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トルコ、戦争で荒廃したシリアで学校を開校へ

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08 Feb 2021 04:02:21 GMT9
08 Feb 2021 04:02:21 GMT9

アラブニュース

  • トルコ政府は外国による干渉とシリアの領土主権の侵害という非難に直面している

イスタンブール:トルコ政府は、トルコ国境近くにあるシリアのコバンベイ(アル・ライ)の町に医療専門学校と医学部を開設すると発表した。

驚きの決定は金曜日の夜、トルコの政府広報に掲載された。

コバンベイはシリア北部アレッポにあり、トルクメン人が多数を占める町で、シリアの反政府勢力の支配下にある。医療専門学校は、トルコの保健科学大学の支援を受けて設立される。

一部の専門家は、このような動きが地域の傷ついた社会インフラへの後押しになると考えているが、これはトルコ政府によるシリアの領土主権の侵害で、外国からの干渉という非難に直面する可能性があると指摘する専門家もいる。

2018年以降、トルコはシリア難民の帰還を促すために、アフリン、アルバブ、イドリブなどシリアに病院と大学の学部を設立している。コバンベイ地区やアルバブではトルコリラも使われている。

アルバブには、トルコのハラン大学がトルコ語、アラビア語、英語で3か国語教育を行う大学キャンパスを開設した。

トルコ宗教財団は2020年11月、シリア北西部のイドリブ県に1,100人の生徒を対象とした小学校を開校した。  

トルコ保健省は、アルバブ、マレア、コバンベイで3つの病院を完成させ、病床数は合計で475床となった。

シリア領内にこのような「足跡」を残すことで、トルコ政府はトルコにいる数百万人の難民に帰国を促したいと考えているが、これまでのところ大きな成功はない。

オックスフォード大学の中東アナリスト、サミュエル・ラマニ氏によると、国連などの国際機関を通じた人道支援はアサド政権やロシアに偏っているため、トルコのインフラや人道支援プロジェクトは反政府勢力が支配する地域のシリア人からの支持を得るはずだという。

「しかし、シリア政府はトルコの人道的介入に抵抗し、主権の侵害だと主張するだろう。加えてトルコはこの問題でロシアやイランとの摩擦に直面するだろう」とラマニ氏はアラブニュースに語った。

ラマニ氏は、トルコがシリアで国連により認められている政府の主権を損なっているとしても、国際社会や法的機関ができることはほとんどないと考えている。

「さらに、トルコは、アサド政権が民間人を守る主権者としての責任を果たしていない時に、シリアの民間人の安全と健康を守っているのだから、自身の行動を正当化するために、『保護する責任』の一種を発動することができるかもしれない」とラマニ氏は述べた。

しかし、シリア国営通信(SANA)は日曜日、「これは危険な行為であり、国際法と国連憲章のはなはだしい違反であると考えられるため、トルコの政権が大学の学部と施設を開設する決定をシリアは断固拒否する」と報じた。

「この無効な決定は、シリアの危機を煽って長引かせるトルコの政権による行為を継続させることに等しい」と外務・移民省の公式情報源に基づいてSANAが報じた。

「トルコリラでの取引やトルコ郵政公社の事業開始に加え、いわゆる(分離壁の)建設や学校でのトルコ化政策の採用など、トルコの政権によるシリアの主権に対するこれらの攻撃が、この政権が自らのテロ行為を正当化して素知らぬ顔をするための口実となっていることをシリアは断言する」とこの情報筋は述べている。

アトランティック・カウンシルの非滞在型上級研究員ジョマナ・カドゥール氏は、トルコ政府は電気や水の供給、治安維持、より一般的な人道支援の提供を通じて、シリア北部とトルコ国家を結びつけてきたと述べた。

「シリアでは正式な認可を受けた教育プロジェクトが切実に必要とされている。しかし、多くの学生が長年にわたって教育プログラムを奪われてきた事実を考えると、どのような教育イニシアチブでも、地元の教育者や地元住民のニーズを取り入れることが重要だ。これがシリア人に歓迎される取り組みとなるためには、シリア人が所有権を持ち、参画することが必要となるだろう」とカドゥール氏はアラブニュースに語った。

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