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ガザ国境における死者を伴う武力衝突、停戦に至る

イスラエルの夜間ミサイル攻撃から一夜明けたガザ地区南部の都市ハーン・ユーニスで、破壊された家屋に開いた穴を通り抜けるパレスチナ人少年(AP)
イスラエルの夜間ミサイル攻撃から一夜明けたガザ地区南部の都市ハーン・ユーニスで、破壊された家屋に開いた穴を通り抜けるパレスチナ人少年(AP)
2019年11月13日、イスラエルによるガザ地区の武装勢力の幹部を標的とした殺害作戦をきっかけに始まった激しい衝突は2日目を迎え、パレスチナ人の死者数が増加する中、収束の気配をほとんど見せなかった(アナス・ババ/AFP)
2019年11月13日、イスラエルによるガザ地区の武装勢力の幹部を標的とした殺害作戦をきっかけに始まった激しい衝突は2日目を迎え、パレスチナ人の死者数が増加する中、収束の気配をほとんど見せなかった(アナス・ババ/AFP)
14 Nov 2019 08:11:42 GMT9
  • 報道官ムサブ・アル=ベリムはエジプトの仲介による停戦は午前5:30に発効すると述べる
  • 戦闘は、イスラエルによる武装グループ上級司令官殺害を受け火曜早朝に勃発した

ハゼム・バルーシャ

ガザ:パレスチナ武装グループ「イスラム聖戦 (Islamic Jihad)」とイスラエルは木曜日ガザ地区国境における戦闘を停止することで合意した。これによりパレスチナ側に34人の死者と100人を超える負傷者を出した2日にわたる衝突に一応の終止符が打たれた。

イランが支援する組織のガザ地区最高司令官をイスラエル軍が空爆により殺害したことが引き金となり始まった戦闘は、エジプトの仲介によって開始から48時間で停戦となった。

火曜早朝、イスラエル軍の攻撃により「イスラム聖戦」の武装組織アル・クッド旅団 (Al-Quds Brigades) 上級司令官が死亡。これを受けてイスラム聖戦とイスラエル軍の戦闘が始まった。

情報省によると、イスラエル軍の爆撃によりパレスチナ人の家屋190棟が破壊され5棟は完全に倒壊した。少なくとも15の学校も爆撃の被害を受けた。

ガザ地区には静けさが戻りパレスチナの人々は安堵の表情を浮かべているが、このような衝突はこれで終わりにはならないのではないかとの不安も抱えている。

サマヤ・アル=ルバイ (55) はこう話した。「私たちは戦闘が激化し鎮静化するという繰り返しの中で暮らしています。ガザでの生活は厳しいものです。このような危険に囲まれた場所では誰も普通に生活することなどできません」

「夫と私と子供たちの内4人は爆撃やロケット弾が怖くて2日間家に閉じこもっていました。恐怖のないまともな暮らしがしたいです」と彼女はアラブニュースに語った。

人道危機、厳しい経済状況が続くガザ地区の住民たちは、また新たな戦闘が起こるのではないかと恐れている。

ハマスとその武装組織はイスラエル軍の今回の攻撃に対し沈黙を守っている。そのためイスラエル軍はイスラム聖戦に的を絞った作戦を継続している。

イブラヒム・アル=ダナフ (28) はこう言う。「今回の衝突は終わりましたが、ガザ地区の苦しみは終わるでしょうか?もちろんノーです。仕事も、経済活動も、安定もなく、運動の自由も制限されています。爆撃はいつ再開されてもおかしくありません」

「ガザ地区に必要なのは、どの政治的グループの独断も許さず対外政策の一致を見出すことによって国民の間に連帯を生み出し、若者の未来を探り、イスラエルの暴力を終わらせることです」

政治アナリスト ハニ・ハビブは、イスラエルによる封鎖、ファタハとハマスの政治的分裂が続く限りガザ地区の「困難な政治状況と人道危機による苦しみは終わらないだろう」と語る。

 彼は、今回の衝突、その前の3回の衝突はガザの人々にとって何の益にもならなかったとして、「それどころか、衝突のもたらした結果はいろいろな意味で破滅的なものだ」と語った。

イスラエルは木曜日、ガザ地区のエレス国境地点を再び開放。ケレム・シャロム物流国境は日曜日に開放される予定である。

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