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イエメンに対するサウジの燃料提供で、停電への対処が可能となり、数百万ドルを節約できると当局者らが発言

サウジの寄付は、発電所を動かし続けるのに必要な燃料購入資金をイエメン政府が必死に探している時に、ちょうどよいタイミングで行われた。(AFP通信/資料写真)
サウジの寄付は、発電所を動かし続けるのに必要な燃料購入資金をイエメン政府が必死に探している時に、ちょうどよいタイミングで行われた。(AFP通信/資料写真)
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01 Apr 2021 12:04:43 GMT9
01 Apr 2021 12:04:43 GMT9
  • 慢性的な燃料不足が主な原因で、港湾都市アデンを含むイエメンの一部の都市では、現在、1日18時間にも及ぶ停電が続いている

サイード・アル・バターティ

アルムカッラー:サウジアラビアがイエメンの発電所に4億2200万ドルの燃料を寄付することにより、数百万ドルを節約でき、高温多湿のイエメンの都市で不安を掻き立てる原因となっている長時間の停電を減少させられると、水曜日、当局者とアナリストらが述べた。

イエメンのアンワル・モハメド・カルシャット電力相は、アラブニュースに対し、サウジの寄付は、発電所を動かし続けるのに必要な燃料購入資金をイエメン政府が必死に探している時に、ちょうどよいタイミングで行われたと述べた。

「これは電力部門にとって大きな後押しであり、電力サービスを大幅に安定させることになるでしょう。この数日と夏の間の国民の苦しみを和らげることになります」と同大臣は述べ、現在の「困難な時期」にイエメン国民の力になってくれているサウジアラビアの首脳に感謝の意を表した。

「この支援と寄付について、サウジアラビアの兄弟たちに感謝したいと思います」と、カルシャット大臣は述べた。

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子がこの助成を発表した直後、イエメン・リヤルはドルやその他のハード・カレンシーに対して反発し始めた。

慢性的な燃料不足が主な原因で、港湾都市アデンを含むイエメンの一部の都市では、現在、1日18時間にも及ぶ停電が続いている。

イエメン政府は、発電所の燃料費が国のわずかな歳入を消費し、医療や教育など他の重要な分野のプロジェクトに資金を供給できないと長年訴えてきた。

昨年9月、アデン県のアフメド・ハミド・ラムリス知事は、アデンの地方自治体が発電所用の燃料購入に1日100万ドル以上を費やしていると語った。また、サウジアラビアの燃料の寄付により、全国のガソリンスタンドへの燃料供給が安定し、ガソリンスタンドの外での長蛇の列が解消されるだろうとイエメン政府関係者らは述べた。

ハドラマウトにある、電力網や地元市場向けの燃料の輸入を担う政府機関、イエメン・オイル・カンパニーの取締役のハーリド・サルマン・アルアクバリ氏は、アラブニュースに対し、サウジアラビアが資金提供した燃料を地元の発電所に供給することで、イエメン企業の負担が緩和され、地元市場に燃料を回せるようになると語った。

石油不足により、イエメンでは不安が広がり、ガソリンスタンドの外に長い行列が生じることとなっている。

サウジの皇太子がこの助成を発表した直後、イエメン・リヤルはドルに対して反発し始めた。(SPA)

「これは、すべての県のイエメン国民と、発電所や地元市場に燃料を供給するために大きな負担を強いられているイエメン企業にとって、大きな救済となる」と、アル・アクバリは述べ、浮いた燃料代の資金は重要なプロジェクトに割り当てられるだろうと指摘した。

主にアデンやアルムカッラーなど、非常に高温多湿なイエメンの都市における長時間の停電は、ここ数年、不安や大規模なデモ発生の引き金を引くこととなっている。

火曜日には、ハドラマウトのマイファで、電力供給を求めて道路を封鎖した怒れる人々の群衆を追い払おうと治安部隊が武力を行使し、デモ参加者1名が死亡した。

デモ参加者が殺害されたことにより、県内での反発が高まり、ハドラマウト県知事は騒動を収拾させるために、大規模な集会を禁止することになった。

イエメンの暫定首都であるアデンでは、数百人が街頭に立ち、電力を含む様々なサービスの輸入を政府に要求している。

イエメンの政治アナリストらは、電力サービスが安定することで、基礎的サービスが崩れかかっていることによる政府への怒りの高まりが緩和されると考えている。

イエメンの政治アナリストであるサレハ・アル・バイダニ氏は、政府に対して、サウジアラビアの寄付から「賢く」恩恵を受け、長期にわたる停電や領土内のその他の問題に対する持続可能な解決策を見出すよう助言した。

「市民が(電力)サービスの改善を目に見えるような形で実感できれば、こうしたデモや街頭での緊張は自然に和らぐでしょう」と、アル・バイダニは述べた。

サウジアラビアの助成を受けて、イエメン・リヤルはドルやその他のハード・カレンシーに対して反発し始めた。

この2、3ヶ月間に大きく下落したイエメン・リヤルは、対ドルで値を戻し、火曜日の880に対し、水曜日には850に達した。

イエメンのエコノミストらは、サウジアラビアの助成は、リヤル下落の主な原因である燃料や商品の取引業者によるドル需要の高まりを抑制するだろうと語った。

経済メディアセンターの取締役であるムスタファ・ナスル氏は、アラブニュースに対し、サウジの助成金が配布されている間は、国は多くの燃料を輸入しないため、ドルの需要は一時的に減少するだろうと述べた。

「リヤル下落の理由の1つは、燃料を輸入するために市場からハードカレンシーを購入することです。サウジの助成金から5億ドル近くが投入されることで、ハードカレンシーの需要は緩和されるでしょう」とナスル氏は述べた。

「しかし、これは問題の一時的な解決に過ぎません。政府は、輸出の再開など、通貨価値の低下に対する持続可能な解決策を模索すべきです」と、同氏は述べた。

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