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イスタンブールの野党市長、政府キャンペーンの後 投獄か

エクレム・イマームオール氏 (写真/ツイッター)
エクレム・イマームオール氏 (写真/ツイッター)
イスタンブールのエクレム・イマームオール市長。(AFP)
イスタンブールのエクレム・イマームオール市長。(AFP)
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30 May 2021 07:05:11 GMT9
30 May 2021 07:05:11 GMT9

アラブニュース

  • エクレム・イマームオール氏の人気急上昇はトルコの支配者に脅威を与えた
  • 反対派への数ヶ月間に渡る攻撃は当局の弱さを露呈している、と専門家は言う

アンカラ: イスタンブール市長でありトルコ野党の大物、エクレム・イマームオール氏は、彼の急増する人気がその支配に脅威を与えると恐れる当局によって、数ヶ月間の調査キャンペーンにさらされたのち、実刑判決に直面している。

分断を癒そうと試みる若く野心的な政治家、イマームオール氏は「すべてが素晴らしくなるだろう」という彼のスローガンを基に、トルコの首都で団結のメッセージを広めた。

彼は5月上旬、オスマン帝国期のスルタン廟を訪れた際、両手を背後に組んでいたという「失礼な」行動が調査の対象となった。

別の調査では、黒海とマルマラ海を結ぶ人工水路、政府のカナル・イスタンブール・メガプロジェクトに対する彼の反対立場について取り調べられた。イスタンブール市長は、このプロジェクトはほんの一握りの人々と企業にしか利益をもたらさないだろうと警告している。

現在、トルコ検察当局は、2019年3月に第1回地方選挙中止後に行った演説で、選挙当局を侮辱したとして、イマームオール氏に懲役4年の刑期を求めている。

演説の中で、彼は選挙中止はトルコの国際的威信を損なったと主張し、その決定を「不合理」と切り捨てた。

有権者たちは、中止に続いて、与党・公正発展党の詐欺疑惑を押し込む形で行われた選挙で、その年の6月についに投票所に向かったのだ。

イマームオーム氏をめぐる新しいケースはイスタンブール裁判所に受理され、審理を待っている。

イスタンブールにあるコク大学の政治学者ムラト・ソマー教授は、反イマームオール・キャンペーンは、国民の支持が薄れる中で増加した「非民主的な手段を通じても政権を維持する」という「与党ブロックの違憲的試み」であると語った。

またこれに対し、「与党連合は、過去過半数の支持を失ったときのように、抑圧と恐怖を使って政権を維持する努力を増している」と付け加えた。

最新の世論調査によると、2019年6月よりトルコ最大の都市を統治してきたイマームオール氏は、2023年に予定されている選挙でトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領に対敵する最も強い候補者とされている。

ソマー教授は、審理と裁判は、当局による増大する権威主義的キャンペーンの一部であるという。その中には、野党指導者に対する政府承認の暴力、違憲なデモ禁止令、市長任命において政府選出の評議員たちへの違法な罷免と代替、多数の裁判ケースと批判するものへの投獄を含む。

「こうした増大する抑圧的な手法は、最近の調査と明らかに結びついているようです。さらに、彼らは最近、権威主義的な中で政府とつながりのあるマフィア指導者のYouTube証言によって暴露された、増殖する内部紛争を牽制することを目的としているのかもしれません」と、彼は述べた。

しかしながらソマー教授は、その戦略は、批判側だけでなく、支持者の目にも政府の弱さと絶望的イメージを露呈するものであり、裏目に出る可能性があると付け加えた。

「もし野党が団結して行動し、民主主義と法律を遵守し続け、有望な改革派代替としてのイメージを構築し続けられれば、早期の選挙に対する国民の圧力が強まり、政権交代の見通しが高まるかもしれない」と彼は語る。

野党共和人民党(CHP)のイスタンブール委員長で、イマームオール氏の親しい同志であるカナン・カフタンシオグル氏も、2年以上にわたり「テロ的プロパガンダ」と「国民の憎悪を引き起こしている」として起訴されている。彼女には現在、約10年の実刑判決が取り沙汰されている。

セントローレンス大学、中東史のハワード・アイゼンスタット准教授は、野党の人物に対する検察側の嫌がらせは、近年トルコの政治生活の「悲しい定石」になっていると語った。

「そのうちのいくつかは中央で画策されているが、いくつかは政府への忠誠心を示そうとしている個々の検察官から行われているのではないかと思う」と彼はアラブニュースに語った。

アイゼンスタット准教授は、「イマームオール疑獄は、政府が野党に嫌がらせと沈黙させるため、司法の支配権を悪用する「氷山の一角」である」と付け加えた。

「これまでのところ、かれらの一の標的は親クルドの国民民主主義党でしたが、この新しい取り調べは共和人民党(CHP)に対する圧力拡大キャンペーンの一環なのです。」

 

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