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ガソリン価格の上昇を巡り、イランの主要都市で暴力的な抗議活動が広がる

1:デモは、ガソリンの補助金を打ち切ることにした金曜真夜中のロウハニの決定から数時間後に、十数都市で発生した。(AFP通信)
1:デモは、ガソリンの補助金を打ち切ることにした金曜真夜中のロウハニの決定から数時間後に、十数都市で発生した。(AFP通信)
2:2019年11月16日、イランのテヘランで、幹線道路上で車を停め、ガソリン価格の上昇に抗議する人々。(ロイター通信)
2:2019年11月16日、イランのテヘランで、幹線道路上で車を停め、ガソリン価格の上昇に抗議する人々。(ロイター通信)
17 Nov 2019 06:11:44 GMT9
  • 人々が燃料貯蔵庫に火を付けようとした中部の都市シールジャーンでは、抗議参加者1人が死亡
  • アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、イランの抗議活動を支持するツイート

アラブニュース

テヘラン:イランが政府の定めるガソリン価格を50%引き上げたことに怒った抗議活動家らが、主要都市の道路を封鎖し、少なくとも1人が死亡したとされる暴力行為の中で発生した銃撃戦により一時中断されたデモの夜が明けた土曜日には、時折警察との衝突が発生した。

死者が出たのは、中部都市シールジャーンで、同都市では人々が燃料貯蔵庫に火を付けようとしたものの、警察やイスラム革命防衛隊、バスィージの民兵を含む治安部隊に阻止されたと、準公式報道機関ISNAが報じた。

ドナルド・トランプ大統領が、イラン政府が世界の大国と結んだ核合意からアメリカを一方的に離脱させた後、イラン政府が同国を締め付けるアメリカの制裁に打ち勝とうと苦悩する中、この抗議運動はイラン政府に新たな圧力を加えることになった。

概ね平和的であったとはいえ、デモは度々暴力的なものとなり、オンライン上の映像では、警察官がデモ隊に向けて催涙ガスを発射し、暴徒が火を放つ様子とされるものが映っていた。

ハーバード大学で学んだイラン系アメリカ人政治科学者のマジッド・ラフィザデー博士はアラブニュースに対し、イスラム共和国は、体制の石油輸出の大幅な落ち込みにより直面している収益減の埋め合わせを急いでしようとしているようだと語った。「アメリカによる同国に対する制裁は、この国を支配している聖職者たちに著しい圧力をかけたのです」。

彼は次のように語った:「イラン政府は、幅広い地域で有する軍事的影響力に資金をつぎ込み、イエメンからレバノンに至るまで、あらゆる場所に存在する代理部隊を支援するために、収益を生み出そうと、自暴自棄になっています」。

「イランにおける現在の抗議活動は、聖職者が占める体制への幅広い不満の表明であることを指摘するのは、重要なことです。2月の議会選挙を前にしたハサン・ロウハニ大統領にとっての政治的リスクを表しているのと同時に、仕事がなく、国の通貨リヤルが暴落している中で、貯蓄が消えてなくなるのを目にしてきた8,000万人のイラン国民の間の幅広い怒りも示しているのです。

デモは、イランの貧しい人々のための補助金を賄うためにガソリンの補助金を打ち切ることにした金曜真夜中のロウハニの決定から数時間後に、十数都市で発生しました」。

同国のガソリンは、ガソリン1リッターの最低価格が1万5,000リヤルに急上昇した新しい価格でも、世界最安値水準にとどまっている。前日から50%の上昇だ。これは1リッター13セント、あるいは1ガロンおよそ50セントに相当する。比較すると、アメリカのレギュラーガソリン1ガロンの価格は2.6ドルだ。

イランは金曜日、現金による給付を必要とする国民を支援することを目的とした措置だとして、ガソリンの配給を課し、販売価格を少なくとも50%上昇させた。

ハサン・ロウハニ大統領は土曜日、現在75%のイラン国民が「追い詰められて」おり、石油価格の上昇で得た増収益は、国庫ではなく、この人々に回ることになると語った。

ロウハニは、12月に燃料価格を上昇させようとしたが、イランを何日にもわたって動揺させた抗議活動を受けて、議会に阻止された。当時の議長はこの動きを不人気だとして排除し、「国益にそぐわない」と語った。

配給と価格の引き上げは、イランが2月に議会選挙に向けた準備を進める繊細な時に起きた。

この措置により、年間25.5億ドルがもたらされる見込みだと、同国の計画・予算機構トップのモハマド・バケール・ノバクートが国営テレビで語った。

給付を必要としている約6,000万人のイラン国民は、夫婦の場合4.68ドル、5人以上の家族の場合には17.46ドルを少し上回る額の範囲の給付を受けることになると、彼は語った。

この枠組みの下では、燃料カードを持つドライバーは、毎月購入するガソリンの最初の60リッターについては、1リッターあたり13セントを支払い、さらに購入する場合には、1リッターあたり71セントかかる。

多くの人々が非公認のタクシードライバーとして何とか生きている国では、安いガソリンは生まれた時から得られる権利だと考えられている。イランは世界第4位の石油備蓄を誇る国だ。何ヶ月間も予想されていたとはいえ、それでもこの決定は多くの人々の意表を突き、すぐさま一晩中続くデモに火を付けた。

https://twitter.com/SecPompeo/status/1195800549322625025?s=20

金曜夜には、テヘランから800km南東に位置する都市、シールジャーンで暴力が発生した。国営の報道機関IRNAは、「デモ隊が石油貯蔵庫に火を付けようとしたが、警察に阻止された」と報じた。

詳しくは述べていないが、イランのSNSで出回っているオンラインの映像では、背後でサイレンが鳴り響く中、貯蔵庫に火を放つ様子とされるものが映っていた。別の映像には、大勢の群衆が「ロウハニ、恥を知れ!一人で国から出て行け!」と叫んでいる様子が映っていた。

シールジャーンの内務省当局者モハンマド・マフムーダバディはその後国営テレビで、警察とデモ隊の間で撃ち合いになり、複数人が怪我をしたと語った。

これは「平穏な集会」で、「公有の財産を破壊し、給油所に危害を加え、石油会社の主要な燃料貯蔵庫に入って火を付けたかった」一部の人間に利用されたのだと、彼は語った。

シールジャーンの他には、アバダーン、アフワーズ、バンダレ・アッバース、ビールジャンド、ガチサラン、ホッラムシャフル、マーフシャフル、マシュハド、シーラーズなどを含むその他の都市でも、金曜夜に「散発的」な抗議活動が行われたと、国営報道機関IRNAが発表した。

しかし、これらはほとんどが道路封鎖に限られ、真夜中までには終了したとIRNAは報じた。

ドルード、ガルムサー、ゴルガーン、イーラーム、カラジュ、ホラマーバード、メフディーシャフル、カズビーン、ゴム、サナンダジュ、シャールード、シーラーズなどの都市では、土曜日に新たなデモが行われたと、IRNAは発表した。

「ドライバーの中には、車のエンジンを切り、渋滞を引き起こすことで、新たなガソリン価格に抗議した人がいました」と、この公式報道機関は付け加えた。

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