• イスラエル国防軍参謀総長のアビブ・コチャビ中将は、軍事行動の選択肢は「検討対象であるべきだ」と言う
• ジョー・バイデン米大統領は、ドナルド・トランプ氏が2018年に離脱したイラン政府との2015年の合意に何らかの形で復帰する計画があると述べた

チャーリー・ピーターズ

ロンドン：イスラエル国防軍（IDF）で参謀総長を務めるアビブ・コチャビ中将は火曜日、イラン核合意に復帰することは米国にとって間違いだと述べた。

コチャビ氏は、軍事行動は「検討対象でなければならない」と付け加え、米国のジョー・バイデン新大統領の立場とは対照的な、この問題に関する自身の立場を説明した。

イラン政府との合意は、正式には包括的共同作業計画（JCPOA）として知られ、2015年に国連安全保障理事会の常任理事国5か国（中国、フランス、ロシア、英国、米国）に加えてドイツ、EUによって署名された。ドナルド・トランプ大統領は2018年に米国をこの合意から離脱させてイラン政府に対する制裁を復活させたが、バイデン氏は合意への復帰を約束している。

「2015年の核合意が実現していたら、イランは核爆弾を手に入れていただろう」とコチャビ氏は述べ、米国の合意への復帰は「間違ったこと」になるだろうと付け加えた。

テルアビブ大学の国家安全保障研究所（イスラエルを代表するシンクタンク）の年次会議で発言したコチャビ氏は、この合意によってイランの政権は核爆弾の開発に十分な水準までウランを濃縮することができるようになるだろうと述べた。

「戦略的には、恐らくこれは中東の地域的な核武装につながるだろう。そのため、現在の合意に似たようなことは不適当で、許されるべきではない。今日のイランは2015年のイランではない。今日のイランは巨大な圧力、経済的圧力にさらされている…… それは何があっても、あらゆる方法で維持されなければならない」とコチャビ氏は述べた。

コチャビ氏は、イランの高性能な遠心分離機の稼働と最近のウラン濃縮の進歩は、イランの政権が核爆弾の製造から「ほんの数週間」しか離れていないことを意味する可能性があると述べた。イラン政府が核兵器を開発するのを防ぐためには、可能な限り厳格な措置を取らなければならないとコチャビ氏は付け加えた。

「この基本的な分析を踏まえ、私はIDFに対して既存の計画に加えていくつかの作戦計画を作成するよう指示した。我々は計画の立案に熱心に取り組んでおり、今後1年かけて計画を作る予定だ」とコチャビ氏は述べた。

コチャビ氏は、IDFの計画に基づいて行動するかどうかの決定はイスラエルの政治指導者によって下されるとし、「これらの計画は検討対象でなければならない」と付け加えた。

米国のアントニー・ブリンケン新国務長官（火曜日に上院で就任が承認された）は先週、米国政府がJCPOA復帰の可能性についてイスラエルや湾岸諸国と協議することが「極めて重要」だと述べた。

ブリンケン氏は上院外交委員会で、「その限界はどうであれ、2015年の核合意はイランが核兵器を作るために必要な物質を製造することを防ぐ上で比較的成功している」と評価した。

どの機関にも属さない地政学アナリストのカイル・オートン氏は、アラブニュースの取材に対し、「コチャビ氏が示したイランが核兵器を製造できるまでにかかる時間は、控えめに言っても疑わしい」と語った。

「イランが深刻な譲歩を迫られているからこそ、制裁を維持する必要があるというコチャビ氏の発言は単純に真実ではない。イランの神権政治は、これらの制裁の下ですべての重要な機能を保持している」

「イスラエルによるすべての攻撃にもかかわらず、イランは今では撤去できない方法で防備を固めており、イスラエルは以前に3回、4回、5回攻撃したことのある標的を攻撃するはめになっている」

しかし、オートン氏は、「IDF参謀総長のメッセージは米国で政治的にうまく機能して、JCPOAに関して言えば、バイデン氏を身動きできなくするかもしれない」と述べた。

オートン氏は、「米国がイラン政府との交渉を再開するならば、恐らく6月のイランの（大統領）選挙の後でのみ開始されるだろう」と付け加えた。