• ボドルムでは火の手が丘を下って海岸に向かい、パニックに陥った観光客は31日、いくつかのホテルから避難した

イスタンブール：ビーチのあるトルコの観光地、アンタルヤとムーラで発生した山火事は、消防士が5日間消火活動に当たる中、1日、猛威を振るった。一部の住民が危険から逃れるためにボートに乗る中、沿岸警備艇はより大規模な避難が必要な場合に備えて海で待機していた。

ムグラの人気地区ボドルムの村では、普段は暴動の鎮圧に使われる警察の放水銃が、ヘリコプターと消防車を支援して消火活動を行った。トルコのテレビには、前に鎮火した火事が再発し、炎と煙が村に迫っている様子が映し出されていた。

市民は、家やオリーブ園を守りたいと思い、協力しようとしていたが、既に被害を受けている家もあった。沿岸警備隊や民間の船が、一部の住民が船で避難するのを助けていた。

ムーラのもう一つの観光地、マルマリスで起きた火災は、強風で消火活動がより困難になり、1日になっても続いていた。マルマリス周辺の村の住民はソーシャルメディアでさらに助けを求めている。観光客や一部の住民はスーツケースを持ってボートに乗り込んだ。他の人たちは火の手が海岸に降りてくるか、心配そうに見ていた。マナヴガットの近くの村にも炎が迫っていて、ヘリコプターが炎を消そうとしていた。べキル・パクデミルリ農業・森林相は、トルコ全土で107件の山火事が「制御されている」とツイートした。同氏のリストは、7月28日以降、32の州で山火事が発生していることを示していた。1日、山火事による死者は8人に増えた。

ボドルムでは火の手が丘を下って海岸に向かい、パニックに陥った観光客は31日、いくつかのホテルから避難した。ロシアのメディアは、避難者の中には100人のロシア人観光客が含まれていたと伝えた。トルコ当局は、火災が非合法のクルド人民兵組織による「破壊活動」として始まった可能性があるかどうか調査していると言っているが、専門家の多くは、人間による事故にも見えるが気温の急激な上昇が見られたため、気候危機だと指摘している。

トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は31日、火災の一つは子供が起こしたものだと述べた。同氏は31日、被災地のいくつかを視察し、住宅の再建を支援すると約束した。しかし、ソーシャルメディアの利用者は、エルドアン大統領が大規模な車列を組んでマルマリスに到着して交通に影響を与えたことや、同氏の話を聞くために集まっていた人たちにバスの上からティーバッグを投げつけたことを非難した。

北アフリカからの熱風を受けた南ヨーロッパの熱波により、イタリアのシチリア島やギリシャ西部など、地中海で山火事が発生した。炎から逃れるために船で避難する住民もいた。

トルコや南東ヨーロッパの近隣国では2日、多くの都市や町で気温が摂氏42度まで上がると予想されている。アンタルヤでは1日、既に41度を記録していた。

一方、トルコ東部のワン県では、大雨の中、小川が氾濫した後、洪水が起こり、少なくとも6棟の家屋が倒壊した。先月トルコ北部で発生した洪水では、少なくとも6人が死亡した。

AP