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イエメン人、国連によるフーシ派のブラックリスト追加を歓迎

アラブ連合軍の支援を受けるイエメンの戦闘員が、マアリブ近郊のカッサラ戦線におけるフーシ派の部隊との激しい衝突で銃を撃っている。(資料/AP通信)
アラブ連合軍の支援を受けるイエメンの戦闘員が、マアリブ近郊のカッサラ戦線におけるフーシ派の部隊との激しい衝突で銃を撃っている。(資料/AP通信)
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22 Jun 2021 11:06:55 GMT9
22 Jun 2021 11:06:55 GMT9
  • イランの支援を受けるフーシ派が「子どもに対する犯罪」で非難される

サイード・アル・バタティ

アレクサンドリア:国連は、戦争で荒廃したイエメンで子どもたちを殺害したとして、イランの支援を受けるフーシ派をブラックリストに追加した。様々な立場のイエメン人がこの動きを歓迎し、フーシ派に対してテロ組織への指定を含むさらに厳しい措置を取ることを改めて求めた。

長らくフーシ派による子どもたちへの虐待を名指しで非難することを主張してきたイエメンの政治家、人権活動家、ジャーナリストらは、国連によるフーシ派の排斥措置を賞賛し、各国に追随を呼びかけた。

フーシ派の人権侵害を記録しているイエメンのNGO、イエメン人権と自由のネットワーク(Yemen Human Rights and Freedoms Network)の責任者を務めるモハメド・アハメド・アル・オムダ氏は月曜日にアラブニュースの取材に答え、「過去6年間にフーシ派民兵組織が民間人に対して行った重大な侵害行為は人道に対する戦争犯罪に該当する。こうした行為は主に子どもに対して行われた」と話した。

「今回のブラックリストへの追加は、イエメンの子どもたちに対する犯罪や侵害行為をやめるようフーシ派に圧力をかけることができる唯一の武器だ」とアル・オムダ氏は述べた。

ディベロップメント・メディア(Development Media)のフアド・アル・マンスーリ代表は、地域および国際的な安全保障を脅かしているとして、フーシ派をテロ組織に指定することを求めた。

「様々なテロリズムの定義があることに照らせば、フーシ派民兵組織はテロ組織だと言える。フーシ派は、イエメンとサウジアラビアで民間人が集まる場所を標的にし、国際航路を脅かしている」とアル・マンスーリ氏はアラブニュースに語った。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は金曜日、子どもを殺傷したとしてフーシ派を国連のブラックリストに追加した。

イエメンの反政府勢力フーシ派は2016年以降、子どもを虐待したり軍務に就かせたりしたとして、「子どもと武力紛争に関する国連事務総長報告書」に記載されている。

イエメンの人々は、フーシ派をブラックリストに追加した国連に感謝すると共に、フーシ派の子どもに対する犯罪について国際社会の関心を再び集めるため、ソーシャルメディア上での運動を開始した。

死傷した子どもたちの生々しい画像を共有した数十人のイエメンの活動家、ジャーナリスト、政治家、個人は、数千人のイエメンの子どもたちを殺傷し、数千人以上を強制的に軍務に就かせた責任は、フーシ派にあると指摘した。

タイズに駐留するイエメン軍のアブドル・バシット・アル・バヘル報道官は、フーシ派は「イエメンの子どもたちを洗脳する」のと同時に、国内の住宅地に激しい爆撃を加え、イエメンの若者を殺していると述べた。

「フーシ派はイエメンの子どもたちを物理的に武器で殺しているが、恨みや憎しみで過激な世代を育てることで、精神的にも子どもたちを傷つけている」と、この軍関係者はツイッターで述べた。

イエメンのジャーナリストで人権活動家のエヤド・アル・シャラベ氏は、「フーシ派は支配下にある子どもたちを洗脳することによって虐待している。子どもたちはその後、訓練を受けて戦場に送り込まれる」と話した。

一方、政府の支配地域に住む子どもたちは、家や学校がミサイルや迫撃砲弾、爆発物を搭載した無人機の標的となっている。

「子どもたちは攻撃の対象から除外されていない。子どもたちは火葬炉に追いやられ、フーシ派の支配下にない地域では爆撃を受けている」と、この活動家は述べた。

イエメンの活動家たちは、フーシ派によって銃殺された子どもたちの画像を共有し、2020年8月、タイズ市で水を汲んでいた8歳のルワイダ・サレさんがフーシ派の狙撃手によって殺害され、救出に駆けつけた人々も発砲されたと述べた。

また、6月6日に中部のマリブ市で行われたフーシ派による破壊的な攻撃で焼死したリアンさん(5歳)の画像を投稿するイエメンの活動家もいた。

今回のブラックリストへの追加は、イエメンの子どもたちに対する犯罪や侵害行為をやめるようフーシ派に圧力をかけることができる唯一の武器だ。

モハメド・アハメド・アル・オムダ

「フーシ派に人間性があると語る者は皆、非人間的だ。犯罪者であるフーシ派は子どもたちに何を求めているのか」と、マアリブを拠点とするサバ通信メディアセンターの責任者、ワリド・アル・ラジヒ氏はツイッターで問いかけた。
人権団体は、2015年初頭から、フーシ派により数千人のイエメンの子どもたちが死亡し、障害を負い、強制的に軍務に就かされ、虐待を受けている状況を監視してきた。

イエメン人権と自由のネットワークは、2017年1月から2021年3月までの間にフーシ派の弾圧や軍事作戦によって4万3000人以上の子どもたちが避難する中、イエメンの子どもたちに対してフーシ派が行った2万977件の虐待を記録した。

フーシ派の侵害行為には、殺害、拉致、強制的な立ち退き、子どもの教育や医療の剥奪などが含まれている。前述の4年間で、フーシ派は31人の幼児を含む343人の子どもを殺害した。

この団体によると、フーシ派の迫撃砲により287人の子どもが死亡し、地雷により136人が死亡した。

また、同団体によると、フーシ派との戦闘中に1716人の子どもが死亡したという。

イエメンの紛争アナリスト、ナドワ・アル・ダウサリ氏は、フーシ派がブラックリストに追加されたことは、フーシ派の犯罪が国際的に認められたと考えるイエメン人に歓迎されていると述べている。

「フーシ派は子どもを軍務に就かせ、大規模な洗脳を行い、敷設した地雷で数千人(ほとんどが子ども)を死亡させたり障害を負わせたりしているが、これらは、フーシ派が組織的に子どもを虐待し、次世代の未来を破壊している実例のほんの一部に過ぎない」と、このアナリストは指摘する。

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