にジュネーブで始まる、シリア憲法委員会の小委員会の第5回会合に先立ち、委員会のメンバーに対し、憲法改正の進展のスピードを速めるために全力を注ぎ、より効率的に取り組むよう求めた。

ペダーセン氏は、大いに必要な、和平プロセスへの国際的関与が可能になるという希望を表明した。

「結局のところ、意見に相違はあるものの、主要国は引き続き決議第2254号へのコミットメントを再確認している」と同氏は、シリアでの停戦と政治的解決を求める、2015年に採択された国連安保理決議に言及して付け加えた。

今週、国連安全保障理事会に最新の進展について報告したペダーセン氏は、5つの外国の軍隊がシリアで活動しており、「シリアの主権と領土の侵害が数年続いている」という事実を強調した。

ロシアとトルコが北西部での停戦に合意したことで戦闘は縮小したが、この比較的落ち着いた状況は依然として不安定だ、とペダーセン氏は警告した。

ゲイル・ペダーセン国連シリア担当特使。(APの写真/キャシー・ウィレンス、資料写真)

「これらの問題全てをシリア人だけで解決することはできない」と同氏は述べた。「(彼らには)国際協力と、(全当事者間の)真の意見交換が必要だ」

「その政治的意思が欠けていると、このプロセスを前進させるのは非常に、非常に困難だろう……国連だけに任せてしまうと、成功することはできないだろう」

25日の重要議題は、シリア憲法の基本原則に関する議論だろう。ペダーセン氏は、委員会の共同議長2人と定期的に会っており、シリア国内外の社会活動家や専門家、その他の独立した人たちから成る市民社会団体「ミドルサード」とも突っ込んだ討論をしていると述べた。

この1年の経験から、妥協点を見いだす可能性があると信じるようになった、と同氏は述べた。どの当事者も、当事者のグループも、単独ではシリアに意思を押し付けたり、紛争を解決したりすることはできない。彼らは協力しなければならない」と同氏は付け加えた。

今こそ憲法委員会の共同議長が、「より効果的で使用可能な仕事のやり方」を確立することで努力を組織化して集中させる時だ、とペダーセン氏は述べた。そうすれば彼らは憲法改正の準備から実際の起草へと進み始め、将来の会合の明確な議題や、議論のテーマについて合意することができる。

「このプロセスを進展させるには、もっと切迫感が必要だ」と同氏は付け加えた。

ペダーセン氏は、市民社会団体と「全てのシリア人が、現地の状況を改善し、政治プロセスを支援するために、できることをしたこと」に敬意を表し、特に女性を称賛した。同氏は特に女性諮問委員会からの意見を積極的に求めてきた。

「我々全員が優先すべきことは、シリアの女性が政治プロセスに完全に参加できるようにすることだ」と同氏は述べた。「彼女らの中心的な憲法上の権利(の推進)は、憲法委員会の仕事の進行役である私にとって重要だ」

大規模な捕虜交換計画について聞かれたペダーセン氏は、これは今週ジュネーブで行われる会議の議題にはなっていないが、常に彼自身の議題の一つだと述べた。この問題にこれまで進展がなかったことに失望しているということは、「我々はもっと努力すべきだ」ということだ、と同氏は付け加えた。

「これはシリアのほぼ全ての家族に実際に影響を与える事件であり、対処が必要だ」と同氏は述べた。「(私は)行方不明者に関する情報をもっと提供するよう呼び掛けている。(我々には)女性、子供、高齢者、病人の早期解放が必要で、それは(何によっても)止められてはならないないと(私は)思う」

シリア憲法委員会の小委員会のメンバーは23日にジュネーブに到着する予定で、ペダーセン氏は25日に始まる主要会議の前の週末に共同議長らと協議する予定だ。

今回の交渉が国連にとって成功となることを期待しているかという質問に対し、ペダーセン氏は「これが問題だとは本当に思わない。問題は、シリアの人々にとって成功なのかどうか、彼らの望みなのかどうかだ」と述べた。

「憲法委員会が、正しいやり方で指揮され、信頼を築き始め、より広い政治プロセスへの扉を開くことができることを望んでいる」

「だが(委員会は)単独では成功することはできない……前に進めるようにするためには、さまざまな当事者の政治的意思が必要だ」

同氏は付け加えた。「(委員会は)ただの一面に過ぎず、シリア危機を解決する一面ではない。現場の状況を変えたいと思うなら、他にも議論すべき要素がある」

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