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イスラエルとの対立が激化するガザ地区での死亡者数が23人に

写真1: ガザ地区のアル・シーファ病院で、肉親の血が染み付いたパレスチナ人男性が取り乱すのを慰める人々。2019年11月13日。(ロイター社)
写真1: ガザ地区のアル・シーファ病院で、肉親の血が染み付いたパレスチナ人男性が取り乱すのを慰める人々。2019年11月13日。(ロイター社)
写真 2: 午前中のイスラエル軍による攻撃で、さらに2人のパレスチナ人が死亡した後、ガザ地区のアル・シーファ病院の遺体安置所の外で悲嘆にくれるパレスチナ人女性たち。2019年11月13日。 (AFP)
写真 2: 午前中のイスラエル軍による攻撃で、さらに2人のパレスチナ人が死亡した後、ガザ地区のアル・シーファ病院の遺体安置所の外で悲嘆にくれるパレスチナ人女性たち。2019年11月13日。 (AFP)
写真3: ガザ地区との境界線付近に配備された装甲車。2019年11月13日。 (AFP)
写真3: ガザ地区との境界線付近に配備された装甲車。2019年11月13日。 (AFP)
14 Nov 2019 02:11:53 GMT9
  • 亡くなった6人の遺体は、水曜日早朝、ガザ地区のシーファ病院にタクシーと救急車で搬送された
  • 砲火の応酬は、イスラエル軍がイスラム聖戦の司令官を殺害した火曜日に勃発

エルサレム/ガザ地区 ロイター

水曜日に行われたイスラエル軍の空爆により、ガザ地区で13人のパレスチナ人が死亡したと医療関係者が発表した。イスラエル軍がイスラム聖戦の司令官殺害を目的とした攻撃を開始して以来、2日間にわたる武力対立の激化によるパレスチナ人の死者数は23人に達した。

一晩の小康状態の後、早朝には再びロケット弾がガザ地区からイスラエルに向けて発射されると、イスラエル軍は空爆で応戦した。イスラエル軍は、イスラエル空軍が多くのロケット弾を迎撃したため、負傷者が出たとの報告はあったものの、死者は出ていないと発表した。

亡くなった6人の遺体は、水曜日早朝遺族が泣き叫ぶ中、ガザ地区のシーファ病院にタクシーと救急車で搬送された。救急隊員とその場に居合わせた人々の話では、亡くなった6人は、人口密集地域に住んでいた一般市民とのことである。

ガザ地区北部では、ラファト・アヤドさんと彼の2人の息子であるイスラムさん25歳とアミーア君9歳が、先の別の攻撃で負傷したもう一人の息子を見舞うために病院に駆けつける途中、イスラエル軍の砲火を受け死亡したと遺族が語った。

「負傷して父に電話したら、これから見舞いに行くと言っていました。二人の兄弟と一緒にバイクで病院に向かっている途中、イスラエル軍に攻撃されたのです。」と、ロアイ・アヤードさん18歳は、葬儀の席でロイターに語った。

イスラエル軍は、水曜日朝、少なくとも5ヶ所のロケット弾部隊を攻撃したと発表した。その他のターゲットとしては、ロケット弾弾頭製造施設、イスラム武装組織本部、武器保管場所などが含まれていた。 イスラム聖戦は、2人のメンバーがそれぞれ別の攻撃で死亡したことを認めている。

外交努力

ここ数ヶ月間で最悪となったこの武力対立は、イスラエル軍が火曜日に、イランを後ろ盾とする武装組織であるイスラム聖戦のバハ・アッタ上級司令官を、イスラエルに対する攻撃を企てている首謀者であるとして殺害した事をきっかけに勃発した。

アッタと彼の妻が殺害されたことへの報復として、イスラム聖戦は火曜日に約200発のロケット弾をイスラエルに向けて発射し、水曜日の朝に攻撃を再開した。

パレスチナの武装勢力の「共同司令部」は、声明の中で「いかなる状況下においても、敵が暗殺という卑怯な手段を用いることは、断じて許さない。」と、述べた。

その共同司令部には、イスラム聖戦よりもするはるかに大きな組織でガザ地区を支配しているハマスも含まれている。ハマスがイスラム聖戦に対し、イスラエルへの攻撃の継続を認めるような姿勢をとっているように見えたものの、ハマスは、ロケット弾自体は発射していなかったようである。これ以上武力対立が激化する可能性を削ぐやもしれない決断である。

2008年〜2014年までの間に3度の戦争を経てきたハマスとイスラエルは、ここ5年間、過去の対立を解消し、全面的な衝突を辛うじて回避してきている。過去においてイスラエルは、ガザ地区から発射されたロケット弾は、どの武装集団が発射したものであれ、その責任はすべてハマスにあるとしてきたが、今回はハマスを標的とするのを避けているように見える。

国連中東和平担当特別調整官であるニコレイ・ムラデノフ氏は、「ガザ地区内で、昨日、武装組織の指導者の一人が標的となって殺害された事をきっかけに起きているパレスチナのイスラム聖戦とイスラエルとの間の深刻な対立の激化を非常に憂慮している。」と、述べている。

「人口密集地にロケット弾と迫撃砲を無差別に発射したことは、絶対に容認されるものではなく、直ちに攻撃を停止しなければならない。」と同氏は語った。

サイレンと爆音

ガザ地区からロケット弾が発射されると、ガザとの境界線付近の町や、より広範囲にわたる地域のイスラエル市民が一斉にシェルターに駆け込み、ミサイルがイスラエルの高速道路や町を攻撃する中、ミサイルの襲来を告げるサイレンが北はテルアビブまで鳴り響いた。

イスラエル軍は、ガザとの境界線沿いに装甲車を集結させたものの、この段階では地上からのガザ地区への侵入は有りえなさそうであった。

ベンジャミン・ネタニヤフ首相は、イスラエル軍はイスラム聖戦の司令官を殺害したものの、より広範におよぶ戦闘には関心がないと述べた。

「我々は、対立の激化を望んでいないが、イスラエルへのあらゆる攻撃に対しては、非常に鋭敏な攻撃と対応で応戦している。 イスラム聖戦は、手遅れになってからではなく、今そのことを良く理解すべきだ。」とネタニヤフ首相は述べた。

攻撃が始まって2日目の今日、ガザ地区では、イスラエル南部の多くの学校と同様、ほとんどの学校と政府機関が閉鎖されたままであった。

イスラエルは、1967年の第三次中東戦争でガザ地区を占領したが、2005年に同地区から軍隊を撤退し、ユダヤ人入植地を撤去している。ガザ地区は、エジプトの支援を得たイスラエル軍によって封鎖されており、2007年以降はハマスが同地域を支配してきている。封鎖はガザの経済を疲弊させており、国連によると、同地域の200万人の住民は、電気、きれいな水、薬へのアクセスが制限されているという。

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