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イラン司令官、イラクでの会議で米軍に対するエスカレーションを要求と情報源

今回の会談に関する質問に対して、イラク政府や首相官邸から即座の回答は得られなかった。(ロイター通信)
今回の会談に関する質問に対して、イラク政府や首相官邸から即座の回答は得られなかった。(ロイター通信)
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13 Jul 2021 05:07:59 GMT9
13 Jul 2021 05:07:59 GMT9
  • 関係者は、この件については慎重を期すため匿名を条件にロイターの取材に応じた

バグダッド:イラン革命防衛隊の上級司令官が、先週バグダッドで行われた会合で、イラクのシーア派民兵に米軍ターゲットへの攻撃を強化するよう要求したと、この会合に詳しい民兵筋3人とイラクの治安筋2人が語った。

イラクとシリアの米軍は、革命防衛隊のホセイン・タエブ情報局長率いるイラン代表団の訪問後、何度も攻撃を受けた。この訪問は、6月27日にシリアとイラクの国境でイランが支援する民兵に対するアメリカの破壊的な空爆が行われた後に行われた。

イラン側は、報復を奨励する一方で、大きなエスカレーションを避けるために、イラク側にやり過ぎないように助言したと、会議に参加した3人の民兵関係者が語っている。

しかし、イラン側はシリアの米軍に報復することで攻撃の幅を広げるよう助言したと、3人の民兵関係者のうちの1人である地元民兵の上級司令官が会議の内容を語っている。

今回の急な激化は、2015年のイラン核合意を復活させるための外交的努力に大きな相違がある中で起こった。この合意はドナルド・トランプ前米大統領によって放棄されたものであり、イランは主要な石油輸出の再開を可能にするためにこの合意の復活を望んでいる。

タエブ氏の訪問についてイラン当局から説明を受けた同地域の高官によると、タエブ氏は訪問中に複数のイラクの民兵指導者と会い、「イラクに駐留する米軍が同地域から撤退するまで圧力をかけ続けるという最高指導者のメッセージ」を伝えたという。

米軍の空爆以降、米軍や人員、あるいは米軍が活動する基地への攻撃は、イラクで激化し、シリア東部にも広がっている。

イランの外務省は、この記事のためのロイターの質問にすぐには回答せず、革命防衛隊の広報局の職員からもすぐにはコメントを得られなかった。

イランの国連特使は今月、テヘランがイラクとシリアの米軍への攻撃を支援しているというアメリカの非難を否定し、アメリカがイランを支援する武装勢力を空爆したことを非難した。

イラク政府や首相官邸からは、この会談に関する質問への即座の回答は得られなかった。

関係者は、この件については慎重を期すため匿名を条件にロイターの取材に応じた。

シーア派が多数を占めるアラブ最大の国であるイラクは、2003年にアメリカ主導の侵攻によってスンニ派の指導者サダム・フセイン氏が倒されて以来、アメリカとイランの対立の舞台となっている。

シーア派民兵は、2011年に撤退した後、2014年にダーイシュ・グループとの戦いのため連合軍の先頭に立ってイラクに戻ってきた米軍に対して、持続的かつますます洗練された軍事行動を展開している。

しかし、イラン系の民兵メンバーのうち4人が死亡したとされる米軍による空爆以降、爆発物を積んだドローンでの攻撃などが増加している。

これらのグループの活動や作戦に近い2人のイラクの治安筋によると、7月5日の会合でイラン側はイラクの協力者にシリア東部の米軍の陣地の航空地図を渡したという。

アメリカ防総省は、7月7日に行われたアイン・アル=アサド空軍基地へのロケット弾攻撃で米軍兵士2名が負傷したことを含め、これらの攻撃に深い懸念を抱いていると述べている。

防衛隊の幹部であるタエブ氏は、イスラム教シーア派の中堅聖職者で、内部関係者やアナリストからは最高指導者のハメネイ師に近いと目されている人物である。

現地の高官によれば、昨年任命された防衛隊の遠征部門であるクッズ部隊の責任者であるエスマイル・ガアニ准将がイラクを訪問してもエスカレーションが起こらなかったため、ハメネイ師はタエブ氏をイラクに派遣したという。

イラク政府関係者によると、イランはイラクの協力者を利用して、イランの原子力活動を抑制する代わりにアメリカの厳しい制裁を解除するという核合意の復活に向けて圧力をかけようとしているようだという。

イランのある上級外交官によれば、タエブ氏のバグダッド訪問は、昨年初めにアメリカの無人爆撃機による攻撃でクッズ部隊の前司令官であるカセム・ソレイマニ将軍が殺害された後、ハメネイ師がイラク問題に直接関与していることを示しているという。

先月アメリカにより空爆されたイランの支援を受けるある民兵組織のスポークスマンは、最近の攻撃がイランの支援を受けるシーア派の組織を指す「イラク・イスラム抵抗勢力」によって行われたことを正式に発表した。

カタイブ・ザイード・アル=シュアダ(Kataib Sayyed Al-Shuhada)派のスポークスマンであるカディム・アル=ファトゥーシ(Kadhim Al-Fartousi)氏はロイターに対し、「米軍に対する軍事的エスカレーションは、彼らの戦闘部隊がすべてイラクから撤退するまで続くだろう」と語った。

イランの支援を受けたグループであるアサイブ・アール・アル=ハク(Asaib Ahl Al-Haq)の政治局幹部であるサード・アル=サーディ氏は、もしアメリカが民兵への攻撃を続けるならば、イラクとシリアのどこでも米軍へのより効果的な攻撃が期待できると述べた。

この会合は、バグダッドの高級住宅地ジャディリアで、アメリカ大使館からティグリス川を渡ってすぐのところにある別荘で行われたと、地元の民兵組織の司令官2人が語った。

イランとアメリカは、核合意の復活に向けて、4月上旬にウィーンで間接交渉を開始した。6月20日に終了した交渉のさらなる日程は決定していない。

欧米とイランの政府関係者の中には、アメリカのどの制裁を解除すべきか、また、イランがいつまでに核に関するどの義務を果たすべきかについて意見の相違があるため、協議の終結にはほど遠いと言う人もいる。

ロイター通信

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