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レバノンでデルタ株の新型コロナウイルス感染が増加

2日金曜日、1日当たりの最新の新型コロナウイルス感染者数は210人となった。そのうち、国内感染者は147人、残りは国外からの渡航者だった。(AFP通信/資料写真)
2日金曜日、1日当たりの最新の新型コロナウイルス感染者数は210人となった。そのうち、国内感染者は147人、残りは国外からの渡航者だった。(AFP通信/資料写真)
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04 Jul 2021 04:07:14 GMT9
04 Jul 2021 04:07:14 GMT9
  • 病院長はハードカレンシーを呼び込むための「門戸開放政策」が感染拡大に寄与していると警鐘を鳴らす

ナジア・フッサリ

ベイルート:レバノンでの新型コロナウイルス(COVID-19)のデルタ変異株感染者数は、この2日間で9人に上った。暫定政府のハマド・ハッサン保健相は3日、感染者は「国外由来」だと述べ、次のように付け加えた:「同省の取り組みは、感染の封じ込めに重点を置いている」。

ハッサン氏は、全てのレバノン人に対してワクチン接種を呼びかけ、「予防対策を忠実に守ることで、レバノン国民がこれまで成し遂げてきたことを続けていただきたい、これは全員の義務である」と訴えた。

レバノンではここ数週間、新型コロナウイルスの1日あたりの感染者数が著しく減少しており、ヨーロッパの複数の国々は渡航情報を変更している。

2日金曜日、1日当たりの最新の新型コロナウイルス感染者数は210人となった。そのうち、国内感染者は147人、残りは国外からの渡航者だった。死者は2人に留まり、人工呼吸器を付けているのは僅か15人だった。

しかし、保健省の統計によると、国のワクチン接種プラットフォームに登録したレバノン人の数は僅か27%となっている。1回目の接種を受けた人の割合は20.5%に達し、他方で2回目の接種を受けた人は現在10.4%となっている。

一方、ベイルートのラフィク・ハリーリ国際空港では、夏休みを過ごすために国外から異例の数のレバノン人が帰国ししており、これにより当局は、ウイルスの伝播を抑制すべく、厳しい対策を講じることになっている。

医療関係者らは、不十分なスクリーニングと相まって人の流入が続くと、感染者の増加につながる可能性があると、警鐘を鳴らしている。

感染症の専門家、エイド・アザール博士は、次のように語った:「2020年6月と2021年6月では(状況に)類似性があります。人々は長い期間を経て、夏(の休暇)を過ごしに来ています」。

「デルタ株はレバノンに浸透し始めており、監視にプロ意識が欠ける状態が続くのは、受け入れられないことです」。

ハリーリ大学病院の院長であるフィラス・アル・アビヤド博士は、次のように述べた。「レバノンは現在、ハードカレンシーを呼び込もうと、門戸開放政策を実施しています」。

コロナウイルスワクチン国家管理委員会委員長のアブドゥル・ラフマーン・ビズリ博士博士は、アラブニュースに対し、次のように語った:「デルタ株が同国に入ってきたのを明らかにしたのは、ベイルート・アメリカン大学の研究所でした」。

「それまでにも感染者が入り込んでいたのかもしれませんが、私たちにはわかりませんでした。つまり、デルタ型の感染がどの程度広がっているかを確認するまで、その問いに確証は持てないということです。この変異株は、ウイルスの自然突然変異で生まれたものです」。

ビズリ氏は次のように付け加えた:「我々は、プラットフォームに登録している若者に狙いを定めています。市民100万人が登録していますが、我々はまだ彼らを対象にしたことはありません。我々が提供しているワクチンは、新しい変異株の予防には十分です」。レバノン議会の保健委員会委員長のアッセム・アラジ議員は、次のように語った:「この変異株は100ヶ国で確認されており、レバノンもそのうちの1つです。予防対策を忠実に守ること、ワクチン接種活動のペースを上げること、レバノンへの入国を規制すること、PCR検査の結果が出るまで自宅隔離を行うことが求められます。これらは国を守るために不可欠です」。

アル・アビヤド氏もこの状況に懸念を示した。同氏はアラブニュースに対し、次のように語った:「入院者数が増加し始めています。昨日(2日)、ハリーリ大学病院での陽性率は4%で、ここ数週間で最も高い率となりました。ワクチン接種を全て終えていた医療従事者の間でも、新たに2人の感染が記録されています」。

アル・アビヤド氏は、「病院で陽性と診断された新規感染者のほとんどは、ワクチンを受けていない若年層」だと指摘した。

同氏はまた、「活動が増えれば、さらなる感染拡大につながる」と警鐘を鳴らした。「感染者数が増え始めた時には、感染を再びコントロールするには手遅れです。ワクチンだけで救うことはできません」。

昨年2月、レバノン政府は国民へのワクチン接種を開始し、現在も50歳以上の人に的を絞っており、ワクチン接種登録をしていない遠隔地を対象に、週末に長時間に及ぶ接種会を開催している。

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