• 1週間に渡り、抗議活動によってバスラのウンム・カスル港が封鎖されている。ウンム・カスル港は、イラクの食料や医療関係の輸入品のほとんどが届けられる重要な港である。
• 人権団体は、活動家や医療関係者が逮捕されたり脅迫を受けていることに関して警告を発している。

『Arab News』

バグダッド：バグダッドで金曜日、イラクの保安部隊と反政府デモ参加者の間で新たに衝突が発生した。イラクの最高位のシーア派の聖職者が混乱の収束を呼びかけるも、抗議活動は3週目に入っている。

政権リーダーも退陣を拒否したようだ。退陣する代わりに、追い詰められた状態のイラク首相の周囲を固めている。

ヘルメットや間に合わせの防具を身につけてイラク首都中心部の大通りに集結した抗議活動参加者に向けて、保安部隊は催涙ガスを噴射したりスタン擲弾を発射したりし、デモ参加者は散り散りになり、負傷者も発生した。

首都バグダッドや南部の港湾都市バスラでは、過去24時間以内に12人以上のデモ参加者が死亡したと、金曜日医療関係者は明かした。

大アヤトラのアリー・アル=スィースターニー師は、暴力のエスカレートの責任は保安部隊側にあるとし、政府に対してはデモ参加者の要求に可能な限り早く応えるよう求めた。

「最も大きな責任を負うべきは保安部隊です」と、スィースターニー師の代理人はカルバラで金曜日の礼拝後の説教で述べた。「平和的な抗議活動参加者に対して必要以上の力を使うことは避けなければなりません」

スィースターニー師は、現在の政情不安が「国内外」の勢力にうまく利用されないようにしなければならないと警告した。同師によれば、そうした勢力は自身の利益のためにイラクを不安定化させようとしているとのことだが、それ以上詳しい言及は避けた。

同師は、権力を預かる者はデモに対して意味のある返答を行わなければならないと語った。

抗議活動参加者には、同師のコメントはほとんど慰めになっていないようだ。「スィースターニー師は抗議活動を支援していると言っていますし、抗議を続けるべきだとも言っていますが、具体的に何か支援してくれているわけではありません。スピーチをしても結局何も変わっていないのです」と、バグダッドで抗議活動に参加している女性は語った。この女性は息子を最近の衝突で亡くしている。

バグダッドの有名なラシード通りで発生した直近の衝突では、ゴム弾や催涙ガスのキャニスターで32人が負傷した。この通りは、同市最古の大通りであり、今にも崩壊しそうな建物が並んでいることで有名な文化の中心地だ。抗議活動参加者がゴムを用いて保安部隊に向かって石を飛ばす中、その場には催涙ガスが立ち込めた。

バスラでは金曜日、催涙ガスを吸い込んだ高齢女性が亡くなり、180人が負傷した。

木曜の夜には、仮面を被った男らがバスラで抗議活動に集まった人たちを攻撃し、5人が死亡した。この際の銃撃ではさらに120人もの負傷者も発生したと医療関係者が発表した。

バグダッドのアル=サドル市から抗議に参加しているラスール・モハメド氏は、過去数日で友人が4人失踪したと言う。「死者のリストにもいないですし、負傷者のリストにもいません。一体どこにいるのでしょうか。誰に連れ去られたのか私たちにはわかりません」と同氏は語った。

人権団体も、活動家や医療関係者が逮捕されたり脅迫を受けていることに関して警告を発している。詳細不明の保安部隊に尾行されていると訴える者がいるとのことだ。

実弾はいまだに使用されており、催涙ガスであっても、群衆に向かってキャニスターが山なりに投入されるのではなく抗議活動参加者の体に直接発射されたことで、少なくとも16人が死亡したと、ニューヨークに拠点を置くヒューマン・ライツ・ウォッチが発表した。

キャニスターが抗議活動参加者の頭蓋骨や胸部に突き刺さったことで、11月5日までに少なくとも16人が死亡したと国連は発表している。

アムネスティー・インターナショナルは、軍事用グレードのキャニスターはセルビア製とイラン製だったことがわかったと発表した。

ミサン地区では水曜日、2人の活動家が何者かによって殺害されたと保安当局者が明かした。

休止していた抗議活動が10月24日に再開されてから、暴力による死者数は今週約130にものぼった。

10月1日から6日にかけての抗議の第1波では157人が死亡したと正式に発表されており、そのほとんどはバグダッドで銃撃によって死亡した抗議活動参加者とのことだ。

アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は抗議活動参加者に同調し、「あの人たちを支援できるところでは最大限支援していかなければなりません」と語った。

市民の間では特にイランに対して怒りが向けられている。イランは、イラク政府や政府機関を支配する政党や武装勢力を支援している。

（AFPと共同報告）