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イスラエル新政権、極右派のデモで早速の試練

2021年5月10日に撮影された写真。「エルサレムの日」パレードでイスラエル国旗を振るイスラエル人達。(AP File)
2021年5月10日に撮影された写真。「エルサレムの日」パレードでイスラエル国旗を振るイスラエル人達。(AP File)
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16 Jun 2021 01:06:11 GMT9
16 Jun 2021 01:06:11 GMT9
  • ユダヤ人超国家主義者が東エルサレム占領地区へのデモ行進を準備している
  • パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相はデモを挑発として糾弾した

エルサレム:イスラエルで発足したばかりの新政権は、火曜、早速の試練に直面した。ユダヤ人超国家主義者が東エルサレム占領地区へのデモ行進を準備し始め、国連は煽られた緊張が不安定なガザ停戦を脅かすと警告した。

ここ数ヶ月、アラブ諸国ではユダヤ人極右主義グループのデモ行進による緊張が高まっており、その結果、アル・アクサモスクの敷地内でのいざこざへの警察の介入が、2014年以来最多の死傷者を出したイスラエル治安部隊とパレスチナ人の武力衝突に火をつけることとなった。

「旗の行進(March of the Flags)」と呼ばれる行進は1967年のイスラエルの東エルサレム占領の記念日を祝うもので、そもそもは先週の木曜日に予定されていたが、イスラエル治安部隊がルートに反対したこととガザを支配するイスラム組織ハマスからの警告により進行が遅れていた。

ベテランのベンヤミン・ネタニヤフ元首相率いる前政権はデモ行進の日程を火曜日まで延期した。この決断は月曜の夜、新政権を率いるナフタリ・ベネット首相によって確定された。

「デモ行進をする権利はすべての民主主義に通ずる権利だ」と、オメル・バル=レフ国内保安大臣は語る。

「治安部隊は準備ができている。共存の微妙なバランスを保つために、できる限りのことをするつもりだ」

デモの主催者側は14:30(GMT)に始まる行進においてアラブ人住民との衝突を避けるために最適なルートについて治安部隊に相談したと政府は発表した。

だが、パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相はデモを挑発として糾弾した。

「占領されたエルサレムで明日行われようとしている過激派のイスラエル入植者の『旗の行進』を許可するという占領軍の意図は、危険な影響を及ぼしかねないと警告する」と、シュタイエ首相は英語でツイートした。

シュタイエ首相は、行進は「パレスチナ人、エルサレムとその聖域に対する挑発と攻撃であり、廃止されるべきだ」と述べた。

イスラエル新首相は自身もユダヤ人国家主義者だが、率いる連立政権には中道派や左派の政党、そして歴代初のアラブ系背いつも含まれる。

日曜、ネタニヤフ首相を退陣に追い込んだ歴史的信任投票でぎりぎり過半数で勝利した新政権にとって、イスラム保守派のラアム政党の議員四人の支持票は欠かせなかった。

トール・ウェネスランド国連中東特使は、11日間続いたガザ地区内と周辺の激しい戦いの後、5月21日にようやく実現した停戦への悪影響を避けるための責任を持った言動をあらゆる方面に対して呼びかけた。

「国連とエジプトが積極的に停戦を固める方向で動いている現在、治安、政治面において非常に不安定でデリケートな状況が続くエルサレムで、新たに緊張が高まっている」と、ウェネスランド国連中東特使は語った。

「関係方面すべてに責任を持った言動をし、さらなる衝突につながるような挑発を避けるように呼びかけてほしい」

アメリカ大使館は、デモと「デモに反対するデモの可能性」を案じ、職員に東エルサレム中心の城壁に囲まれた旧市街に入ることを避けるよう促した。

国際社会の大半は1967年の六日戦争以来のイスラエルによる東エルサレム占領を認識しておらず、エルサレムの最終的な状況は両サイドの交渉で決められるべきだと考えている。

パレスチナ人はエルサレムの東側地区を将来的なパレスチナ国家の首都になると主張している。

旧市街のまさに中心にあるアル・アクサモスクはイスラム教第三の聖地であり、宗教にかかわらずすべてのパレスチナ人の国家の象徴だ。

ユダヤ人もアル・アクサモスクをユダヤ教の聖地として見なしているが、長年の慣習により、ユダヤ人は敷地内で祈ることは許されておらず、イスラエルのユダヤ人政治家の訪問がしばしば騒乱を呼んでいる。

当所、デモが先週に予定されたことが発表された時、ハマスの最高幹部カリル・ハイヤ氏は2021年5月10日に起こった武力衝突と同じくらいの暴動を引き起こしかねないと警告した。

「占領軍(イスラエル)に対し、デモ行進を東エルサレムとアル・アクサモスクに近づけないよう警告する」と、ハイヤ氏は発表した。

「木曜日を5月10日の二の舞にしないためにも、我々のメッセージがはっきりと伝わっていることを願う」

先月の衝突はハマスが東エルサレムの紛争地帯からイスラエルの治安部隊を退去させるよう、期日を突きつけ、最後通告が無視された時にイスラエルへのロケット弾の一斉射撃を行ったことから始まった。

5月10日から21日の間に行われたイスラエルのガザ地区への攻撃で、兵士を含むパレスチナ人260名が死亡したとガザ当局は発表した。

イスラエルでは、ガザからのロケット弾により兵士を含む13名が死亡したとイスラエル治安部隊は発表した。

AP通信

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