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米国大使がリビアの司令官と会談、選挙を促す

リチャード・ノーランド氏がハリファ・ハフタル氏とエジプトの首都カイロで会談した。ハフタル氏はリビアアラブ軍を自称する組織の司令官である。(AP資料写真)
リチャード・ノーランド氏がハリファ・ハフタル氏とエジプトの首都カイロで会談した。ハフタル氏はリビアアラブ軍を自称する組織の司令官である。(AP資料写真)
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12 Aug 2021 06:08:53 GMT9
12 Aug 2021 06:08:53 GMT9
  • 先月、リビア国連特別大使は「妨害者ら」が12月に開催する国家統一の選挙を妨害しようとしていると非難した
  • リビア政治対話フォーラムはこれまでのところ選挙開催の法的枠組みの同意を得ることができていない

カイロ: 水曜、米国リビア大使がリビアの軍事司令官と会談した。今年末のリビアでの選挙開催に向けて国連が仲介するロードマップを救済するために国際的な努力が行われている中でのことである。

リチャード・ノーランド氏がエジプトの首都カイロでハリファ・ハフタル氏と会談した。ハリファ・ハフタル氏はリビアアラブ軍を自称する組織の司令官である。米国大使館によると、今回の会談は12月開催のリビアの議会選挙と大統領選挙を支援する米国の取り組みの一環であるという。

米国大使館はツイッターに「12月24日に選挙を開催するために今、憲法上の基礎や法的枠組みを確立する必要があります。そのためには困難ですが妥協策が必要であり、ノーランド氏はそのための喫緊の支援に引き続き注力しています」と書き込んだ。

「リビア国民は開かれた民主的な手続きを通して自分たちの指導者を選出する権利を持っています。米国はその権利を支援するとともに、現在の重要な段階で全リビア国民にとって最善のことを行うべく、主要な人物にその影響力を駆使するよう呼びかけています」と米国大使館は述べた。

ハフタル氏と暫定政府の間で緊張が高まる中、今回の会談が行われた。ハフタル氏は今週始め、権力の座にある大統領評議会に諮ることなく承認なしで軍人の昇進を発表した。リビアの軍は崩壊しているが、大統領評議会の代表は最高司令官の役割を務めている。

「諸君の軍隊は国民によって選ばれた者以外のいかなる権威にも服さない」月曜、リビア軍設立を祝う式典でハフタル氏は自らが率いる軍団に向けてそう語った。

長期に渡って独裁を行っていたムアマル・カダフィ氏を2011年にNATOが支援する反乱で転覆させて以来、リビアは混乱に陥っている。反乱後の数年間、石油が豊富なリビアは首都トリポリの国連支援政府と、リビア東部を拠点とする対抗権力組織との間で分断された。両者とも、武装組織や外国政府の支援を受けていた。

ハフタル氏はエジプトの同盟者であり、旧東部政府と連携していた。

2019年4月、ハフタル氏は軍隊を率い、トリポリに侵攻を開始した。トリポリの政府は国連の支援を受けていたが弱体化しており、武装組織と緩やかな同盟を組んでいた。ハフタル氏の侵攻はそうした武装組織からトリポリを奪取しようとするものだった。

ハフタル氏の軍事作戦は14ヶ月間続いたが、トリポリを拠点とする政府にトルコが何百人もの軍団と何千人ものシリア傭兵をともなって軍事支援に乗り出したことで崩壊した。それにより10月の停戦につながった。さらに1ヶ月後、チュニスで選挙を開催するというロードマップが敷かれた。選挙は暫定政府も対象となっていた。

先月、リビア国連特別大使のヤーン・クビシュ氏は、分断された国家を統一するために12月に開催される重要な選挙を「妨害者ら」が妨害しようとしているとして非難した。クビシュ氏は国連安全保障理事会に、リビアの重要人物の多くが選挙を行うことを何度も宣誓しているが、「残念ながら、彼らの多くは約束を実行するだけの準備ができていない」と述べた。

国連安全保障理事会は、いかなる個人であれ組織であれ、選挙のプロセスを妨害しようとする者には国連の制裁を課す可能性があると警告した。

リビア政治対話フォーラムは、あらゆる職業および社会的地位からなる75名のメンバーで構成されているが、これまでのところ選挙を開催するための法的な枠組みの同意を得ることができずにいる。国連リビア支援ミッションによると、水曜にインターネット上でフォーラムの集会が行われ、選挙の憲法上の基礎に関する4つの提案について議論が行われたという。

クビシュ氏はフォーラムで、このフォーラムには「(憲法上の基礎に関して)同意に到達する力が欠けており、リビア国民が民主的に自分たちの代表を選出し、長期間失われていたリビアの正当な国家体制を回復させる権利を再び奪うことになってしまうリスクがある」と述べた。

もう1つの大きなハードルは、外国軍や傭兵が何千人も留まっていることである。石油の豊富なリビアでの戦闘を終結させた去年10月の停戦合意にもとづいて撤退が要請されたが、うまくいかなかった。

一方、国連リビア支援ミッションは火曜深夜、今月初旬のトリポリでの政府職員の拉致および行方不明事件に関して懸念の声を上げている。

同ミッションによると、8月2日、第一副首相のリダ・ファラージ・フライティス氏が首都の政府庁舎に訪れた後、フライティス氏とその同僚が武装した一団に拉致されたという。彼らの安否は不明である。

国連リビア支援ミッションは、民主的な変化の支持者がさらに標的になることが懸念されているという。そのような人々が標的にされることは「平和と和解のプロセス、そして国家体制の完全な統一に重大な関係があります」と同ミッションは述べた。

AP

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