• トルコ警察は23日、メルト・ヤシャル弁護士邸を家宅捜索し、イスタンブール最高検察庁による取り調べの後、同弁護士を拘束した。

アラブニュース

イスタンブール：トルコの与党・公正発展党の国会議員、オズレム・ゼンギン氏に向けられた性差別的な発言を含むツイートが物議を醸していた弁護士が、「大統領を侮辱した」罪で逮捕・起訴された。

トルコ警察は23日、メルト・ヤシャル弁護士邸を家宅捜索し、イスタンブール最高検察庁による取り調べの後、同弁護士を拘束した。

ゼンギン議員は最近、トルコの刑務所での人権侵害および検査での脱衣強要の疑いについての否定的な発言で、広範な怒りを買っていた。発言には、過去数年に屈辱的な取り調べを受けていたと述べている数十人の保守的な女性たちの主張を嘲笑うかのような内容が含まれていた。

「立派な女性、道徳的な女性は、（声を上げる前に）1年も待たないでしょう。これは作り話ですよ」とゼンギン氏は2月19日に語っていた。

この話題について幅広い議論が起きる中で、ゼンギン議員は、刑務所内で幼児を育てることに対する世論の反対を引き起こそうとしているさまざまな「違法な」グループが指示して、女性たちが妊娠するようにしている、とも発言した。

2月21日にも彼女は次のように述べている。「こうした女性たちは、「刑務所に妊娠中のまたは幼児を育てている女性がいる」と主張できるよう、与えられた指示に従って出産しているのです。」

ヤシャル弁護士は、ゼンギン議員のつい最近のこの発言に対して、挑発的なツイートで反応した。「大統領内閣に［服役中の女性たちへの］初夜権［中世に存在したと言われる権力者が花嫁と初夜を過ごす権利］を与えてやれば、オズレム・ゼンギンは黙るのだろうか？」と同弁護氏はツイート、政界におけるあらゆる立場の女性の権利活動家たちの怒りを買った。

トルコ大統領府通信局のファフレッティン・アルトゥン局長は、ヤシャル弁護士の発言を受けてすぐに「独立したトルコの司法機関が、このメルト・ヤシャルなる不快な人物を可能な限り厳しい方法で処罰すること」を求める声明を発表した。

「このような非礼が行われたことに対して、野党は何かするでしょう？おそらく、見て見ぬふりをしようとするだけでしょう。私たちは、きちんと対処させてもらいます」とアルトゥン局長は語った。

ヤシャル弁護士はトルコの刑法第299条により、大統領を侮辱した罪で逮捕された。これについては、批評家は、ヤシャル氏のツイートが大統領自身ではなく特定の国会議員に対してのものだったため、第299条の過度な適用だと批判する声が上がっている。

刑法第299条は、大統領を侮辱した者は1年から4年の懲役に処し、特に公の場で侮辱した場合には1年から6年の懲役に処することを定めている。

2014年から2019年の間に、タイップ・エルドアン大統領に対する侮辱容疑で約128,872件の捜査が行われ、約27,700件が刑事事件として検察官により立件されている。

合計9,556人の被告がトルコの裁判所により有罪判決を受け、12歳から17歳までの約900人の未成年者もこの罪で裁判所に出廷している。

「違法な逮捕と虚偽の告発による、司法の政治化が続いています」と権利活動家のネシベ・キリス氏は指摘している。

数人の女性政治家と権利活動家は、刑事訴訟手続きに至らなかった侮辱例についての個人的な経験を発表し、このような刑事条項の「政治的な動機による」適用の正当性についての論議を引き起こした。

「私や政権に反対するすべての女性に対するあらゆる種類の侮辱、脅迫、性差別的な攻撃は罰せられず、それどころか非起訴の決定の理由になりさえします。しかし、与党の政治家に向けてのものなら、それが逮捕の理由になってしまうのです。これではまるで、注文次第で変わるオーダーメイドの司法です。最終的には、誰もが人々の良心の尺度によって測られることになるのですが」

ある弁護士グループは、ヤシャル氏を支持するメッセージを発表し、同弁護士の逮捕は「ソーシャルメディアと政治の圧力に影響されて決定を下す司法慣行を継続するものだ」と指摘した。

今回の逮捕はまた、ソーシャルメディアでの強い批判の声を抑え込もうとする動きとしても非難されている。