• トランプ氏は、米国によるパレスチナ自治政府への2億ドル相当の経済援助を停止した

Ali Younes

アトランタ：パレスチナの指導者らは、バイデン米大統領がラマラのパレスチナ自治政府との外交関係の回復と、米国によるパレスチナ国民への援助の再開を計画していると発表したことを歓迎している。

リチャード・ミルズ米国連大使代理は国連安全保障理事会に、バイデン政権は外交関係を全面的に回復し、トランプ政権によって阻止された経済・人道援助を再開するつもりだと話した。

パレスチナの政府報道官であるIbrahim Milhem氏は、マフムード・アッバス議長とモハマド・シュタイヤ首相はこの発表を歓迎していると述べた。この発表により、米国の二国家解決への支持と、イスラエル・パレスチナ間の交渉に戻ることの重要性が強調された。

パレスチナ指導部は、イスラエルによる占領の終了とパレスチナ独立国家の樹立を求める、双方が合意した国連決議と国際法の原則に基づいた交渉の再開を強く望んでいる、と同氏は付け加えた。

「我々は、国際法と国連決議に基づき、国際的関係者の協力を得て、イスラエルとの外交交渉を再開する準備ができている。しかし国際法と国連協定に正式に記されているように、パレスチナ人の権利を考慮に入れない解決策は、どんなものでも失敗するだろう」と同氏は述べた。

パレスチナ解放機構の幹部、ワセル・アブ・ユセフ氏は、バイデン政権がトランプ氏の政策と決別することを知らせている一方で、イスラエルを継続的かつ明確に支持していることをパレスチナは分かっていると述べた。

「パレスチナ人が本当に望んでいるのは、イスラエルによる占領の終了とパレスチナ国家の樹立に向かう明瞭な道であり、バラク・オバマ元大統領政権下で8年間行われたような紛争管理の政策ではない」と同氏は述べた。

パレスチナ人の権利を認めず、以前の国際協定に違反している、とパレスチナの指導者らが思ったトランプ政権の政策を彼らが拒絶した後、トランプ氏は、米国によるパレスチナ自治政府への2億ドル相当の経済援助と、国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）を通じた3億5000万ドル以上の人道援助を停止した。

ミルズ氏は、バイデン政権の決定は、パレスチナとイスラエルの一般の人々の生活を改善するためになされたと述べた。

「我々は、これらの措置をパレスチナ指導部への親切な行為だとは考えていない。米国による援助は、パレスチナの一般の人々数百万人に利益をもたらす。そしてパレスチナ人とイスラエル人の両方に利益をもたらす、安定した環境を保護するのに役立つ」と同氏は述べた。

同氏は、バイデン政権が「変わることなくイスラエルを支持していること」も強調したが、イスラエルと、実現可能なパレスチナ国家が平和と安全のうちに共存する、双方が合意した二国家解決に達するための努力を支持するだろうと付け加えた。

イリノイ州の下院第3選挙区選出の民主党のMarie Newman議員は、 パレスチナとの関係を回復するという決定は、パレスチナ人とイスラエル人の平和と繁栄への道の正しい方向への一歩だと述べた。

「UNRWAの資金を取り戻し、違法な土地の併合に反対し、パレスチナ指導部との和平交渉を再開するという、バイデン新政権の意思と努力によって、我々が、パレスチナ人とイスラエル人の両方のために、この地域の平和、公正、繁栄へのより明瞭な道筋を得ることをとても期待している」

イスラエルは1967年の戦争でヨルダン川西岸、ガザ、東エルサレムを占領し、占領をやめるよう求める多くの国連決議に従うことを拒否してきた。1994年、イスラエルとパレスチナは、占領をやめることと、ヨルダン川西岸とガザに実現可能なパレスチナ国家を最終的に設立して東エルサレムを首都にすることを明記したオスロ合意に署名した。

トランプ政権下で、米政府は2017年、エルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館をテルアビブからエルサレムに移転したが、これはエルサレムに対するイスラエルの主権を認めない国際法に違反している。

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