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アラブ連盟事務局長、地域の戦争をなくすために国連との戦略的パートナーシップを呼びかけ

アラブ連盟のアハマド・アブル・ゲイト事務局長。(AFP通信)
アラブ連盟のアハマド・アブル・ゲイト事務局長。(AFP通信)
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20 Apr 2021 05:04:04 GMT9
20 Apr 2021 05:04:04 GMT9
  • 国連安保理が会合で世界の平和と安全を維持するために中東の諸組織との協力関係を強化する方法を検討した
  • 紛争地域に最も近い組織は、紛争を理解し、その防止や解決に貢献できる立場にあることを安保理理事国が指摘した

エフレム・コサイフィ

アラブ連盟のアハマド・アブル・ゲイト事務局長は月曜日、国連安保理やその他の国連機関に対し、アラブ連盟とその加盟国との戦略的パートナーシップを築くよう求めた。

その目的は、「アラブ地域が直面している問題に対する本当の理解と、国際的な平和と安全を維持するという国連の第一の責任に基づいて、アラブ地域の安全、安定、持続可能な開発」のための基盤を築くことだとアブル・ゲイト氏は述べた。

アブル・ゲイト氏の呼びかけは、月曜日に開催された国連安保理のハイレベル会合で行われた。この会合では、世界の平和と安全を維持するための取り組みの一環として、国連と地域・準地域組織との協力の重要性が強調され、これをどのように強化できるかが検討された。

この会合は、今月国連安保理の議長国を務めるベトナムのグエン・スアン・フック国家主席が、紛争予防と解決のための信頼醸成と対話を促進する方法を議論するために招集した。

議長国ベトナムは会合後に発表された声明で、国連安保理はその憲章に基づき、国際的な平和と安全を守ることを第一の責務としていると指摘した。声明はまた、「地域・準地域組織は、地域に関する知識を持っているため、武力紛争の根本原因を理解するのに適した立場にあり、それは紛争の予防や解決に影響を与える取り組みを行う上で有益だ。(それらの組織はまた)それぞれの地域における関係者の間で信頼、信用、対話を促進するのにも適した立場にある」と述べている。また、地域組織は、紛争後の復興や持続可能な開発に重要な役割を果たしていると指摘している。

声明では、紛争の平和的解決へのコミットメントが再確認された。声明は、「地域の国々に対し、対話、和解、協議、交渉、周旋、調停、そして紛争の司法的解決を通した相違点の平和的な解決を働きかけることにより、また、関係者との十分な関与を通じた信頼醸成措置と政治的対話を促進することにより」、地域・準地域組織の可能性を活用することを安保理理事国に呼びかけた。

2016年に就任して以来、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、このような協力を重要な優先事項としている。グテーレス氏は、1945年以降、協力は大きく拡大し、現在では「予防外交、調停、テロ対策、暴力的過激主義の防止、平和維持、平和構築、人権の促進、『女性・平和・安全保障』アジェンダの推進、気候変動対策、そして昨年からは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックへの対応」を網羅していると安保理理事国に語った。

グテーレス氏はまた、対立する当事者間の交渉を促進するために効果的な協力が行われた例として、スーダンの文民が主導する暫定政府の樹立における国連・アフリカ連合(AU)・エチオピア間の協力を取り上げた。スーダンの暫定政府では女性や若者が極めて重要な役割を果たしている。このような協力関係が、2020年10月のジュバ和平合意の締結につながったとグテーレス氏は付け加えた。

グテーレス氏はまた、「リビア人主導で、リビア人独自の対話プロセスと移行」を支援するための、国連・AU・アラブ連盟・EU間の協力関係(リビアカルテット)の重要性を強調した。「このような協力を行うことで、停戦の実施と国民和解の促進を引き続き支援することができる」とグテーレス氏は付け加えた。

一方、アブル・ゲイト氏は、「戦争、武力紛争、難民、国内避難民、多くのアラブ諸国の安全と安定に影響を与えるその他の構造的な課題」がすでに重くのしかかるアラブ地域にとって、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが新たな問題となっていると述べた。

アブル・ゲイト氏は、パンデミックによる影響とその人的、経済的、社会的コストに対処するための取り組みにおいて、国際的な連帯を最大限に生かすよう安保理理事国に求めた。アブル・ゲイト氏はまた、紛争中の国の社会構造を引き裂くような戦闘を終わらせることが不可欠だと述べた。

シリアでの戦争と、「この重要なアラブの国に対する前例のない外部および地域からの介入」を強調したアブル・ゲイト氏は、次のように警告した。

「シリアをこの恐ろしい紛争の悪循環から救い出せる可能性は、時間の経過と共に失われ続けている。そして、戦争で破壊されたものを再建するためのコストは日に日に増加し、根本的かつ完全な政治的解決がなされない限り、不安が近隣諸国に広がるリスクは残る」

アブル・ゲイト氏はまた、イエメンで続く世界最悪の人為的な人道危機について、「フーシ派の非妥協的態度と、過去数年間に行われたすべての和解の試みをフーシ派が拒否したことが原因となっている。和解の試みの最も新しいものはサウジアラビアのイニシアチブで、アラブ世界に支持されている。加えて、イエメンを湾岸の近隣諸国や地域のエネルギーと海路の安全を脅かすためのプラットフォームにしてしまった地域的な介入の結果だ」と述べた。

アブル・ゲイト氏はまた、「国連ミッションやカルテットとの協調作業を通じて、リビアの兄弟たちの(12月の国政選挙に向けた)行進に加わるために、より一層連携して取り組むよう」求めた。

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